「業界内での立場を利用してあんな卑劣なことをやっておきながら、またお金をとってワークショップをするなんて、信じられません……」
舞台関係者が不快感をあらわにするのは、ある男の“再始動”について。2022年3月に世間を大きく騒がせた性加害報道の当事者、映画監督の榊英雄だ。
榊は、複数の女優に対して性行為を強要した疑惑が『週刊文春』の報道によって発覚し、その後2本の監督作品が公開中止に。女性を路上の暗がりに連れ込んで暴力を振るったことやSNSで卑猥なメッセージを送っていた様子などが生々しく報じられた。
所属事務所を通じて謝罪コメントを発表したが、関わった作品のスタッフや観客に謝ることを優先して、被害女性を後回しにしたような姿勢に非難が集中。翌4月には、当時結婚していた妻であるシンガー・ソングライターの和こと橘いずみが、榊との離婚に向けて別居協議中と発表。
《家族がありながらの夫の行為に対して許せないものがありました。一度も榊を許したことはありません》
と、その蛮行を痛烈に批判。5月末に離婚が成立していた。
“悪夢”の温床にもなった「ワークショップ」が再び
以降、すっかり表舞台から姿を消した榊について、昨年11月にはこんな話があった。
「離婚して、ひとり暮らし用のマンションに引っ越した榊さんが、フードデリバリーのアルバイトをしていると聞きました。その後、本人に直接会えたわけではないので、実際の様子まではわかりませんけど……」(榊の知人)
映画監督としては“失職中”の状態だったが、ここにきて冒頭の“復帰計画”が動き始めているという。
週刊女性がキャッチしたのは、榊が起こした“悪夢”の温床にもなった「ワークショップ」に関する情報だった。
「若手やフリーランスの役者を中心に“映画を作るので、ワークショップを開催します”というメールを送っているんです。そのメールを受け取った中には“この期に及んでワークショップなんて……”と、唖然とした人もいるみたい」(前出・舞台関係者)
『文春』の報道では、榊が監督する作品への出演を餌にして、ワークショップに参加した女優に性加害を働いていたことが明らかになっている。
参加女性に“帰るの?”と肩を落とし
“再始動”の第一歩となるワークショップは、1月中旬の平日に開催するという。週刊女性が入手した情報を確認すると、募集のメールには、本人のコメントとして、
《今年は自主映画時代に戻って、原点回帰で、作品を夏イン目標で準備することにしました。予算は小さいですが、志は高く作品創りをします》
という言葉とともに、主演を含めた人材募集も兼ねている旨が記されていた。そして、夏にも新作映画の撮影をスタートする予定とも。
例によって“キャスティング”を匂わせた募集となっているが、どのような内容なのか。ワークショップの当日、週刊女性も都内の会場に向かうと、長らく“行方不明”となっていた榊が現れた─。
ワークショップ自体は約3時間。終了後、ハットをかぶり、黄色いマフラー姿の榊が会場の外に出てきた。数人の参加者を連れて歩く榊は、ジェスチャーを交えて話すなどテンションが高め。最寄りの駅に着くと、居酒屋を探し始めたが、どうやら参加女性の1人が帰るようだ。すかさず榊が“帰るの?”と少し肩を落としている様子も見られた。
その後、残った参加者らと深夜12時ごろまで酒を酌み交わした榊。上機嫌なまま電車に乗り、ひとり帰路に就いたのだった……。
榊が久しぶりに開いたワークショップについて、彼をよく知る映画関係者に話を聞くことができた。
「その日は“一粒万倍日”と友引が重なっていて、とても縁起がいいとされていることから、選んだそうです。当日はわずかな時間しか休憩を挟まず、熱心に演技指導をしていたと聞いています。脚本まで用意していたし、熱量はそうとうなものですよ」
復帰への道を歩み始めた榊については、こんな話も。
「彼は性加害の過ちから心機一転するため、“今後は『榊シンイチ』に名前を変えて活動していく”と語っていました。募集の段階からワークショップ中も、昨年の騒動についてはいっさい触れなかったようですし、監督として一から再スタートする考えなんでしょう」(同・映画関係者)
直撃にとった行動とは
ネガティブなイメージのついた“汚名”を捨てて、新たな名前とともに映画界に舞い戻ろうとしている榊。
ワークショップから数日後の午前9時ごろ、自宅マンションから出てきた本人を直撃した。
─再びワークショップを開催したと聞いています。
「…………」
榊はニット帽をかぶり、耳にはヘッドホンをつけた状態。問いかける記者とは視線すら合わせようとせず、足早にその場を去ろうとする。
─今年の夏にクランクインする予定で、映画を製作する?
「…………」
映画の内容やキャスティング、公開時期を尋ねても、まったく反応を見せない。さまざまな質問をぶつけたが、最後までいっさい答えることなく、逃げるように最寄りの駅の中に消えていった。
「ワークショップの参加者を募集するメールには、彼が過去に監督を務めた映画やドラマのタイトルが、プロフィールとしてズラリと並べられていました。それらの作品で主演を務めていた桐谷健太さんや大森南朋さん、窪塚洋介さんなどの実力派俳優や、ジャニーズの北山宏光さんや小瀧望さん、A.B.C―Zといった人気アイドルの名前も一緒に。まるで“俺はこれだけの有名人たちを演出した実績がある”と言わんばかりでした。もし本当に心から反省しているのなら、言い訳交じりの謝罪コメントではなく、しっかりと公の場で説明してから復帰するべきでしょう」(前出・舞台関係者)
騒動時の謝罪コメントでは《過去のことをなかった事には出来ません》と綴っていた榊。名を変えようと、その“業”が消えることはない。