店頭に並ぶ多種多様なマヨネーズ。高いマヨネーズは本当に値段なりの美味しさなの?

 店頭に並ぶ多種多様なマヨネーズ。高い商品は、 なんと1000円以上!250円の定番商品と比べて、ホントに4倍もうまいのか?主原料の卵の値上がりが続くなか、マヨネーズ自体もいよいよ値上げが発表された。このランキングを見て、早めにスーパーへ!

 マヨネーズは、スティック野菜からポテトサラダ、タルタル、卵サンドにお好み焼きまで、日々の食卓メニューに欠かせない万能調味料。

食卓調味料の定番、マヨネーズをガチ審査

審査のようす

 キユーピーや味の素などの有名メーカーのもの、原材料の油や卵にこだわったものや、輸入品まで種類が豊富、どれがおいしいのか迷ってしまう。

「マヨネーズの基本的な原材料は、卵とお酢と油。卵黄のみを使って卵感を強く出したり、全卵を使ってわざと卵感を弱めたりといろいろなタイプがあります。

 酸味もそれぞれで、今回食べ比べてみて定番のキユーピーは酸味が強いほうなのだと再認識しました」

 と言うのは、今回のランキング評定をお願いしたレストランオーナーのおおつきちひろさん。食プロデューサーの石川範子さんは、

「最近ではべに花油やアマニ油、えごま油など、いろいろな種類の油を使っている商品が気になります。血圧が高めの方に、など健康効果をアピールしていると、思わず手に取ってしまいますね」

 と言う。

 多彩な商品群から人気の20品をピックアップし、「わが家の定番を超える」「次に買うならコレ」という視点からおふたりに“ベストマヨ”を挙げてもらった。

※商品の本体価格は編集部調べ(2023年1月現在)

【人気マヨ10〜6位】個性あふれるマヨネーズがランクイン!

【第10位】ピュアセレクトマヨネーズ

味の素/200g入り349円(100gあたり174円)

【市販マヨネーズ第10位】ピュアセレクトマヨネーズ味の素/200g入り349円(100gあたり174円) 撮影/山田智絵 ※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。
野菜と食べたい濃い味マヨ

「酸味も塩けも強く感じるが、きゅうりをつけて食べると落ち着いたバランスに」(おおつきさん&石川さん、以下同)

【第9位】あっさりまろやか仕立て 有精卵マヨネーズ

創健社/300g入り459円(100gあたり153円)

【市販マヨネーズ第9位】あっさりまろやか仕立て有精卵マヨネーズ創健社/300g入り459円(100gあたり153円) 撮影/山田智絵 ※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。
甘みがあり、酢の味が独特

「あまり食べ慣れていない、ちょっと変わった酸味が印象的。独特の甘みもあるがトータル的に悪くない」

【第8位】アマニ油入りマヨネーズ

ニップン/200g入り219円(100gあたり109円)

【市販マヨネーズ第8位】アマニ油入りマヨネーズニップン/200g入り219円(100gあたり109円) 撮影/山田智絵 ※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。
酸味が少なく、ちょっともったり

「酸味は控えめで、バターっぽい感じが特徴的。味のバランスはいい。アマニ油の特徴は特に感じなかった」

【第7位】キサイチマヨネーズ

私市醸造/330g入り690円(100gあたり209円)

【市販マヨネーズ第7位】キサイチマヨネーズ私市醸造/330g入り690円(100gあたり209円) 撮影/山田智絵 ※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。
酸っぱいマヨ好きにオススメ

「日本の王道マヨとはひと違う個性的な味わい。卵感は弱く酸味が強いのが特徴。デパ地下などで入手可能。まったりした卵に合わせるとグッド!」

【第6位】キユーピーハーフ

キユーピー/400g入り299円(100gあたり74円)

【市販マヨネーズ第6位】キユーピーハーフキユーピー/400g入り299円(100gあたり74円) 撮影/山田智絵 ※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。
水分多めの野菜と相性よし

「3位のノーマルタイプと比べると酸味弱めだが、味はしっかり。水分の多いきゅうりにつけるとちょうどいい味に」

【人気マヨ5〜2位】海外マヨから定番マヨまで、多様なマヨたち

【第5位】Best Foods REAL MAYONNAISE

日本珈琲貿易(アメリカ産)/430g入り545円(100gあたり126円)

日本のマヨとは違う個性派、控えめな味で使いやすい

「卵感も酸味も控えめ、色味も白く、欧米テイストのマヨネーズ。3位のキユーピーのようなコクはないが、まろやかで味の強い主張がないぶん、いろいろな食材に合わせやすい。カルディなどで入手できる」

【第4位】べに花マヨネーズ

創健社/300g入り398円(100gあたり132円)

【市販マヨネーズ第4位】べに花マヨネーズ創健社/300g入り398円(100gあたり132円) 撮影/山田智絵 ※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。
まろやかな酸味であっさり味

 パッケージの説明文に「うまいッ」の秘密が。フレッシュ野菜につけるならコレ!

