「彼女は資産家のお嬢さま。美人で聡明、生真面目なとてもいい娘さんでした。まさかこんな事件を起こすとは……」
東京都町田市にある容疑者の実家の近隣住民は、呆然としていた。
警視庁代々木署は23日、渋谷区に住むTBSテレビの広報部社員・越智忍容疑者(47)を、覚醒剤取締法違反(使用)の疑いで逮捕した。容疑者は今月に都内やその周辺で、覚醒剤を使用していたという。警察の取り調べに対して、越智容疑者は、
「覚醒剤を使用したことに間違いはありません」
などと容疑を認めているという。
キムタク主演ドラマのCG制作を担当
神奈川県横浜市で生まれた容疑者。法政大学女子高等学校(現・法政大学国際高等学校)に進学する頃に、実家は冒頭の町田市の一戸建てへと転居。そのままエスカレーター式で法政大学工学部電気電子学科へ入学し、卒業後はTBSテレビへ。専らCG、VFXなど特殊効果の技術畑で、番組を裏方として支えていた。木村拓哉主演のドラマ『華麗なる一族』『MR.BRAIN』ほかを担当している。
プライベートでは20年ほど前に、東大卒の同僚社員と結婚。
「六本木の『グランドハイアット東京』という超一流ホテルでの挙式で、それはもう豪奢なものでした。テレビで見たことがある著名人も多数、参列していましたからね」(容疑者の知人)
新居は渋谷区の真新しい高級マンションで家賃は月20万円以上。
15年ほど前には、夫婦でマンション経営のサイドビジネスに乗り出す。夫婦半々の共同名義で、おのおのが金融機関から1億円を超えるローンを組んで、2億円超のマンションを渋谷区に新築したのだ。
「3階建て、ワンルームから1DKまでの全10数部屋で、家賃は月9万円から13万円。オーナー夫婦はここには一度も住んでいませんよ」(マンションの住人)
順風満帆だった容疑者の人生にかげりが出始めたのは、5年ほど前だった。
夫婦関係が突如として破綻してしまったのだ。離婚と同時に、副業で購入したマンションを売却。2人の間に子どもはいなかったようだ。
事件の真相を知るべく、実家を取材するも、容疑者の父親と思しき人物がインターホン越しに、
「そんな娘はおらん!」
と、取り付く島もなかった。近隣住民によると、
「旦那さんも忍さん(容疑者)と一緒に、よく実家へ来ていましたね。とても仲がよさそうな夫婦でしたけど」
一方、容疑者の知人はこう話す。
「なぜ離婚したのか? 旦那さんに原因があったと聞いています。私の口からは言えないので、知りたいなら本人に直接聞いてください」
元夫は再婚して子宝にも恵まれている
そこで、元夫のもとを訪れた。すでに再婚していて、子宝にも恵まれている。1月下旬の夕方、都内にある築5年ほどの一軒家の窓からは明かりが漏れていたが、インターホンを鳴らしても応答はなかった。
「5年前ぐらいに引っ越してきましたね。奥さんは30代半ばぐらい、ご主人と10歳ほど離れていてお若い方ですよ」(近所の住民)
子どもは2人いて、上の子は小学1年生、下は4歳ぐらいだという。
「ご主人は40歳を過ぎてできた子どもだからか、かわいくって仕方がないみたい。お子さんと一緒に遊ぶ姿をよく見るし、とても子煩悩のようです」(同・住民)
一方、越智容疑者は4年ほど前に渋谷区の高級住宅街にある新築マンションを6000万円で購入。パートナーはなく、ひとり暮らしをしていたという。
新しい家族と幸せに暮らす元夫、一方…
「どの部屋に住んでいたのかまではわかりませんが、この顔(写真)は何度か見かけたことがありますね」(容疑者の自宅マンションの住人)
近隣住民との関わりはほとんどなかったようだ。前出の容疑者の知人は、
「事件との因果関係はわからないけど、“幸せに暮らす元夫に比べて私は……”と寂しさは感じていたと思う。仕事も技術畑からいきなり広報部に異動していたので、ストレスもあったんじゃないかと」
容疑者が所属していたTBSテレビ広報部に問い合わせると、「当社の社員が逮捕されたことは、誠に遺憾です。事実関係を調べ、厳正に対処してまいります」という回答にとどまった。
なぜお嬢さまのエリート社員が違法薬物に手を染めてしまうほど転落してしまったのか。警察が犯行動機と、覚醒剤入手ルートの究明に全力を傾注している最中だ。