12月7クロサギ日までの見逃し配信の再生数は4600万を突破。フジテレビのドラマの歴代最高記録を更新するなど、秋ドラマで話題を独占中なのが『silent』

 12月7日までの見逃し配信の再生数は4600万を突破。フジテレビのドラマの歴代最高記録を更新するなど、秋ドラマで話題を独占中なのが『silent』。

「派手な演出はないものの、緻密な伏線や演出について言及する視聴者も多く、“考察ブーム”が起きているのも見逃し配信が好調の理由です」(テレビ誌編集者)

 12月22日に放送される最終回まで残り2話となり、ネット上ではラストのストーリー予想をする視聴者も増加している。気になる最終回だが「ハッピーエンドでほぼ間違いない」と語るのはフジテレビ関係者だ。

今作を手がける村瀬健プロデューサー(以下、村瀬P)は、'16年に担当した月9『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(以下、いつ恋)もハッピーエンドにしたかったものの、脚本を担当した坂元裕二さんの意向もあり、思い描いていた終わり方にできなかった。“次に恋愛ドラマを手がけるときはハッピーエンドにしたい”と漏らしていましたからね

有村架純などが出演した’16年放送の『いつ恋』も泣けると話題に

『silent』と『いつ恋』がシンクロする部分

 今作が連ドラデビューとなる生方美久氏を脚本に抜擢したのも、村瀬Pのラストへのこだわりなのかもしれない。

「生方さんに才能を感じたというのは大前提ですが、キャリアのある方だと、脚本家の意向が最優先になりがちですからね。『いつ恋』のリベンジを果たすためには、生方さんのような新人脚本家のほうが都合はよいのでしょう」(同・フジテレビ関係者)

 ドラマ事情に詳しいフリーライターの田幸和歌子さんに『silent』と『いつ恋』との共通点を聞くと、

「両作品とも登場人物が決して裕福ではなく、まじめに日々を生きている等身大の若者なので、恋愛を真っすぐに描いています。『silent』の中でも特に絶賛され、物語のポイントになった第3話と第6話は『いつ恋』と同じ高野舞監督の演出回です」

 意図的に入れられた演出にも、『いつ恋』とシンクロする部分があるという。

紬(川口春奈)と想(目黒蓮)が交際するきっかけになった高校3年生のクラス替えのシーンで張り出された座席表には『いつ恋』で高良健吾さんが演じた“曽田練”の名前があり、SNSで話題になりました。川口春奈さんの母親役を演じた森口瑤子さんの夫は『いつ恋』の脚本を担当した坂元裕二さんといったつながりも」(田幸さん)

『Silent』に登場するクラスの座席表(インスタグラムより)

 共通点は多いだけに“『いつ恋』リベンジ”をぜひ果たしてほしいけれど……。

村瀬Pの作品はベタな展開やありふれたセリフがまったくなく、 ひとつひとつの言葉を丁寧にリアルに紡ぐのが特徴です。それぞれの思いや背景を知ると、誰もが愛おしいキャラなので最終的にはみんなが幸せになってほしいですね。特に紬の元カレである“主成分・優しさ”の湊斗(鈴鹿央士)と、想に手話を教えた奈々(夏帆)が、幸せになってほしいなと思います」(田幸さん)

 12月22日はハッピーエンドが見られるはず。

田幸和歌子(たこう・わかこ) 週刊誌や月刊誌、Webメディアなどで俳優や脚本家のインタビューや、ドラマに関する記事を執筆。著書に『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)など

 
川口春奈、目黒蓮、鈴鹿央士のオフショットは“すてきすぎる”と大反響(番組公式インスタグラムより)

 

(左から)目黒蓮、川口春奈、鈴鹿央士

 

『silent』のロケ地・世田谷代田駅はファンの聖地になっており、平日でも多くの女性の姿が

 

タワレコ店内にはスピッツコーナーが(ドラマ『silent』ロケ地)