「犠牲になった妹さんは、真冬の朝でもTシャツのまま自転車に乗って、どこかに出かけていました。明らかに“普通”ではなかった……」
と、事件が起きた一軒家の近隣住民はわけあり気に語る。
1月9日午前1時6分、栃木県警さくら署は、同県さくら市にある自宅2階で、無職の妹(36)の首を絞めて殺害したとして、兄で会社員の岡村真仁容疑者(38)を殺人の疑いで逮捕した。
交番に“自宅で妹を殺した”と自首した兄
「事件は前日の午後3時30分ごろ発生した。そのおよそ30分後、容疑者は最寄りの交番に“自宅で妹を殺した”と自首。警察が容疑者の自宅へ行くと、2階の部屋で妹が倒れていて、その場で死亡が確認されたのです」(全国紙社会部記者)
容疑者は警察の取り調べに対して、
「自宅で妹を殺したことに間違いはありません」
と容疑を率直に認めているという。
事件が起きた一軒家に、容疑者と妹、母親、姉の高校生の長男の4人が同居していた。
「父親は5年ほど前に心臓病で、一昨年には祖母が高齢で亡くなってね。姉は派手なタトゥーを入れているヤンチャな子で若くして結婚したけど、早々に離婚。幼いときから長男を実家に預けっぱなしで、別の場所で暮らしている。母親が孫を懸命に育てていました」(近所の住民)
亡くなった妹は私立高校時代、ソフトボール部に所属する活発な女の子で、卒業後は一般企業に就職。しかし、20歳前後から精神的な病を患って退社してしまったという。
「病院の入退院を繰り返していた。病気になってからは薬を常用していて、その副作用なのかめっきり太ってしまってね」(同・住民、以下同)
だが、妹は最近薬を飲まなくなっていたとも。
次第に暴力的になっていった妹が…
「次第に暴力的になっていって、母親が殴られたりしていたようです。家庭内だけでなく、外出先でも暴力を振るって騒動を起こしたこともあるとか」
今年の元日、2日にもDV騒動を起こしていて、
「そのときは真仁さん(容疑者)が110番通報して警察が来て、事なきを得たんですが」(別の住民)
そんな中、8日に事件が起きてしまう。
「真仁さんが暴れる妹に無理に薬を飲ませようとしたのか……。2人は自宅2階で争っていたため、1階にいた耳の遠い母親は気づかずに止めることができなかったようです」(同・別の住民)
真仁容疑者はすらりと背が高くて顔もハンサムの部類、性格も母親思いの優しい人柄だったという。
「車に乗せて病院へ連れていったりと、妹の世話も献身的にしていた」(同・別の住民)
容疑者は地元の高校を卒業後、同市内の大手食品関連会社に就職し、今も勤務していた。働きぶりについて同社広報担当に問い合わせると、
「弊社の従業員がこのような事件を起こしてしまって、関係者には深くお詫びいたします」
と謝罪。容疑者の職歴、勤務態度、人柄などについては個人情報のため、取材に応じるわけにはいかないとのことだった。
近所の主婦はこう話す。
「実家に妹や母親、甥っ子がいて、働き手は彼ひとりだったから結婚もしなかったんじゃないかな。家計を支えていたから、自分だけ実家を離れるわけにはいかなかったんだと思う」
「まだ逆じゃなくて、よかった」母親がこぼした本音
事件後、容疑者の母親に会ったという知人は、がっくりと肩を落としている様子を目撃していた。
「愛息子が娘を殺してしまったんですからね。それはもう、気の毒で見ていられなかった。ただ、“まだ逆じゃなくて、よかった(兄が妹に殺される)”とポツリとこぼしていましたよ」
さらには、
「真仁さんは交番に自首する直前、北海道にいる親戚のおばさんへ“母親をよろしくお願いします”と電話していたみたい。おばさんは彼が自殺するのかと思ったって。本当にいい人だし、かわいそう」
兄は殺意があったかどうかについてはまだ発表されていない。警察による事件の真相究明が待たれる。