※画像はイメージです

 結婚して5年、小さな子どもを育てつつ、これまでに貯めた総額は3500万円! その貯めテクをYouTubeや電子書籍で公開し、注目を集めているコツコツさん。

生活のスリム化で貯金額をアップ

「我慢しない」「無理しない」をモットーに着々と貯めているが、ずっと順調だったわけではないようで──。

「貯金は20代半ばごろからしていたものの、とにかくがむしゃらに貯める方法でした。でも、節約もダイエットと同じで無理をすれば反動がくるものなんですよ(笑)」(コツコツさん、以下同)

 以前から“海外で1年暮らしたい”という夢があったものの、当時の手取りは25万円、ひとり暮らしの家賃は7万2千円。このままでは、夢の実現は遠いと焦った。

「3年で300万円を貯めました。でも、平日働いたうえに、土日は4時間ずつ副業のコンビニバイトをして、モヤシや豆腐ばかりの極貧生活……。目標達成は肉体的にもギリギリでしたね」

 なんとか毎月10万円のお金を貯め、資金を確保して夢を叶えたが、海外から戻った後は反動で散財ライフになってしまったという。

 その後、結婚を意識しはじめたことで気を取り直し、再び貯金に励む。35歳で結婚するまでに800万円を貯めた。

「地方に引っ越して家賃が下がったこと、先取り貯金を始めたこと、外食や飲み会が減ったことが大きかったですね」

 2DK、家賃6万円の賃貸マンションで新婚生活はスタート。その時点で夫の分も合わせた貯蓄は1300万円。そこから約5年で貯蓄を3500万円まで増やした。

「夫は普通の会社員で、夫婦合わせても、年収は中流程度。そのため“出ていくお金”を極力減らして生活をシンプルにしてきました」

 5年で2200万円増やせたのは、共働きと暮らしのダウンサイジングのたまもの。

「夫の収入だけで生活費をまかない、私の収入はすべて貯蓄にまわしています。自炊が増えて健康的になり、不必要な家事も減らしたので時間と精神的な負担が減りました」

 徹底してムダな行動や習慣をやめた、その生活ぶりを詳しくご紹介する。

【コツ1】100均、コンビニには行かない

 お金が貯まらない人にまずすすめているのが、コンビニや100均通いをやめること。

「私も節約をしていなかったころは、朝昼晩コンビニ、1日2千円とか平気で使っていたんです。食事を買いに行ったはずが、ついスイーツまで買っていたりして(笑)。ただ、結婚を意識しはじめて自炊するようになり、『スーパーで買って自炊するとこんなに安い』と実感して、コンビニでは買えなくなりました」

 100均は節約に役立ちそうなのになぜ?

「面白い商品、便利そうな商品、おトクそうな商品がたくさんありますよね。それでついついウロウロして買ってしまう。でも、実際に家で使ってみると、意外と使い勝手が悪かったりして……。失敗したと感じることが多かったんです」

 ただし、すべてNGではなく、愛用している商品のみは購入。例えば、コンビニの納豆や100均の固形石けんを入れて使う泡立てネットはお気に入りだ。

「100均にしてもコンビニにしても、買いたいものがはっきりしているときだけに入って、お目当てのものを手にしたら、何も見ずに一直線にレジへ向かいます! うろうろすると、余計なものまで欲しくなってしまいますから」

【コツ2】「みんな持ってる」に惑わされない

 バックパック1つで海外を巡った経験があり、そのときに「人間ってこれだけの荷物で過ごせるものなんだ」と驚いたそう。

「“あれば便利”程度なら買いませんし、今まで必需品だと思い込んで持っているものにも疑いの目を向けるようにしています。必要ないと思ったものは、思いきって手放しました」

 その結果、玄関マットにバスマット、炊飯器も処分。マット類を減らしたことで掃除がラクチンになり、鍋でご飯を炊くほうがおいしいという発見もあった。

「まだ使えるのにもったいないと思うかもしれませんが、ものを減らすと、それを整理する時間、掃除やメンテナンスをする時間、置いておくスペースとそれに払う家賃がカットできるので長い目で見るとトクなんです」

押し入れの扉を外してテレビ置きとして活用。家具を減らして約9畳のリビングを広く使っている(コツコツさんの動画より)

【コツ3】副菜や常備菜は作らない

「料理は毎食、メイン一品しか作りません。結婚当初はサラダなどの副菜も出していましたが、少量を作るためにいろんな材料が必要になるのでやめたんです」

 副菜をやめても家族からの批判はなく、むしろメインの量が増えて喜ばれたんだそう。

「そんなことならもっと早くメインおかずだけにすればよかったと思いました(笑)。常備菜を作っても食べ飽きて悪くしてしまうこともあったり、トクなようでソンしてることも」

1食につき、1品しか作らないため、調理器具も少なめ(コツコツさんの動画より)

【コツ4】細かい家計簿はつけない

「若いころは、ニンジン1本いくらで買ったかまで、細かく家計簿に書いていました。でも、あるとき『これって意味あるのかな』と疑問に思って。1日あたりの食費の予算さえ守れていれば、ニンジンをいくらで買おうが実はたいした問題ではないんですよね」

