帰省した際はゆかりの店や郵便局を巡り、記念撮影などのサービスをする藤井風

 昨年の大みそかに放送された『NHK紅白歌合戦』に出場し、お茶の間の注目を集めたシンガーソングライター・藤井風。圧倒的なパフォーマンスが話題になったが、今年に入ってある“疑惑”が取り沙汰されている。

 藤井は『紅白』にて、2020年にリリースし、22年にSNSを通じて世界的にヒットした「死ぬのがいいわ」を披露。独特な世界観と確かな歌唱力は、ネット上で大きな反響を呼んだ。

雑誌に答えていた「座右の銘」

「そんな藤井ですが、実は以前から一部ファンの間で、インドの新興宗教指導者であるサティヤ・サイ・ババを信仰しているのではないか、とささやかれていました。その疑惑が決定的になったのは、昨年11月ごろ。藤井がこれまでリリースしたアルバムのタイトル『HELP EVER HURT NEVER』(20年)と『LOVE ALL SERVE ALL』(22年)が、サイババの有名な“教え”からの引用だとわかり、これを問題視するネットユーザーが声を上げ始めたのです」(音楽誌ライター)

 というのも、この時点で藤井は、アルバムのタイトルが“サイババの教えからの引用”であることを公にしていなかったのだ。そのため、ネット上には「藤井風のファンは、彼の音楽を通して知らぬ間にサイババの思想をインストールしてしまっているのではないか」「藤井風がサイババの広告塔になってしまう」といった懸念の声が続出した。

「藤井は『HELP EVER HURT NEVER』という言葉について、音楽雑誌『MUSICA』2022年5月号(FACT)で“座右の銘”だと告白。藤井のマネジャーもこのインタビューに参加していて、『初めて聞いた言葉だったんですけど、その「決して傷つけない」って言うのが彼の本質だってわかった』などと語っています。ここにもやはり、サイババの名前は出てきていません」(前出・音楽誌ライター)

“藤井風が考えた言葉”を聞きたかった

 ネット上での騒ぎを知ったのか、藤井は22年12月31日に自身のインスタグラムを更新。「よくもまあ、信念や精神性を揺さぶることができると思ったね。悪いけどそれは絶対に無理」「余計なお世話。他人の欠点を探す前に、まずは自分のことを直せ」といった趣旨の“反論”を、英語で発信した。

 さらに今月10日には、「週刊文春」2023年1月19日号(文藝春秋)にて、藤井のマネジャー兼レコード会社社長に取材を行った内容が公開に。藤井のサイババ信仰は隠していたわけではなく、「言う必要がないから言っていないだけです」とのコメントが掲載された。

藤井風(公式HPより)

「本人と運営側からの反論を受けて、ネット上には『アーティストが誰を信仰してもいいだろ』『サイババの影響を受けているとわかった上で応援しているので、何も問題ない』といった声もあります。

 一方で、藤井は自ら作詞を担当していることもあって、『私は“藤井風が考えた言葉”だけを聞きたかった』『宗教や信仰は関係なく、他人の言葉を自分のもののように使っていたことが残念』などと落胆しているファンも多い。藤井の信仰自体を問題視している訳ではなく、シンガーソングライターとしての姿勢に不信感を募らせているのでしょう」(芸能ライター)

 しかし、藤井やマネジャーの反応を見るに、こうしたファンの切実な思いは届いておらず、的外れな反論を繰り広げている様子。「決して傷つけない」本質に立ち返ってほしいものだが……。

 

 

里圧町役場には藤井風の兄である演奏家・藤井空のサインポスターも一緒に展示されている

 

藤井風が紅白で着用していたスリッパは人気を集め、現在入手困難な状態となっている(ブランドのHPより)

 

藤井風の両親が営んでいた喫茶店。コロナ禍の影響で昨年に臨時休業し、再開することなく今春、正式に店を畳むことになったという