(左上から時計回りに)木村拓哉&工藤静香夫婦、ヒロミ&松本伊代夫婦、星野源&新垣結衣夫婦、小泉進次郎&滝川クリステル夫婦

 2月2日は“夫婦の日”。「あんな関係が羨ましい」逆に、「あの夫婦のようにはなりたくない」──。ひとりひとりが抱く、理想の夫婦像があるはず。そこで全国の30代~60代の男女、600人に「芸能人、好き&嫌いな夫婦」のアンケートを実施。おしどり夫婦、亭主関白、鬼嫁、恐妻家……、さまざまな理由で好き、嫌いに選ばれた10組、あなたの“理想の夫婦”はどのカップルですか?

好きな&嫌いな夫婦ランキング

 66票を獲得し、「好きな夫婦」ダントツの1位に輝いたのは、ヒロミ(57)&松本伊代(57)。

「ヒロミって口は悪いけれど、奥さんに対する愛情がたっぷりなところがすてき」(千葉県 女性 44歳)

「なんだかんだ言いながらも、ヒロミが伊代ちゃんにベタ惚れしているのがよくわかる。妻として、あんなに旦那に思われてみたい」(兵庫県 女性 40歳)

 と、夫・ヒロミの伊代への接し方に女性から羨望の声が。

「このふたりが、ここまで票を集めるとは思っていませんでした」

 驚きの声を上げたのは、芸能評論家の宝泉薫氏。

「骨折をした伊代さんを献身的に介助しているヒロミさんという構図が、一般の人のイメージにあるのでしょう。伊代さんに対する同情票という部分も強いと思います

 と、分析しつつ、支持される理由はその“見せ方”にあるという。

「もともと、夫婦仲の良さをアピールしていますが、今が夫婦としての露出具合がちょうどいいバランスなのかなと。あまり“私たちを見て”というイケイケ状態でアピールしていると、目立つ分アンチも湧いてきますから。

 ヒロミさんの露出は増えていますけど、伊代さんが出てきていないというのがむしろプラスになっているのでは? イケイケでふたりそろって稼ぎまくっているというイメージがあると、一般人の間で負の感情が起きやすく、嫌いな夫婦でもランクインしたと思います」(宝泉氏)

 10年前だと、今回は7位にランクインした渡辺徹さん(享年61)&榊原郁恵(63)の夫婦が、このポジションでしたね、と振り返りつつ、2位の反町隆史(49)&松嶋菜々子(49)と、3位のDAIGO(44)&北川景子(36)の夫婦に目を向ける。

「この2組はわかりやすいですね。役者夫婦として反町さんと松嶋さんは、中堅どころのポジションで大きなスキャンダルもなくきていますし。DAIGOさんと北川さんは品のいい夫婦というイメージが強いですから」(宝泉氏)

 アンケートでもこの2組を推す声が、宝泉氏のコメントを裏付けるように多数見られた。

「反町さんと松嶋さんだと、美男美女の夫婦というだけで羨ましい」(徳島県 女性 53歳)

「容姿もいいし性格も良さそう。DAIGOさんと北川さんは、お互いを認め合っている雰囲気を感じる」(福岡県 男性 50歳)

 と、まさに理想の夫婦を体現しているように見える。

「お似合いの夫婦というより、こちら側からふたりを見ていて羨ましい取り合わせなのでしょう。ただ、この気持ちは表裏一体で、まったく逆の結果にもなるんです」(宝泉氏)

 DAIGOと北川のような“セレブ”な夫婦でも嫌われてしまったのが、嫌いな夫婦2位に入ってしまった、小泉進次郎(41)&滝川クリステル(45)。

「庶民とはかけ離れた生活をしているように思えて、どうしても好きになれない」(神奈川県 男性 50歳)

「進次郎は一見、すごいことを話しているようだけど“言葉明瞭意味不明”な頭の中身がダダ漏れ」(東京都 女性 36歳)

「DAIGOさん&北川さん夫婦より、ある意味“ハイソ”ですけどね。こう言ったら身も蓋もないのですが、夫婦というより個人が好き、嫌いという感情に寄っているのでは。このカップルは進次郎が足を引っ張っていますよね(笑)。だって、妻のクリステルは表舞台に出てきていませんから。

 ここ数年の行動で“この人ってこんな人だったの?”という一般の人の気持ちが反映されていると思います」

 同じパターンが、嫌いな夫婦6位の渡部建(50)&佐々木希(34)夫婦だと宝泉氏。

「ひたすら渡部建さんですよね(笑)。多目的トイレ不倫なんて、ほぼすべての女性が嫌悪すること。佐々木さんが何か悪いことをしたわけではないですから」

好き、嫌いの両方にランクインする意味

 好きな夫婦で4位、嫌いな夫婦の3位と、同じような位置にランクインしたのが佐々木健介(56)&北斗晶(55)。

「鬼嫁なんて言っているけど、ふたりがいつも笑顔で仲良しなのが羨ましい」(岡山県 女性 50歳)

 こんな好意的な意見があれば、

「家族のことばかり話題にしている姿勢がイヤだ」(福岡県 男性 50歳)

 という真逆な声も──。

「好きと嫌い、ちょうど同じような順位にランキングされたのが面白いですね。最近、キッチンやお風呂などを扱うメーカーのCMに夫婦で出演して、共演の土屋太鳳さん(27)に健介さんが北斗さんのことをノロケる、というものがありました。そういうことを微笑ましいととるか、私生活の切り売りととるかで、評価は変わってくるのではないでしょうか」(宝泉氏)

