つまようじで歯を掃除する男性客(SNSより)

《どんな育ち方したらこうなるんだろう》
《外食行けなくなりそう……》
《つまようじ使えなくなりました》

 連日騒動になっている飲食店での“迷惑行為”。SNSに投稿された動画から数々の被害が明らかになる中、またもや非常識すぎる“犯人”が――。

 ツイッター上で話題となっているのは、栃木県那須塩原市にある焼き肉店で撮影された動画。

「うまいけど、腹いっぱい」

“使用済み”爪楊枝でロシアンルーレット

 食事を終えたであろう男性客が、卓上にある爪楊枝で歯の掃除をした……その後に、なんと使用済みのつまようじを元のケースに戻したのだ。さらにもう一度同じ行為に及ぶと、最後に爪楊枝のケースを振って、どれが使用済みかを判別が困難な状態に。

 撮影者の男性は、

《爪楊枝みんなきをつけて。爆笑》《しょんべんちびったぐらい笑った》
 
 という言葉とともに、インスタグラムのストーリー機能で動画を投稿した。

 2月3日の午後に、ツイッターで炎上系の案件を紹介している“ネット界の情報屋”こと滝沢ガレソ氏によってこの動画が取り上げられると、瞬く間に拡散されて大炎上。投稿者と迷惑行為をした人物のSNSアカウントも特定されて、この男性らが建築系の会社を経営していたことで、企業アカウントにも非難の声が押し寄せている。

『スシロー』での迷惑行為後にドヤ顔(滝沢ガレソツイッターより)

 飲食店での迷惑行為は、回転ずしチェーン『スシロー』が被害を受けたばかり。1月29日ごろからツイッター上で拡散し始めた動画では、金髪の少年が卓上のしょうゆボトルの注ぎ口や未使用の湯飲みをなめたり、レーン上を回るすしに唾液をつけたりする様子が映されていた。

 2月1日、同店を運営する『あきんどスシロー』は、動画が撮影された店舗を特定し、警察に被害届を提出したと発表。店内にあるすべての湯飲みを洗浄したほか、しょうゆボトルを交換。少年と保護者から謝罪があったが、スシローは受け入れを拒否。対策にかかった費用の支払いを求める民事訴訟の準備も進めており、担当者は「多くの客と社会に不安を与えた行為で許せない」と憤りを露わにした。

被害にあった焼肉店「謝罪はいっさいない」

 今度は焼き肉店で発覚した“飲食店テロ”。被害を受けた店は、事態を把握できているのか。電話で話を聞いた。

――ツイッターで迷惑行為が拡散されているのは知っているか?

「はい。お客さんから心配するお電話をいただいて知りました」

 店員によると、この動画が撮影されたのは2022年秋のことだったという。

「動画自体は最近のものではなく、昨年の9月か10月ごろのものです。当時、動画が投稿された時点で、警察に相談して、投稿した方たちの名前もわかっています。警察には被害の報告はしましたが、24時間で消える動画ということもあって、少し甘く見てしまい、そのときは様子を見るというか、被害届は出さずにいたところ、こんなことになってしまって……」

――男性客たちから、謝罪の連絡などは?

「いえ、いっさいございません。当時はとりあえず様子を見るということで、店からも連絡はしていませんでした」

――被害を受けて、その後の対策は?

「爪楊枝は、被害の判明後すぐに個包装のものに変えました。現在もすべて個包装で対応しております」

――被害届は提出しない?

「改めて警察に相談をするか検討中ですが、まだ対応しきれてないところで……。本当に迷惑で、腹立たしい気持ちしかありません。実際の被害から時間がたっているので、今日お客様からお電話をいくつかいただいて、ここまでの騒ぎになっていると知りました。いつも来ていただいてるお客様に対しても、ご心配をおかけして申し訳ない気持ちです」

 もはや“迷惑”という言葉では済まされない飲食店テロの被害。動画の撮影も含め、ただの悪ふざけでは済まされない立派な違法行為だ。

 
つまようじで歯を掃除する男性客 1/4

 

使用済みの爪楊枝を戻した後、さらにもう1本の爪楊枝を使用 2/4

 

おもむろに使用済みの爪楊枝を元のケースに戻すと… 3/4

 

2本目の爪楊枝も使用後に元のケースへ戻すと、ケースごと振って判別が困難な状態に 4/4