ウォーキング旅に出演した田中要次と羽田圭介の卒業コンビ

 テレビ東京の旅番組の中でも特に人気シリーズなのが、『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』。昨年8月に2代目コンビの田中要次と羽田圭介の卒業が決まってから、番組についての続報がいまだにない状況だ。

「通称“バス旅”は、路線バスを使って制限時間内に目的地への到着を目指すという番組です。‘07年に太川陽介さんと蛭子能収さんのコンビでスタート。最高視聴率15・3%を記録しましたが、蛭子さんの体力面の問題などで‘17年1月に解散となりました。番組名も『ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z』と変えて引き継いだ、田中さんと羽田さんも通算成績が負け越しとなって卒業。番組のファンは次のレギュラーが誰か注目していましたが、1月7日に放送された総集編でも後任は発表されませんでした」(テレビ誌ライター)

コロナ禍で行きつくした“ロケ先”

 新コンビ発表を期待していた番組のファンも肩透かしを食らったような状況だが、卒業した2人は他の番組に出ていた。

「1月11日に放送された同じくテレビ東京系の『1歩1円ウォーキング対決旅』に“バス旅Zチーム”として出演。対決した“おいでやすこがチーム”より先にゴールをして勝利していました。この番組紹介には《番組を“卒業”した2人》と書かれていたので、『バス旅』自体は続きそうな気がしますが…」(同・テレビ誌ライター)

 バス旅の今後についてテレビ東京に問い合わせたところ

番組の今後につきまして、現在決まっていることはございません

 との回答だった。

バス旅Z卒業が決定した回中央はゲストの馬場典子

 今や数多あるバス旅バラエティーの元祖は存続するのか。メディア研究家の衣輪晋一さんはこう分析した。

コロナ禍の影響や他の旅番組を含めて、すでに行きつくしているということもあり、目新しいロケ先は限られてきています。ただ、非常に人気のある番組なので、テレビ東京が自分たちの矜持をかけて続けていくかどうかです。また、行きつくしたといっても、春夏秋冬で景色や旬の食材が変わってくるので、やろうと思えば可能だと思います

誰なら“バス旅”ファンの心をつかめるのか

 番組が続くとなれば、“3代目”のレギュラーにはどういう人物がふさわしいのか。太川の復帰や中山秀征、小手伸也といった名前がファンの間では噂されているが……

「このような路線バスの旅番組は一見地味ですが、テレビ通の人が見ています。テレビを見つくした人が落ち着く場所的な番組なので、人選はとても重要です。正直なところ、太川さんの復帰には新鮮味も考えると無理があるかと思います。可能性があるのは、この人と一緒に旅をしてみたいというような‘80年代から‘90年代に活躍した人、または、ユニークなキャラクターの人が選ばれるかと思います。そういう意味では中山秀征さんとか小手さんはかなりいい人選だと思います」(衣輪さん、以下同)

 この2人以外では、誰なら“バス旅”ファンの心をつかむことができるのか。

予算やスケジュールの関係で非常に難しいとは思いますが、『孤独のグルメ』に出ている松重豊さん。他にはこちらも金額的な面で厳しいかもしれませんが、加山雄三さんとかですかね。加山さんは趣味人ですし、キャラクター的にもどんな発言をするか読めないという面白さもあると思います。あとは、2時間ドラマ俳優や銀幕俳優とかもありだと思います

 テレビ局にとって低予算で制作できるのが旅番組の強みではあるが……。

「あえて夢のようなキャスティングで話題を呼んで、スポンサーを集めるというのも番組を存続させる一つの手です。あとは“アイデアのテレビ東京”なので、私たちの想像を超えてくることをやってくる可能性はありますね」

 楽しみにしているファンが多いだけに、新しいコンビで次の旅のスタートを切ってほしい。

店の主人が、昨年になって初めてもらった松重豊のサイン。“ここから出発しました”と書かれている

 

 韓国でも松重主演のドラマ『孤独のグルメ』のファンが多いことからプレゼンテーターに。「全州ビビンバが忘れられないです」と。 撮影/吉岡竜紀

 

『孤独のグルメ』

 

注文した料理をかき込んでいる際の、松重の少々オーバーなモノローグも人気(番組公式サイトより)