1月27日、メンズエステ店『ザギン』の経営者である飯窪仁容疑者が風営法違反の疑いで逮捕。彼は東京・日本橋のマンションなど都内に25部屋を借り、男性客相手に女性セラピストからの性的サービスを提供していたという。
『ザギン』在籍のセラピストが告白
「メンズエステと言っても、脱毛など美容施術を施す男性向けのエステ店ばかりではありません。女性セラピストが男性客にマッサージを施しながら、性欲を刺激するようなサービスを行うお店もメンズエステ店と謳って営業しています。今回摘発された『ザギン』は後者ですね」(風俗情報誌ライター)
性欲を刺激するようなサービスとはどのようなものなのか。かつて『ザギン』に在籍していた現職のメンズエステ嬢のAさんに話を聞いた。
「『ザギン』もほかのメンズエステも、プレイ内容はほとんど同じです。まず部屋に入ったお客様にシャワーを浴びてもらい、紙パンツだけ履いてもらいます。このパンツだと、股間周辺のマッサージがしやすんです」
その後、室内にあるマットにお客を横たわらせてプレイが始まるそうだ。
「お客様にアロマオイルを塗ってマッサージを施す際のヌメヌメした触り心地を楽しんでもらったり、体同士を密着しながらほぐしたり。あと、足の付け根のVライン、いわゆる鼠径部と呼ばれる箇所を揉んでリンパマッサージを行ったりします。鼠径部って局部に近いから触られるのが好きな方が多いんですよ」(Aさん)
メンズエステでは女性セラピストから一方的に触ってもらえるため、お客は終始受け身でいられることも魅力のようだ。
「四つん這いのポーズをとってもらい、お尻や股間周辺をマッサージしたりもしますね。無防備な姿勢が羞恥心を掻き立てるのでMっ気のあるお客さんに好評です。このようなサービスを一通り行ってお客さんを癒やして終了します。1プレイの相場は90分で1万8000円前後です」(Aさん)
そんなメンズエステにはルールもあるという。
「あくまで風俗店ではなくエステですからね。お客さんからセラピストに触るといった行為はNGですし、セラピスト側も“脱がない・舐めない・(性器に)触らない”が鉄則。特に本番行為、つまり性行為は固く禁じられています。私も『ザギン』やほかの店の運営側から“絶対にやるな”と言われていました。もし、やってしまうと掲示板に書かれてしまうので、後が大変と聞いてます」(Aさん)
Aさんが語るように、このようなメンズエステ店は風俗店として許可されていない。
「お客にエッチなサービスを施すお店は届け出を出して認可をもらい、風営法に基づいて運営すれば風俗店として営業できます。しかし『ザギン』のようなメンズエステ店は、セラピストからの密着やお触りなどは、性的サービスではなく “お客の体をほぐすための施術”という建前で行っているんです」(前出・風俗情報誌ライター)
風営法に縛られないメンズエステはマンションやアパート、『ザギン』のようにビジネス街にあるようなビルでも、シャワーなどの設備さえあれば容易に開業できるという。
ネット上の口コミでバレたのか
「メンズエステは個室で行われるため、性的なサービスがあったか否かの判別も難しいですからね。また、性行為が禁止されていても、別途の料金が欲しくてこっそり行うセラピストも中にはいるのでしょうし。ただそういった違法メンズエステは、ネット上の口コミ、在籍セラピストの密告やライバルエステ店のやっかみなどによって表沙汰になります。『ザギン』もいずれかの理由で今回の摘発に繋がったのでしょう」(同・風俗情報誌ライター)
法の目と日常生活の死角をかいくぐりながら営業しているメンズエステ。人の欲望はどこまでも尽きないということなのか――。