UVERworld(TAKUYA∞公式インスタグラムより)

純粋な気持ちで応援している人たちが、イヤらしい人間かのように見られるのは嫌だったので……。運営からの“メッセージ”は、本当にありがたいです

 そう語るのは、人気ロックバンド『UVERworld(ウーバーワールド)』のファンという1人。その背景には、SNSが発達した現代ならではの複雑な事情があって――。

 UVERworldは、滋賀県出身の6人組バンド。2005年にメジャーデビューするやいなや、『ゴールドディスク大賞』で同年度の『ニュー・アーティスト・オブ・ザ・イヤー』を受賞。2008年に日本武道館で単独公演を実施。2017年には、さいたまスーパーアリーナにて、当時アーティスト史上最大の“男性のみ2万3000人”を動員。2019年にも東京ドームにて、男性のみ約4万5000人を動員して話題を呼んだ。

「ファンのことをcrew(クルー)と呼んで、男性だけでなく女性限定のライブも開催しています。ボーカルのTAKUYA∞さんが、ほぼすべて手がけている熱い歌詞が魅力で、若い世代を中心に、男女問わず多くの支持を集めている。2023年4月にはアイドルグループ『BiSH』や人気バンド『Official髭男dism』との“対バン”ライブを行うほか、7月には7万2000人を収容できる日産スタジアムで、初のスタジアムライブを開催する予定です。数万人規模のフェスでもヘッドライナーを務めるバンドですが、一方でライブハウスでのツアーも続けています」(音楽誌ライター)

ファンを装ってオフ会に参加

 現在のバンド名になる前の期間も合わせて、今年で結成23年目。そんな人気ロックバンドの“crew”たちの間で、近年ある“異変”が起きているという。

UVERworldのファンだとTwitterやInstagramなどで公言して、異性との出会いを求める人が急増しているんです。“同じバンド好き”という理由で真剣に恋人を探している人もいれば、いわゆる"ヤリモク"といった、身体の関係だけを求める人たちもいて……。女性ファンは、世間でいうギャルっぽい雰囲気の子も多いのですが、中にはそういう子たちが多いという理由で、crewを装ってオフ会に参加する人もいるんです」(ファンの女性)

 実際にファン同士の“オフ会”に参加したことがあるという男性に話を聞くと……。

「オフ会は、カラオケに行ったり、飲み会だったり、集まる名目はさまざま。基本的にはUVERについて語り合う感じですね。そこで出会って、付き合って、結婚した人たちもいるけれど、中には“ワンナイト的な関係”を持つ人も、しばしばいます

 SNSでの様子については、こう語る。

「男性からダイレクトメッセージなどで誘いが来るのを嫌がってる女性ファンは、けっこういますね。やっぱり、変な目的のやつも多いですから……」(同・ファンの男性)

 異性との出会いを求めるcrewたちは、どんな方法で声をかけているのか。

「“出会い厨”は、だいたいライブのチケットを2枚購入して、可愛い女の子にSNSで“一緒に行きませんか?”というメッセージを送る。そして、ライブが終わったら“一緒に飲みに行きませんか?”と誘い、そのまま流れでホテルへ……というパターンが多いみたい」(同・ファンの男性)

オフ会への参加を断れない“圧力”

 そんな現状に、前出の女性ファンは複雑な胸中を明かす。

「女性ファンの中にも出会いを求めてオフ会に参加する人はいるし、身体の関係を持つのは個人の自由だとは思いますが、ひとくくりに“UVERのファンはチャラくて遊んでる”と思われるのは嫌。crew同士が集まって仲よくなることができるのは素晴らしいけど、知人となら一緒にとか、1人で応援するのが楽しいという人もいる。そういう人の中には“オフ会への参加を断ると、コミュニティーの中で悪い扱いを受けるのでは”と、不安と圧力を感じてしまう人もいるんです」

 メンバーたちも、そんな異常事態に気づいたようで……。

「昨今のファンたちの様子を聞いたUVERworldのメンバーは、“オフ会やるのはいいけど、俺たちは出会い系じゃねぇぞ”と、冗談まじりながらも困惑していたそうです」(レコード会社関係者)

 そんな中、1月20日、UVERworldの運営側はファンクラブを通じてメッセージを発信。

《FanStreamでのチャットを飛び出し、SNSでの相互フォローやLINEでのオープンチャット、実際にオフ会などを開かれているかと存じます。

とても素敵なことであると思っておりますが、そういった交流を好ましく思われていない方もいらっしゃったり、異性からの連絡は控えたい、という方なども中にはいらっしゃるかと思います。そういった方へ執拗な連絡や交流はお辞めください。
(好ましくない連絡などがあった場合はSNSでの場合はブロックなどをしてご自身をお守りください)

また、チャットなどに参加されていなくても置いてけぼりするようなことは決してございません。積極的な方もいらっしゃれば、そうでない方もいらっしゃることをTAKUYA∞も含め、よく理解しております

 事態を察して、ファンそれぞれの姿勢に寄り添う“注意喚起”を発したUVERworld。メッセージを出した経緯について所属事務所に問い合わせたところ、このように答えた。

トラブルが起こる可能性がゼロではない

「ファンの方への案内文は、従来のファンクラブとは別に昨年12月中旬に新たに設立したファンクラブとなり、設立して間もないので、今後ファン同士の交流でトラブルが生じないようにと思い、ファンの方へご案内をさせていただきました。SNSが発達している昨今、簡単に連絡を取り合える状況で、一般的にトラブルが起こる可能性はゼロではありませんので、事前に防ぐための案内です。ファンの方同士が仲良くして交流が深まっていくことは、ライブの向上にも繋がることであり、皆が楽しく音楽を楽しめる環境になっていければと良いと思っている次第です」

 そんなメッセージを受け、ファンも安心したという。

「今回みたいに、運営側からファンに対してのひと言は、不純な目的でUVERのファン界隈に近づいてくる人たちを増やさないために、ファン同士が意識し合う理由になったので、本当にありがたいです。純粋に彼らの音楽が好きで応援している人はたくさんいるし、それぞれの応援スタンスをメンバーが理解していると明言してくれたのも、とても心強かったです」

 UVERworldに限らず、SNS上でファン同士の交流が盛んになっている。オンライン・オフライン問わず、マナーを守って互いの“温度”を理解することが大事だ。

 
メンバーの仲の良さが伺えるUVERworld(TAKUYA∞公式インスタグラムより)

 

メンバーの仲の良さが伺えるUVERworld(TAKUYA∞公式インスタグラムより)

 

メンバーの仲の良さが伺えるUVERworld(TAKUYA∞公式インスタグラムより)

 

UVERworld(2006年、日本ゴールドディスク大賞授賞式)