採血を抵抗する猫にカメラを回し続ける様子が炎上(『もちまる日記』YouTubeより)

 チャンネル登録者数199万人を誇る人気YouTubeチャンネル「もちまる日記」。同チャンネルはスコティッシュフォールドの「もちまる」と、飼い主である「下僕」の何気ない日常を配信する人気チャンネルだ。

 12月3日に投稿された動画の内容では、一時的に預かっている子猫の「むぎまる」が去勢手術に向けて検査を受ける様子を投稿。むぎまるが無事に検査を終えて、去勢手術に臨むまでの姿が配信された。

 しかし動画内では採血を必死に抵抗するむぎまるの姿が映しだされており、普段とは違う痛々しいシーンも。

再生数を稼げればなんでもアリ?

 この動画についてTwitter上では、

「こんなことまでしてネコをネタにしないで欲しい…。しかも自分のネコじゃなくて他人のネコなんでしょ? 再生数を稼げればなんでもアリなのでしょうか」

「こういう時はカメラではなく、猫ちゃんを安心させるべきじゃない?動画にするより大事なことを忘れないでほしいです」

「怯えている様子を撮影するのって、もう普通に虐待だと思うんだけど……」


 など、手術に臨むペットに対しての配慮が足りないのでは?とする意見が上がった。

採血を抵抗する猫にカメラを回し続ける様子が炎上(『もちまる日記』YouTubeより)

 実は同チャンネルは、過去にもいくつか動物虐待を思わせるような炎上動画を投稿している。

 11月4日に投稿した《猫が生まれて初めて観覧車に乗ったら楽しすぎてこうなっちゃいました笑》とタイトルがつけられた動画では、もちまると下僕が観覧車に乗る様子を投稿。不必要にもちまるを屋外に連れ回す行動についてSNS上では、

「飼い主の自己満足のために家ネコのもちちゃんを使わないで! ネコは金稼ぎの道具じゃないんだから!」

「普通はネコをこんなに連れ出したらストレスが溜まるはずです。もちちゃんが大人しい性格だから楽しそうに見えるけど、これが当たり前だと誤解させてしまうのが怖い」

「大人しくしてるように見えるけど、かなり怯えてるんじゃない? 楽しいのは下僕君だけだと思います」

 など批判のコメントが。

動画削除に追い込まれた過去も

 また、2021年にも友人から預かったヒヨコ(ぴーちゃん)ともちまるを対面させた際に、くっつきそうなほど至近距離にさせたことから「ヒヨコともちまるの両方にとってあまりにも危険すぎる」として批判を受けたことも。

 当時、多数の批判を受けた下僕氏は動画の概要欄にて

《もち様とヒヨコのぴーちゃんについて、危ない思いをさせてしまいまして本当に申し訳ございませんでした

 今後はもち様の気持ちと安全を最優先に、動物のお預かりはハッキリお断りできるようにいたします》

 とコメント。動画を非公開にして謝意を表明している。

『もちまる日記』から削除された動画。もちまるとヒヨコを近づけることの危険性について、のちに謝罪した

 多くの炎上騒ぎを起こしているこのチャンネルだが、他のYouTuberと違い、「アンチは無視すればいい」といった状況ではないという。

  それは、もちまるが“企業とのタイアップが多い”という問題だ。もちまるは昨年9月に『YouTubeで最も視聴された猫』としてギネス世界記録に認定され、ユニクロ、ローソンといった大企業ともコラボしたことのある動物系のYouTuberの最右翼。

 10月にはもちまるが家具・EC事業を展開する『タンスのゲン株式会社』の公式アンバサダーに就任。「もち様監修」として、もちまるが好む生地からなる寝具、こたつ布団、ラグなどを発売。12月からは来年1月までの期間限定で『極楽湯・RAKU SPAグループ』17店舗で開催註。もちまると過ごすひとときをイメージした風呂や、オリジナルグッズなどを展開している。現在公開中の新海誠監督のアニメ映画『すずめの戸締まり』の広報大使にも任命された。

「下僕さんもYouTuberとして毎日のように動画投稿をするなかで企画となるネタ探しに苦慮する部分もあるのでしょう。ゆえに、時として動物愛護の観点においてきわどい企画も出てくる。意見を口にすることができない猫だけに、視聴者も飼い主の行動には過敏に反応してしまう。そういった意味で構造的に炎上しやすいチャンネルといえるでしょう。

 企業がタイアップする理由のなかには『猫がかわいい・癒される』という理由だけでなく、『人ではないぶん不祥事が起こりにくい』といった“対リスク”の観点もあるはず。今後、決定的な炎上が起こったときに、企業の見方が変わらないかが心配ですね。今後、“虐待”の声が大きくなったときはコラボは難しくなるでしょう」(ウェブメディア編集者)

 今後はもちまる及び、その他動画に出てくる動物たちのメンタルを考慮した投稿を求められるだろう。

 
『もちまる日記』から削除された動画。猫とヒヨコを近づけることの危険性について、のちに謝罪した

 

採血を抵抗する猫にカメラを回し続ける様子が炎上(『もちまる日記』YouTubeより)

 

採血を抵抗する猫にカメラを回し続ける様子が炎上(『もちまる日記』YouTubeより)

 

採血を抵抗する猫にカメラを回し続ける様子が炎上(『もちまる日記』YouTubeより)