『サッカーFIFAワールドカップカタール2022』での日本代表の活躍ぶりは凄まじいものがあった。
今回のワールドカップの盛り上がりは凄まじいものがあった。格下の日本チームが強豪チームであるドイツやスペインを下し予選リーグを1位で通過するなんて誰が予想しただろうか。
点が入りにくいサッカーの試合には番狂わせが付き物という人もいるが、
「まぐれではなく、間違いなく日本チームは強くなっている」
と、スポーツ紙の記者やスポーツライターは口を揃える。過去最強だと。
輝くスーパースター選手に終止符
ここ数年、日本サッカーのレベルが高まるウラで、ある変化が見られている。
「熱愛どころか、彼らのプライベートを捉えるのも難しくなりました」
そう言うのは写真誌記者。彼らとは今回活躍した日本代表選手も含め現在のJリーガーたちのことだ。
Jリーグ(日本プロサッカーリーグ)が誕生したのは1993年のこと。そこから数多くのスター選手たちが生まれた。
『キングカズ』こと三浦知良選手を始め、武田修宏、ゴン中山(中山雅史)、“野人”岡野(岡野雅行)、前園真聖、そして中田英寿など名だたるスター選手が誕生。サッカーブームをさらに盛り上げてくれたのだった。
国民的スターとなった選手たちを当然メディアが放っておくわけがない。スポーツ紙はもちろん国内のほぼ全週刊誌が彼らを追いかけだした。人気スター選手のプライベートならなんでも読まれ、ちょうど小室圭さんと眞子さんのように週刊誌には毎週Jリーガーの話題が掲載され、販売部数を伸ばしたのだった。
高額の報酬を得ていた彼らは、得てして私生活が派手だった印象がある。高級外車やスポーツカーを乗り回し、ハイブランドのファッションに身を包み、夜な夜な銀座や六本木に繰り出す選手も多く、当時、夜の街ではプロ野球選手以上に目立っていた。
武田選手は美女を従え焼肉店に行くことが多く、食事が終わるとポルシェで颯爽と夜の街に消えていったものだった。中田選手は国内だけでなく海外でも美女とのデート風景を撮られている。筆者も取材過程でカズと武蔵丸関が六本木のクラブで一緒に飲んでいるところを目撃したこともあった。
「ピッチの外で派手に振る舞うことで、Jリーグの存在を広くアピールしていたのだと思います。とにかくみなさん派手でしたね。最初の10年間はキングカズ、その後の10年は中田選手、そして本田圭佑選手に引き継がれましたが、そこで“華やかなサッカー選手”に終止符が打たれました。その後、キラキラ輝くスーパースターを見ることがなくなりましたね」(スポーツ紙記者)
選手の“夜遊び”が激減
それと同時に世間の“サッカー熱”も落ち着いてきて、週刊誌がサッカー選手を追いかけることも少なくなった。
もちろん有名人との熱愛が発覚したりすれば取材に動くのだが、それも稀だという。
「名前のよく知られた選手の多くは海外で活躍していますから、よほど大きなネタが出てこない限り、いま週刊誌はそこまで手が回りません。国内にいる選手でも一般人が相手の交際では記事を掲載してもそれほど注目されないので、コスパが悪いことから週刊誌も手を出しませんね。それにしても昔に比べて選手は遊ばなくなりました。合コンしているなんて話も出てきません。
以前はタレコミ(情報提供)がよくありましたが、今はほとんどないです。特にコロナ禍で芸能人が外に出なくなりましたが、サッカー選手も同じです。街中で発見したとしても、すでに報じられている彼女と一緒だったり、結婚している選手は家族と一緒だったり、みんな真面目です」(前出・写真誌記者)
12月7日の夕方。森保一監督とともに、吉田麻也、権田修一、長友佑都、堂安律、久保建英、田中碧らが同じ便で帰国した。空港では約650人のサポーターが集まっており、熱烈な歓迎を受けた。これまでにない盛り上がりをみせたW杯ということもあり、写真週刊誌も動いていたようで、
「帰国後打ち上げ開催の情報をとりにいったのですが、情報は得られませんでした。それならば、と空港から彼らの行動を追おうとしたのですが、関係者専用の別口から出て行ってしまいまったく取材できませんでした。結局、帰国した翌日の夜に選手やスタッフでレストランに集まり打ち上げが行われたそうです。しかし、そこでも深夜までどんちゃん騒ぎすることはなかったといいます」(写真誌カメラマン)
日本人サッカー選手のライフスタイルが大きく変わったという。強くなった原因はそんなところにあるのかもしれないーー。
<芸能ジャーナリスト・佐々木博之> ◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。