熱い戦いの末、お笑いコンビ『ウエストランド』の優勝で幕を閉じた『M-1グランプリ2022』。今年も決勝での活躍を機にブレイクを果たすコンビが現れそうな予感だが、視聴者の注目を集めたのは“お笑い戦士”だけではなかった。
M-1初審査員の山田邦子の採点に辛辣な声
「今大会で初めて審査員を務めた山田邦子さんの採点が、ネット上で物議を醸しています。トップバッターとなった『カベポスター』に84点をつけたかと思いきや、2番手の『真空ジェシカ』には95点の高得点で、いきなり11点もの差をつけた。
山田さんは自身のYouTubeで“真空ジェシカ推し”を公言していましたから、自分の基準からブレずに採点したとも言えますが、序盤から荒れ模様を予感させる配点でしたね」(お笑い雑誌ライター、以下同)
さらに、M-1ならではのこんな見方も。
「ほぼすべての大会で審査員を務めてきた松本人志さんの審査内容には、視聴者だけでなく芸人も特に注目しますが、松本さんが96点をつけた『男性ブランコ』に対して、山田さんは86点と厳しめのジャッジでした。
それぞれが違う視点を持つからこそ複数の審査員がいる意味があるといえますが、2人の間に10点もの差があったことは、少なからず波紋を呼んでいます」
山田の審査を受け、ツイッターでは
《基準がわからない》
《ブレっブレで最悪でしたな》
《コメントが薄すぎて、、》
などの辛辣なコメントが寄せられた。
山田の採点を“分析”してみえた「影響のなさ」
山田はこれらの声に対し、自身のツイッターアカウントでこのように見解を明かした。
《的確で、公平な審査をしたつもりです》
《悪いところは本人たちがわかっているので敢えていう必要がない、と考えています》
放送直後、スポーツ紙のインタビューに応じた山田は『カベポスター』への84点という採点について「私ね、平均点を80点と考えていたんです」と、自分の中で設定した平均を上回る評価だったことを明かしている。
SNS上でも堂々と説明する姿勢に好感を持つ人は多く、振り幅の大きい採点をしたことを評価する声もある。
しかし、一方ではこんな“分析”が話題となっていて……。
「決勝では、まず全10組が“ファーストラウンド”でネタを披露し、その後、上位3組による“最終決戦”によってチャンピオンを決めます。
ファーストラウンドでは、各組のネタに対して7人の審査員がそれぞれ100点満点で得点をつけて、その合計点を競いますが、“山田さんがつけた点数を差し引いても、ほとんど結果が変わらない”ということが話題になっているんです」
実際に「山田がいなかった場合」を想定して計算してみると、ファーストラウンドで2位だった『ロングコートダディ』と3位だった『ウエストランド』が入れ替わるだけで、他の8組の順位は変わらず。上位3組の顔ぶれが変わらないことからも、最終決戦にも影響がないという見方もある。
ある意味では納得の採点と順位
SNS上では、
《【朗報】邦ちゃんあんまり関係なかった》
として、「山田の審査内容によって大会が振り回されたことはない」という意見が寄せられているが、反対に、
《いてもいなくても変わんないなら、いないほうがいい》
《いる意味ないじゃん、、、》
といった厳しい声も。しかし、さらに分析すると意外な結果に辿り着いた。
山田以外の審査員を、同じように「いなかった場合」を想定して、それぞれ点数を差し引いて計算してみると、なんといずれの場合も上位3組は顔ぶれがまったく変わらないのだ。
ナイツ塙宣之が不在の場合は、実際の結果で2位だった『ロングコートダディ』と3位だった『ウエストランド』が566点で2位タイとなるほか、サンドウィッチマン富澤たけしが不在の場合は、同2組の順位が入れ替わる。
しかし、それ以外は4位以下に変動があるのみで、トップ3の組み合わせどころか順位まで実際の結果と変わらない。
つまり、ネット上で話題となっている「誰かがいなかった場合」の計算方法をもとに考えると、審査員全員が“あんまり関係なかった”ことになってしまう。
「山田さんに限らず、“審査員のうち誰か1人を除いただけでは、結果に大きな影響はない”ということは、今回はそれだけ全審査員が納得のいく順位になっていたということ。よくも悪くも、今年のM-1はある意味荒れない“平和”な回だったのかも」
個性的なネタを披露するコンビが多かった『M-1グランプリ2022』。審査員の個性は、意外と控えめだった!?