大手航空会社ANA(全日本空輸)がSNSに投稿した写真と動画が物議をかもしている。
ノーマスクで密な動画、搭乗ルールとの食い違いで炎上
客室乗務員やグラウンドスタッフ、整備士など制服を着た従業員30名程度が人文字で“70”と作っている写真と、同じく制服を着た従業員が集まって「70周年、ありがとう」と感謝を伝えている9秒ほどの動画。何が問題になっているのか。
「ANAが12月1日で創立70周年を迎えたことを記念して公式Twitterに写真を、インスタとTikTokには動画を投稿していました。
この写真と動画に映っている大勢の従業員たちがマスクなしで密になっている状況だったことから、お祝いメッセージ以外に多数の批判コメントが寄せられるという事態になっています」(ネットニュース編集者)
批判コメントを一部紹介すると、
《客にマスク強要しておいてなにこの写真》
《寝ている子どもにわざわざマスクを着用しろと起こして注意されました。写真撮影でノーマスクOKなら黙って静かにしてる人に声かけないでください》
など、搭乗時のマスク着用を引き合いに出す内容がほとんどだった。
撮影は「感染対策実施」、搭乗は「ガイドライン通り」
マスク着用について、ANAのホームページを確認すると、
「空港および航空機内においては、お客様同士のご不安解消のため、マスク等を必ずご着用ください。ただし、乳幼児を含む小さなお子様や、健康上の理由により着用が難しい理由があるお客様は除きます」
と記載。さらに、マスク等を着用しない人の搭乗をお断りする場合があるともあった。
矛盾するようにも感じられるSNSに投稿されたノーマスクでの写真や動画についてANAに確認したところ――
「撮影にあたっては、出社時に体調確認するなど感染防止対策を実施し、撮影時のみ短時間でマスクを外して撮影しました」
との回答。今後についても
「引き続き必要な感染対策を講じた上で撮影してまいります」
という返答だった。
一方で搭乗客へのマスク着用については
「マスクの着用・非着用については、両面からお客様のお声をいただいていることは認識しております。ANAでは航空機内においては『定期航空協会ガイドライン』に沿ってご搭乗のお客様にマスクの着用をお願いしております」
との説明があった。ANAやJAL(日本航空)をはじめとする航空会社が会員となって航空運送事業に関する調査、研究を行っているのが『定期航空協会』。その協会が専門家などに確認したうえで定めているガイドラインに従って運用しているという。
投稿写真や動画を見た乗客がどう思うのかまでは思い到らなかったのか…。誰もが安心して空の旅を楽しめる環境を作ってほしい。