アニメや漫画などのキャラクターフィギュアに、性的な表現を強調した改造を施す“魔改造フィギュア”の世界。法的にはグレーゾーンとされていたが、近年では逮捕者が相次いでいる。
「今年の10月には、アニメ『ルパン三世』の人気キャラクター『峰不二子』を改造したフィギュアを販売したとして、鹿児島市の男性会社員(45)が逮捕されました。主に、個人で改造を施してネットオークションなどで販売しているようで、2万円から3万円程度で取引されているようですね」(全国紙記者)
過去には、1000点以上もの魔改造フィギュアや部品が押収されたというケースも。ニッチな世界のように思えるが、それだけ需要があるということなのか。
「プラモデルなどを個人的に改造して楽しむファンがいるように、既存の製品を自分好みに改変することは珍しくありません。そもそも日本の著作権法では、どんな改造でも違法となるように定められているものの、個人の範囲で改造を楽しむことは黙認されてきました。結果的に、一部の過激なファンが“どんな改造でもしていい”と勘違いして、魔改造に手を出してしまうんですよね」(ホビー誌ライター)
1体10万円…“魔改造代行”を請け負う業者も
そんな需要に応えるためなのだろうか、ネット上には“魔改造代行”を請け負う業者も存在している。
「依頼主からフィギュアを預かって、希望通りに魔改造を施しているようです。個人で改造するにはかなりの技術が必要なので、業者に依頼するファンも少なくなく、依頼してから1年ほど待つことも。通常のフィギュアのサイズで5万〜6万円ほどと、かなりの費用を要しますし、大きいものだと10万円以上することも珍しくありません」(同・ホビー誌ライター)
『週刊女性PRIME』でも、魔改造代行を謳う業者のサイトを調べてみたところ、
《現在4〜7か月の納品が目安です》の告知が。
さらに、“製作代行例集”には、『宇宙戦艦ヤマト』森雪や『うる星やつら』ラムなどさまざまなキャラクターが並んでいる。また、女性キャラクターだけでなく、『名探偵コナン』安室透といった男性キャラクターもある。アニメの知名度に比例しているのか、『新世紀エヴァンゲリオン』惣流・アスカ・ラングレーや綾波レイなどが特に人気なようだ。
改造方法も手が込んでいるものが多い。ネットオークションで個人が販売しているケースでは、“頭部と胴体を切り離し、別のフィギュアと合体させる”改造が大半だった。
しかし、業者の製作代行例では
・もともとフィギュアが着用している服を透けさせる
・性的な玩具を手にもたせる
・胸を過剰なまでに大きくする
・手を拘束して開脚させる
・恥じらいの表情にする
など、依頼者の性癖が垣間見えるような手の込んだ改造が施されている。代行業者を謳うだけあって、技術の高さには定評があるようだ。
“魔改造代行”も法的にはグレーゾーン
「今まで魔改造フィギュア関連で逮捕されたのは、ほとんどが改造したフィギュアの販売をしていた個人。ですが、法的には“魔改造代行”もグレーゾーンにあたります。著作権者が取り締まりに乗り出した場合、摘発されることも考えられます」(前出・全国紙記者)
魔改造の行く末はいかに…。