「最初は“え、僕ですか?”と(笑)。今までは『仮面ライダー』などをやられていた俳優さんが、というイメージもあったので。しかも、火曜夜9時枠に移動というリニューアルのタイミング。歴史ある番組で、自分にとっても重みのある番組への出演は非常にうれしかったですね」
『科捜研の女 2022』に出演中の小池徹平(36)。演じているのは、今作から科学捜査研究所の研究員となった君嶋直樹。専門は物理で、過去に外国で起きたレアな事例にも精通している。
『科捜研の女』で新レギュラーとなった小池徹平
「セリフが難しくてだいぶ大変ですね、やばいです(笑)。けっこうおしゃべりタイプ、物知りキャラみたいなところがあるので。とにかく読めるときには台本を読む!! という感じ。ずっと頭の中でぶつぶつ言っています」
従来の人情味は抑えられ、今作での捜査は最新の科学を駆使し、よりスタイリッシュに。
「ひょっとしたら、途中でトイレとかに行っちゃうと話についていけない、みたいな(笑)。それくらい内容がすごく濃くて、作り込まれています。僕自身、現場で“これ、どういうことなんですか?”と確認しながらやっているところもあるので。最新の科学はすごいのと同時に、妙なリアリティーもあるんですよね」
愛娘がおたふく風邪の際には、リモートで捜査に参加するなど、君嶋にはイクメンの一面が。
「家庭をすごく大事にする部分は似ているというか、本当にわかる。おそらく、奥さんと共働きなんでしょうね。育児にも協力的な夫ってすごくすてきな理想像ですし、親近感がわく演出だと思います。実際の僕ですか? 子育てはまず“大変”、それから“楽しい”の順かな。(自分が)関わっていかないと、まず無理です。家庭が崩壊します、本当に(笑)」
逆に似ていない部分は?
「だいたい似ていないです(笑)。僕、人前であんなにしゃべりたくないですもん。知識をひけらかしてしゃべるのはいちばん嫌ですもん(笑)」
研究所内での捜査がメインだった君嶋も、第8話(12月13日放送)からは外へ。そして最終話(12月20日放送予定)に向かって、緊迫感が高まってくるという。
「1話、5話の古久沢(石黒賢)など、再登場するキャラクターがけっこういて。そして、物語がつながってくる。頭脳戦、そして探り合い。そんなプロフェッショナル同士の戦いが、科捜研のカッコよさだと思います。ぜひ、楽しみにしていてください!!」
京都の撮影するも観光は「なかった」
京都グルメや観光も?
今作の撮影は、主演ミュージカル『キンキ―ブーツ』(11月3日千秋楽)との両立期間が長く、
「本当にやばかったですね」
と、苦笑い。撮影はほぼ京都で行われているが、京都グルメや観光を楽しむ時間も?
「なかったです。撮ったら帰る、みたいな(笑)。滞在先のホテルのサウナで一発リフレッシュして、翌朝から撮影に臨む、みたいな。8話のロケでツリークライミングを初めてやったんですが、すごく楽しかった。ちょっとした紅葉も見られて。“京都来てよかったなぁ”と。初めて京都を感じられた瞬間でした(笑)」
デビュー20周年、これまでの転機は数え切れないほど
俳優デビューは『天体観測』(’02年)、今年で20周年だ。
「感慨深さはとってもあります。本当に大変だったけど、すごく幸せな思いもできた1年でした。7月にファンミーティングができたことが、自分の中ですごく大きくて、うれしくて」
そのキャリアの中での転機を尋ねると、
「めちゃくちゃいっぱいありますよ。最初に『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』を受けたときもすごい転機でしたし、そこから転校して上京したのも。学園ドラマに出たのも、20歳になったことも、ミュージカルを始めたことも、WaTを組んだことも、解散したことも転機。もう、数え出したらきりがない20年。ひとつ“これ”というのは出てこなくて」
重ねた時間の中での変化は、
「やっぱり親になったこと。家庭を持ったというのが、自分の中ではすごく大きいです。変わらないことは、今でもこの仕事が好きだということ。それはもう、間違いなく変わらないです」
改めて、今後はどんな俳優を目指しているかと質問すると、
「ほどよいペースで(笑)。もう、あんまり無茶はしたくないと思うので。もちろん仕事も頑張らなきゃいけないし、楽しくやっていきたい。それと同時に、家庭の時間も取っていきたい。やっぱり両立してこそ。今しかない時間を、どっちも楽しみたい。そこをバランスよくできたらいいな、と思っています」
俳優であり、家庭人。その充実ぶりがとてもまぶしい――。