「監督、プロデューサーを含め『にじいろカルテ』('21年)のスタッフさんが多いので、すぐに“やります!”という感じでした。そのくらい、あの撮影期間はかけがえのないものだったので。
『星降る夜に』もドラマでありながら、その枠からはみ出るような現場になると撮影前から想像できました」
やったことのない役だからこそ、やりたかった
新ドラマ『星降る夜に』がいよいよスタート。心を閉ざして生きる35歳の産婦人科医・雪宮鈴(吉高由里子)がソロキャンプの夜に出会ったのは柊一星(北村匠海)。鈴の不思議な魅力に引き込まれ、一星は突然キスをしてしまう……!
「僕は音のない世界を生きる青年の役で。今までやったことのない役だからこそ、やりたかったという思いがあります」
難役にひるむ気持ちは一切なかったという。主要キャラクターがろう者というドラマは過去にいくつかあるが、本作の一星の“陽キャ”ぶりは新鮮だ。
「今もずーっと手話の練習をしていますが、すごく面白いです。特に序盤は“これを手話で表現するのか!”というセリフがものすごく多くて」
台本には“高速手話で”と、むちゃブリとも思えるオーダーもある。
「どうなるんですかね(笑)。でも、手話のスピードや多弁さは相手との関係値。一星は、手話がわからない相手にはすごくゆっくりわかりやすくやるし。
実際の僕も、こうしたインタビュー取材と友人といるときでは話し方が違うのと同じだと思っていて。それに一星にすごくフォーカスするわけでもなくて、とても全員がフラットなんです。そこもすてきだなと思っていて」
そんな彼が俳優として目指すところとは。
「今回はろう者の役で新たに手話をやっていますけど、本当にどんな役でもやりたい。何色にでもなれる俳優でいたい。毎回、当たり前のように新しいことに挑戦し、経験していきたい。
チャレンジが好きだからこそ、“チャレンジをチャレンジと思わない”ことが、僕の役者人生の中でのひとつのテーマかもしれないです」
キラキラした役は久しぶり
世の既成概念にとらわれず、一星と鈴が紡ぐピュア・ラブストーリーには“キュン”がたくさん詰まっている。
「昨年までヤンキー役が多く、一星のようなキラキラした役は久しぶり(笑)。そして、今までお芝居をするうえで、そのキャラクターの“色”を声で作ってきた部分は大きいんです。
ですが、今作はそこがない分、本当に一星からあふれ出る空気やオーラ、存在で勝負することになる。一星と自分が重なったときに、すてきに映るといいなと心から思っています」
女性をがっつり魅了する自信のほどは?
「まずは吉高さんを魅了しないことには、ですね(笑)」
恋愛に子どもも大人もない
一星にとって、鈴は10歳上。年上女性との恋愛について尋ねると、
「僕、そもそも男女ともに年上の友達が多いかもしれないです」
昨年11月に25歳を迎えている。年齢を重ねる中で、恋愛観に変化は?
「人間性って、18歳には形成されると聞いたことがあって。いつまでも高校生のときのような恋愛を求める反面、大人になったその裏ではすごく現実的なことが起きているだけな気がしていて。だから、環境が違うだけで気持ちの面ではそんなに変化はないのかなと思っています。
今回、この作品のお話をいただいたときに“じゃあ、大人の恋愛って何だろう?”って考えたんですけど、鈴も一星もふたりだけの空間になると、すごく無邪気さがあふれてくるんですよね。
だから、恋愛には子どもも大人もないというか。頭で考えないぐらい、のめり込める恋愛がやっぱりいちばん楽しいよな、と個人的にはすごく思います」