 以来、1日のトータルの金額だけを確認することに。無理をしないから、家計チェックが苦にならなくなった。ただし、使いすぎたらレシートをながめて行動を反省する。

「なぜ買いすぎたのか、失敗の理由を考えて、繰り返さないようにすればいいだけ。いちばんダメなのは、記入することに満足して反省を生かさないことです」

炊飯器はないため鍋で代用。保温できないため、すぐにラップに包んで冷凍保存(コツコツさんの動画より)

【コツ5】ポイントには縛られない

 あるアンケートによれば日本人の8割強がポイントサービス好き。しかし、コツコツさんはあまり気にしないようにしている。

「クレジットカードの還元ポイントは利用していますが、お店独自のポイントサービスは気にしません。有効期限があったり、使う場所や使いみちが限られていたりして、私には管理が大変なんです。それに、こだわりすぎるとポイントを貯めようと余分に買い物をする、ポイントを消化するために必要でないものを注文する、ということも。節約とは相性が悪いです」

 さらに、スーパーのポイント還元デーの場合、「店が混む」のもネックだ。

「お客さんが増えて、手に入れられる見切り品の品数も減ってしまうんですよね。ポイントでトクしても、トータルの節約効果はダウン。私にはいいことなしです」

※画像はイメージです

 ポイント制は消費者にお金をたくさん使わせる仕掛けでもある。

 還元キャンペーンに踊らされるのはほどほどに。

【コツ6】洋服代にお金をかけない

 以前はシーズンごとに洋服を購入していたが、在宅ワークになったのを機に買わなくなった。

「出かける機会が減ったので、衣類は季節に3パターンあれば十分。そして、メルカリなどで安く買ってしっかり着まわします。これで洋服代は月平均千円台ですむようになりました」

 ただし、だらしない印象を与えないよう、美容院代にはお金をかけている。

「髪型は洋服以上に印象に残りやすいですから。ショートカットにしてプロに整えてもらうと、きちんとして見えるので、2か月に1回、カット代に約4千円をかけています。カット代は国家資格を持っている美容師さんに払う技術代ですから、むしろ安いと思っています」

【コツ7】小銭ですら現金では支払わない

 いまだに現金派という人は要注意。

「スマホ決済やカード払いではポイント還元がつきますが、現金はまったくなし。慣れ親しんでいるからと、ずっと現金派でいては、もらえるはずのポイントをみすみす逃すことになりますよ」

 個人経営の商店などでも対応が進んでいるのでお見逃しなく!

【コツ8】大手キャリアのスマホは持たない!

 スマホは「金食い虫」。見直さずに今のままにしているとムダなお金を払い続けることに! 代表例が通信料。

「通信料が高いと感じているなら、格安スマホへの乗り換えがおすすめ。うちの場合、もともとは大手キャリアを利用していて、夫婦で8千~9千円かかっていました。それが、数年前にIIJmioに変えたことで、4500円にまで減りました」

 乗り換えをすることで、差額分の年間6万円が自動的に貯金できるというわけ。これは大きい!

【コツ9】お出かけ時空腹で出かけない

 スーパーに行く前に腹ごしらえをしてムダ買いを防ぐ……というのは、節約を実践している人には常識かもしれない。

 コツコツさんはそれだけではなく、「週末、家族で外出する前」の腹ごしらえも心がけている。確かに、週末のお出かけは朝食もろくにとらずに出かけて、あれこれ買い食いなんてこともありがち。

「朝食はしっかり食べ、おやつやドリンクは前もってドラッグストアで安く買っておきます。おやつの買い食いを減らす代わりに、昼食は外食をエンジョイ。夕食は外で食べると高くつくし、かといって帰宅後に作るのはしんどいので、カレーなどを前日に仕込んでおきます」

 弁当はあえて作らないそう。

「レシピを考え、食材を買って、早起きして作って。その労力の割にさほどおいしくないので、割に合わないなと思ったんです」

 何にお金をかけて、何にかけないのか、自分で意識することが大事!

【コツ10】買い物前に献立は決めない

 食材を安く購入するために心がけていることは2つあるという。1つ目は食材によって店を使い分けること。

「私が住んでいる地域だと、野菜はJAで、お菓子類はドラッグストア、それ以外をスーパーで買うと安く手に入ります」

 2つ目が、特売品と見切り品を狙うこと。

「行きつけの店は見切り品が出る時間帯が決まっているので、その時間にお店に行きます。従業員向けの業務連絡の放送が聞こえたら私も生鮮コーナーに直行して見切り品をゲットします(笑)」

 その日に何が安く手に入るかはわからないから、献立を前もって決めない。戦利品から献立を組み立てている。

「買った食材がおいしいうちに使いきれるよう、おかずに使う食材は2、3種類にとどめて、一度に使う量を多くしています」

 実は“献立ありき”は計画的なようでいてムダが出る。安いものの活用を第一に考えれば明白だ。

コツコツさんの動画より
教えてくれたのは…コツコツさん●YouTubeチャンネル「コツコツさん」でお金や節約について配信中。Amazon電子書籍『お金が貯まる19の習慣』も人気。

(取材・文/鷺島鈴香)