こっちを向くサボリーマン風の戸塚純貴(撮影/山田智絵)

「もう最近はジュノンからもあまりお声がかからなくて。4年に1回くらいですかね」

下っ端希望の三十路男子、戸塚純貴

 そう嘆くのは戸塚純貴(30)。月刊誌『ジュノン』が主催する2010年のジュノン・スーパーボーイ・コンテストで賞もとった正真正銘のジュノンボーイだ。今年の7月に30歳の節目を迎えた。

ジュノンボーイでもある戸塚純貴(撮影/山田智絵)

 そう嘆く反面、お仕事的にはドラマに映画にと、やたらお呼びがかかるようになった。

 2022年も、『ユーチューバーに娘はやらん』『恋なんて、本気でやってどうするの?』『遺留捜査』など、毎クールのようにレギュラー出演が続く。

節目節目ってよく言われるけど、ただ1歳年をとっただけ。30歳になったから何かをしようとか、自分の性格には合わないかなって

 気づいたら辞めようと思うタイミングがなく続けてきただけと話すが、役者の仕事は向いていたようで、

「面白かったんですねえ。演出家の方との毎日が勝負というか、いろんなディベートの繰り返し。結局、採用されるのはひとつだから、自分がどう試行錯誤してやっていくか。

 言われたとおりにやるのは簡単かもしれないけど、自分にしかできない表現を探していく。それが楽しいんでしょうね

 年が明けて1月からは、サラリーマンのバイブルといわれた名作ギャグ漫画のドラマ版、『かりあげクン』に主演する。

 42年前の1980年にスタートして絶大な人気を誇り、いまも続いている4コマ漫画のレジェンドだ。戸塚の飄々とした雰囲気は主人公のサラリーマン・かりあげ正太にぴったり。

「っぽいですよね。僕も天の邪鬼だし、かりあげクンの性格に通じるものがある。いたずらのためなら、めんどくさいことも時間をかけることもいとわない。

 それは俳優業にも通じることで、自分の創作意欲に妥協しない、かりあげクンの精神は、勉強になりました(笑)

 人のイヤがることばかりをして、空気を読めないかりあげクンだが、

誰よりも人の気持ちがわかる人だと思います。誰かに向けていたずらをするのは、その人に何をすれば困るのかを考えているわけですから。

 いたずらしても周りから人が離れていかないし、愛されている。かりあげクンは僕の先生です」

体育座り姿の戸塚純貴(撮影/山田智絵)

サボりたいから社長よりサラリーマンがいい

顔が良いサボリーマンを演じる戸塚純貴(撮影/山田智絵)

 ドラマ撮影の現場ではタイトなスケジュールのなか、出演者たちのチームワークもよかったと話す。

「課長役の(岩井)ジョニ男さんも撮影現場をすごく盛り上げてくださったし。係長役の野口(かおる)さんも、つねに100%のエネルギッシュなお芝居をされる方だし。

 今回、主人公のかりあげクンはちょっと“省エネ”な感じのお芝居なんです。なので、共演の皆さまがすごく盛り上げてくれてやっと彼の人物像が浮かび上がるっていう、ほんにゃら産業はそんな組織図になっております(笑)

 かりあげクンが働く会社「ほんにゃら産業」。現場では出演者だけでなくスタッフも含め、こんな会社に就職したいと話していたそう。

 役者を目指す前は自動車整備会社への就職を考えていたという戸塚。そんな自分自身が会社に入るなら、社長になりたい派? サラリーマン派?

社長はちょっと……エラくなっても3番手くらいで。サボりたいですよねえ。だからサラリーマンでいたい。下っ端がいいです。でも万年ヒラのサラリーマンじゃ下の者への示しがつかないから、最終的には部長くらいで(笑)

 ドラマの撮影中は見事なかりあげヘアだった戸塚。もう一回かりあげにする予定は?

「あります!っていうか、いまのところ予定ないんですけど、シーズン2をやりたいです。やりたいと思っているという強い希望は言っておきます!」

Q.2023年はどんな年に?

戸塚「そうですねぇ、『週刊女性』に撮られないように……」

――マネージャーさんが大丈夫って言ってます。ネタがない!って。

戸塚「……ネタ、作らなきゃ!」

――で、23年は?

戸塚健康を大事にしていきたいですね。身も心もお芝居も健康的に。昔から、年末に年末調整みたいに風邪ひいちゃうんです。やっぱりお仕事は休めないじゃないですか。

 だから正月休みに一括して病気になったときのつらさっていったらないんですよね。あ、ありました、役者を辞めたいって思ったこと。そのときでした(笑)」

ドラマ『かりあげクン』2023年1月7日スタート毎週土曜夜11時~(BS松竹東急)(C)BS松竹東急/AOIPro.
ドラマ『かりあげクン』2023年1月7日スタート毎週土曜夜11時~(BS松竹東急)(C)BS松竹東急/AOIPro.

(撮影/山田智絵)