映画『そして僕は途方に暮れる』に恋人役で共演する藤ヶ谷太輔と前田敦子。「休日はスマホoffが理想だけど……」と語る、多忙なふたりの“あるある”を独占インタビュー!
舞台の感動が映画に
「舞台であれだけしんどかったので、映像になるとどうなるのかと思っていたら、想像のはるか上を行ってましたね」
と笑う藤ヶ谷に、
「前半のシーンでご一緒して、また終盤のシーンで合流したとき、見た目がだいぶやつれていて心配になりました(笑)。役と共に生きて、いろんなことを経てきたんだろうなって」
と返す前田。
'18年に上演され絶賛された舞台『そして僕は途方に暮れる』が映画化され、1月13日より公開となる。藤ヶ谷は主人公のフリーター・菅原裕一役、前田は裕一と5年間同棲している彼女・里美役と、舞台と同じ役柄で続投だ。
ばつが悪くなるとその場しのぎで逃げ出してしまう裕一。恋人、親友、先輩や後輩、家族……と、あらゆる人間関係を断ち切って、東京から最後は故郷の北海道・苫小牧まで、逃げて逃げて逃げまくる逃避劇だ。
転がり込んできた友達、前田は「出ていけとは言えない……」
完成作を見て、「自分がどんどんやつれていって、かわいそうだなと思った(笑)」と藤ヶ谷。裕一から自分への切り替えに、かなり時間がかかったという。
藤ヶ谷太輔 (以下、藤ヶ谷)「多忙もあって整理もできないし打ち上げもないし、終わった感じがなくて」
前田敦子(以下、前田)「ずっとさまよってました?」
藤ヶ谷「そう。風呂入ってるときに“もっと自分は人に優しくできるはずなのに”とか“もうちょっと明るかったな”とか。自分で自分がよくわからないというか、心が動かなくなって。通常の自分に戻るまで半年以上かかりましたね」
里美の家から逃げ出した裕一は、親友や先輩の家に転がり込む。長年の親友・今井伸二(中尾明慶)の家では、夜中にテレビを見たり居候とは思えないくつろぎぶりで、温厚な伸二をもキレさせるが、もし裕一のようなキャラの友達が「泊めて」と言ってきたら?
藤ヶ谷「最初は“いいよ”って言うと思うんです。で、だんだん“こいつダメだな”とわかってくる。だって“布団敷いといて”“トイレットペーパー買っておいて”ですから(笑)。
そしたら僕は冷静に淡々と説明すると思います。“こういうことがあるし、もう出ていってほしいな”って。怒鳴ったりはしないですね」
前田「私はお人よしで、出ていってと自分からは絶対に言えないので……」
藤ヶ谷「ああ、一回受け入れるともう出すことができない?」
前田「そうなんです。自分も相手も苦しくなって、きっとどんどんダメになっていくので、最初から泊めないようにすると思います」
藤ヶ谷「結局、裕一は好かれてないという(笑)」
スマホは「近くにあると気になる」「切り替え難しい」
また後半では、裕一はスマホの電源を切りすべての人間関係をシャットアウトする。スマホがないと生活できないと感じる人々も多い昨今だが、ふたりはどうだろう?
藤ヶ谷「僕は依存していないですね。一時期は家に帰ったら廊下に携帯を置いてました。近くにあると気になったりしちゃうので。休みの日はなるべくナシでゆっくり過ごしたいけど、番組のアンケートとかが来るからなあ(笑)」
前田「わかります(笑)。あるあるですよね。私も、休みの日はあまりスマホを見ないようにしていますね。子どもとふたりきりで都内のホテルにパッと泊まりに行くのが好きなんですけど、そういうときは返信しないと決めて」
藤ヶ谷「あ、いいね」
前田「じゃないと切り替えが難しいんですよね。あるいは、締め切りが近いときは1日の最後にまとめてやったり」
藤ヶ谷「僕は、朝起きてご飯食べて、よしアンケートやるか!って」
前田「すごい。私は夜しかやれないタイプです」
買い物帰りの子供の寝落ちに「途方に暮れる」
タイトルにからめて最近、途方に暮れたことを聞くと、
前田「子どもが寝たときの抱っこですかね。今17kgあるので、寝るともう……」
藤ヶ谷「そっか。力が抜けてね」
前田「特に買い物帰りに寝落ちしちゃったときは大変です。片手で買ったものを持って、片手で抱っこして。数分が限界ですね。途方に暮れます(笑)」
藤ヶ谷「僕はやっぱりこの映画の撮影だなあ。初日に逃げ出したいと思った、あのレベルを超えることはなかなかないので。こうして話していると、だんだんテンションが落ちていくというか(笑)。
でも、本当に幅広く、長く愛される映画になってほしいです。人間誰しも、逃げたいと思ったことがあるはずなので、いろいろな方に刺さるんじゃないかなと。ぜひお楽しみに」
2023年の目標は「人生の最後までそうありたい」もの
──2023年はどんな年にしたい?
藤ヶ谷「バンコンカーという大きなキャンピングカーがあるんですよ。寝られて、トイレやシャワーをつけることもできる。
それがあったら、例えばセリフを覚えないといけないけどリフレッシュもしたいというときに、海辺へ行って海を見ながらコーヒーを飲んだりセリフを覚えたりできるなって。そういうことをやりたい。
心がちゃんと動くように、ふだんから気配りしておくというか。遊び心を常に持って、楽しいことを真心込めて届けられるような1年にしたいです。人生の最後までそうありたいですね」
前田「一度も風邪をひかない1年にしたいです。去年はちょっと体調を崩してしまうことがあったので。今年は本厄でもあるので、体調には十分気をつけたいなと思ってます。体調管理では、睡眠が本当に大事だなと感じていて。
最近は子どもと一緒に、8時半から10時くらいまでに寝ることが多いんですけど、そうすると1日の調子がいいんです。なので、睡眠をしっかりとれるような、余裕のある毎日を過ごしたいですね」
『そして僕は途方に暮れる』2023年1月13日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー配給:ハピネットファントム・スタジオ
スタイリスト/有本祐輔 ヘアメイク/高橋里帆(HappyStar)