1月16日にスタートしたドラマ『罠の戦争』(フジテレビ系)。主演の草なぎ剛にとっては、'17年の『嘘の戦争』(フジテレビ系)以来、6年ぶりの地上波主演ドラマだ。
「今作は、草なぎさんによる“戦争シリーズ”の第3弾。同じくカンテレ制作の“僕シリーズ”に続いて“戦争シリーズ”も3作やりたいと草なぎさんは考えていたそうですよ。連ドラ初主演を務めた'97年の『いいひと。』もカンテレだったので、『罠の戦争』は原点であり、再出発にはふさわしい作品であるといえるでしょう」(エンタメライター)
待ち時間はギターを弾いて
'03年の『僕の生きる道』、'04年の『僕と彼女と彼女の生きる道』、'06年の『僕の歩く道』の3作を指した“僕シリーズ”。いずれも草なぎが主演で、最高視聴率が20%を超えた代表作だ。
「“僕シリーズ”は愛や絆、純粋をテーマに据えた人間ドラマで、草なぎさんの人間味あふれる演技が多くの視聴者の涙を誘いました。草なぎさんが見せた優しさや温かさが、脳裏に焼きついている視聴者も多いはず」(同・エンタメライター)
演じるキャラクターだけではない。バラエティー番組での振る舞いや、共演者・スタッフが語る草なぎのエピソードが、“草なぎ=いいひと”のイメージを強固なものにしてきた。草なぎへの取材経験のある、アイドル誌編集者に話を聞いた。
「取材中にできた待ち時間の間、ずっとギターを弾いて待ってくれたり、撮影のときには、こちらがお願いした以上のアドリブを披露してくれたり。気遣いと人のよさに関しては、彼の右に出るタレントはいませんよ」
特に親しくする共演者
しかし、今作の『罠の戦争』を含め“戦争シリーズ”はその真逆。草なぎは“復讐”に燃える主人公を演じている。
ジャニーズに造詣の深い、ライターの霜田明寛さんは、この“裏切り”が視聴者を引きつけていると分析する。
「草なぎさんの“いいひと”というパブリックイメージをうまく使っていると感じますね。第2話の終盤では“俺なら怒らないと思ったのか”と激高していましたが、いわゆる“いいひと”がキレて悪に反抗するシーンは、より痛快ですよ。アイドル時代から草なぎさんが培ってきたパブリックイメージが前フリとなって、巨悪に立ち向かうという物語の面白さが際立っていると思います」
“地上波復帰”の1作目で、これまでの草なぎのイメージを塗り替えていく作品を選んだことには、並々ならぬ思い入れがあるのだろうか。草なぎは相当に力が入っている様子だという。
「初回放送の16日には、朝から夕方まで、立て続けに情報番組の生放送に出演し、番宣を精力的にこなしました。現場でも演者・スタッフに積極的に話しかけ、高級弁当の差し入れを行うなど、張り切っているようですね。共演者の杉野遥亮さんとは特に親しくしていて、アニメの話で盛り上がったり、落花生やリンゴをあげたりしているとか」(スポーツ紙記者)
“NOいいひと”で、地上波を席巻する日も近い!?
霜田明寛 文化系WEBマガジン『チェリー』編集長。ジャニーズに造詣が深く、テレビやラジオにも多数出演している。'19年には『ジャニーズは努力が9割』(新潮新書)を刊行