 前出の小泉進次郎が個人で嫌われているのとは違い、健介&北斗のふたりは夫婦としての“ユニット”のありようが評価されているということか。

今回ランクインした夫婦の中で、このふたりがいちばん夫婦タレントという感じがありますね。あと顔が似ていませんか? もともと似ていたのかもしれないけど、一緒にいることでより似てきていると思うんですよ。いい夫婦は顔が似てくると昔からいいますよね。そのイメージもあって、注目されているのでしょう」(宝泉氏)

 同じように好きに8位、嫌いに4位とバランスよく(?)ランクインしたのが杉浦太陽(41)&辻希美(35)夫婦。

「結婚時はいろいろ言われていたけど、今がすごく幸せそうでいい家庭を築けていると思う」(岡山県 女性 49歳)

「私生活を見せているけど、そこでの“お金持っています”アピールはどうかと」(東京都 男性 48歳)

 一時期、ネットに投稿を上げるたびに炎上した辻も、好きな夫婦にランクインするほど好感度が上がってきていると思うのだが、 

この夫婦も健介さん&北斗さんと一緒で“コンビ芸”じゃないですか。その芸があまりにも私生活寄りなので、そこをいいと思うかどうかということ。そろそろ放っておいてやれよとも思いますが、でもそうなるとこのふたりの価値がなくなるんですよ。

 杉浦さんも俳優とはいえ、目立った仕事をしていませんし、辻さんもメインの活動はSNSです。夫婦コンビ芸のカップルは、好きにも嫌いにもちゃんと入ってくるようでないと、芸能界で生き残れなくなると思います」(宝泉氏)

妄想が加速する!? 共演作品のイメージ

 杉浦&辻と同票で好きな夫婦8位に入った星野源(42)&新垣結衣(34)夫婦。プライベートの話が一切出ていないのに“好き”に入ってきたのは不思議な印象だ。

「このふたりはドラマ『逃げ恥』の夫婦役でイメージができあがっていて、そのイメージを壊さないまま結婚しているので、ドラマの中と同じ夫婦関係が展開されているんだろうという、ファンタジーとしての“好き”ですよね。

 だから、ここで星野さんが不倫でもやらかしたら、本当に面白いんですけど(笑)。ドラマで彼が演じた津崎平匡という役はそんなことしないキャラだから、嫌いな夫婦に一気にランクインすると思います。イメージがよかった分、反動も大きいですから」(宝泉氏)

 このことは、好きな夫婦6位の三浦友和(71)&山口百恵さん(64)夫婦にも共通するという。

「三浦と山口さんも恋人役で何作も共演しています。そのイメージが一般の方に刷り込まれている。好きというのは、そういう要素もあるんです。5位にランクインした唐沢寿明&山口智子も、姉弟役だけど朝ドラ『純ちゃんの応援歌』で共演し、ふたりが一緒にいるシーンを見ていますから。いい関係が焼きついているのだと思います」(宝泉氏)

 ここまで好き、嫌いのいろいろなパターンを宝泉氏が解説してきてくれたが、嫌いな夫婦1位になってしまった木村拓哉(50)&工藤静香(52)夫婦の場合は、悪いポイントが複合的に絡みついている。

「やっていることのすべてがイメージ作りに見える。周囲に対してマウントを取りたがるような嫁が嫌い」(奈良県 女性 43歳)

「すべてが恵まれすぎているところがイヤ」(福岡県 男性 60歳)

「娘をゴリ押ししている姿が鼻につく」(東京都 男性 59歳)

 と、ひどい言われよう──。

「幸せいっぱいというよりは、どこかが欠けているほうが世間から見て、肩入れしたくなるのかなと。もうすべてが嫉妬の対象になっていますね(笑)。仕事でもプライベートでも、順調に回っている中で、それを見せつけていると、反感を買ってしまいます。

 あと、娘たちのステージママとしての静香や、SMAP解散時のキムタクの行動など、そういったことが積み重なって気持ちが負の感情に振れてしまうのかな」(宝泉氏)

 嫉妬と羨望は紙一重。でも好感度は、ないよりもあるに越したことはない。人の目につきやすい芸能人夫婦は、私生活も仕事のうちなのかも。

【好きな夫婦10組】
1位 ヒロミ&松本伊代 66票
2位 反町隆史&松嶋菜々子 32票
3位 DAIGO&北川景子 30票
4位 佐々木健介&北斗晶 25票
5位 唐沢寿明&山口智子 18票
6位 三浦友和&山口百恵 15票
7位 渡辺徹さん(享年61)&榊原郁恵 13票
8位 杉浦太陽&辻希美 12票
    星野源&新垣結衣
10位  藤井隆&乙葉 9票
次点/江口洋介&森高千里、中尾彬&池波志乃、浜田雅功&小川菜摘、木村拓哉&工藤静香

【嫌いな夫婦10組】
1位 木村拓哉&工藤静香 45票
2位 小泉進次郎&滝川クリステル 21票
3位 佐々木健介&北斗晶 15票
4位 杉浦太陽&辻希美 11票
5位 ジャガー横田&木下博勝 8票
6位 渡部建&佐々木希 6票
7位 浜田雅功&小川菜摘 4票
    山里亮太&蒼井優
    石田純一&東尾理子
    庄司智春&藤本美貴
次点/中田敦彦&福田萌、アレクサンダー&川崎希、ヒロミ&松本伊代

宝泉薫(ほうせん・かおる)●アイドル、二次元、流行歌、ダイエットなど、さまざまなジャンルをテーマに執筆。近著に『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)

(取材・文/蒔田 稔)

全国の30代~60代の男女600人に聞いた「好きな夫婦10組」

 

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木村拓哉と工藤静香(2006年)

 

種子島旅行から帰宅する、木村拓哉と工藤静香

 

2020年10月、息子と散歩をする佐々木希