12月14日、TBS系バラエティー『水曜日のダウンタウン』内の企画『モンスターラブ』にて、'23年解散のBiSHなどが所属する事務所WACKより、新アイドルグループ『都内某所』の結成が発表された。
『水ダウ』でまたアイドル誕生に賛否
11月9日からスタートした『モンスターラブ』は、安田大サーカスのクロちゃん(46)の恋人探しをする企画で、クロちゃんのことを本当に好きだという女性2人と、好きなふりをしている女性の中から、「自分のことを好きじゃない」と思った女性をクロちゃんが脱落させていくというもの。
しかし、12月7日の放送回では、クロちゃんのことを好きなふりをしている女性たちが、“アイドル候補生”だったということが発覚。
続く12月14日放送の第5回では、突如クロちゃんの前に現れたWACK代表の渡辺淳之介氏が、「現在残っている3名で新グループを結成する」と発表する展開になった。
当のクロちゃんは最初は戸惑いながらも、新グループの名前と作詞を手がけることを承諾。その後クロちゃんが提案した『都内某所』にグループ名が決定し、12月15日、avexよりファーストシングル曲『クッキー』でメジャーデビューとなった。
そんな『都内某所』の曲『クッキー』だが、公開されたミュージックビデオのコメント欄では、こんな評価が並んでいる。
《都内某所のクッキーしばらく聴いてみたんやけど普通にいい曲だし、歌詞がすんなり入ってくる!》
《水ダウから生まれたアイドル「都内某所」のクッキー、いい曲やん笑。3人とも歌えてびっくり。クロちゃんが最後かっこよく見えて2度びっくり笑》
と、高評価の一方で、クロちゃんの恋愛企画として楽しんでいた視聴者には、今回の流れに批判的な声もつぶやかれている。
《今週のモンスターラブはがっかりだ!出来レースみたいで!》
《みんなアイドル向いてそうだし目指してた子は応援したい気持ちはあるけど、恋愛ものとして見てた一視聴者としては残念感が否めない》
《俺はクロちゃんが恋愛して騙されてるところが見たかっただけなのに、渡辺淳之介にネタばらしされて終わるの本当につまらん。しかも一気にアイドルプロモーションはじめたし、どうせ一発屋であんまり伸びなくてなんかオーディションとか開催したりするんだろ》
こういった視聴者の批判には、「過去の企画も起因しているのでは?」と話すのは音楽誌ライター。
『豆柴の大群』での成功体験があったから?
「'19年にも、番組の『MONSTER IDOL』という企画で、WACK協力のもとアイドルグループ『豆柴の大群』が生まれました。クロちゃんプロデュースで、またしてもアイドルグループが誕生するという流れに、既視感があるからでしょう。
リアリティー番組のように進んでいた企画だけあって、ネタバラシがあってからは、最初から台本通りだったのか……と思う視聴者もいたようです」
さらに『豆柴の大群』が、思うように活躍できなかったことも批判の要因になっているのではと音楽誌ライターは続ける。
「結成当初こそすごく注目されましたが、『MONSTER IDOL』終了後、人気にかげりが見え始めました。TikTokでは“オワコンの大群”などと揶揄されていましたね。コロナ禍でライブができなかったこともあると思いますが、番組の後ろ盾がなくなったことは大きかったと思います」
『豆柴の大群』のミユキエンジェルもWebメディア『ENTAME next』のインタビューで、こう語っている。
《そりゃ「消えた」とも言われるよね(苦笑)。特に『水ダウ』を観ていた、いわゆるライト層と呼ばれる人たちは辛辣でした》('21年1月29日配信『水曜日のダウンタウン』以降の豆柴の大群「放送終了後“消えた”“オワコン”と言われて…」より)
アイドルグループが飽和状態にある昨今。人気番組内で芸人によるプロデュースは大きな話題作りと同時に知名度アップのチャンス。しかし、プロデュース側の思惑が透けて見えてしまったかもしれない『都内某所』は2匹目のドジョウとなることはできるのだろうか……。
(取材・文/志村結衣)