「甘みを含んだまろやかな和テイストの酸味が印象的だった。味のバランスがよく、スティック野菜と相性よし。べに花油の特徴は感じなかったが、商品説明の『調味料を加えていないあっさり風味』を見て納得」

【第3位】キユーピーマヨネーズ

キユーピー/400g入り247円(100gあたり61円)

【市販マヨネーズ第3位】キユーピーマヨネーズキユーピー/400g入り247円(100gあたり61円) 撮影/山田智絵 ※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。
ジャパニーズマヨの大定番!食べ慣れた安定の味

「マヨネーズといえばこれ!といえるなじみのある味。商品名を見なくてもキユーピーと予想できるほど食べ慣れた印象だった。

 改めて他の商品と食べ比べると、はっきりとした酸味があって、甘めのソースたっぷりのお好み焼きに合うのもうなずける。コスパは最高」

【第2位】平飼い鶏の有精卵マヨネーズ

ムソー/290g入り530円(100gあたり182円)

【市販マヨネーズ第2位】平飼い鶏の有精卵マヨネーズムソー/290g入り530円(100gあたり182円) 撮影/山田智絵 ※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。
果実酢の酸味でキレのある味

「最初に嫌みのない甘みを感じた。塩けは薄め、酸味はほどほどでバランスがよく、さらっとした食感でキレのある味わい。

 パッケージに有機りんご酢とレモンの果実酢使用、とあるとおり、酸味がうまく使われている感じ」

惜しくもトップ10入りを逃した次点マヨ

キユーピー アマニ油マヨネーズ

キユーピー/300g入り499円(100gあたり166円)

「酸味は控えめ。独特の風味や甘みがあり好みが分かれそう」

キユーピー 卵を味わうマヨネーズ

キユーピー/250g入り1290円(100gあたり516円)

「粘度が高く色も濃く卵の味が強い。卵好きにはいいかも」

ピュアセレクトマヨネーズ

味の素/400g入り298円(100gあたり74円)

「酸味が強く、とがった感じが気になった」

Newピュアセレクト コクうまカロリーカット65%

味の素/360g入り239円(100gあたり66円)

「甘み強めで、何か混じりけのある味でキレが悪い」

えごま一番マヨネーズ

創健社/205g入り498円(100gあたり242円)

「粘度が高いため舌に味が残る。特に塩けを強く感じた」

評価にかたよりが出ないよう、商品名をかくして審査した

松田のマヨネーズ

ななくさの郷/300g入り548円(100gあたり182円)

「ぼんやりとしていて、マヨネーズらしい味がなかった」

松田のマヨネーズ 甘口

ななくさの郷/300g入り548円(100gあたり182円)

「酸味と塩けが強く、ちょっととがった感じがあった」

■ぴよマヨ

那須ファーム/300g入り500円(100gあたり166円)

「酸味と塩けが強く、トータルであまりいい印象がなかった」

■コク3.5倍のたまごヨード卵・光の卵黄だけを
たっぷりと入れて仕上げたマヨネーズ

日本農産工業/300g入り398円(100gあたり132円)

「粘度が高く生卵感が強い。酸味も強くて好みが分かれそう」

■有機えごま油にこだわって作りました。日清えごま油日和

日清オイリオ/210g入り298円(100gあたり141円)

「クセのあるえごま油のせいか、やや違和感のある味」

【人気マヨ1位】高価格が納得のおいしさ!

【第1位】とりさん達のマヨネーズ

菊地GPC/250g入り648円(100gあたり259円)

【市販マヨネーズ第1位】とりさん達のマヨネーズ菊地GPC/250g入り648円(100gあたり259円) 撮影/山田智絵
ちょっと高いけどめちゃウマ!こだわり素材で高価格も納得のマヨ

「しっかりとした卵感があり、酸味や塩けのバランスがよく、ポテサラや卵サンドに合いそう。

 自然由来の飼料で育てた鶏の卵を使うなど素材にこだわっていて、高価格なのも納得のおいしさ。まろやかでリッチ。ポテサラがワンランク上の味になります」

実食を終えて…先入観ナシに比べて意外な発見

審査のようす

「素材にこだわった高価格のものでも、他の商品と比べてそれほどの味ではないものがあったり、先入観なく食べ比べてみるといろいろな発見が!

 キユーピーなどの食べ慣れていたものも、他と比べると特徴がよりはっきりして、改めて自分の好みもわかりますね。

 スペインにはスープの仕上げにマヨネーズを加える料理もあって、単に味つけだけでなく乳化特有の濃度を生かしてとろみもつけられる使い勝手のいい調味料だと再認識しました」

意外に合う! マヨアレンジ

マヨネーズBEST10、酸味と卵感をチャート化

 マヨネーズにケチャップやみそ、梅干しや削り節など、他の調味料や食材を混ぜて楽しむことが多いというおおつきさんに、おいしいマヨアレンジを教えてもらった。

「マヨ+練りわさびはまぐろとアボカドにあえてワインのつまみに。マヨ+ごま油は蒸し鶏にあえると相性がよくて、それをパンにはさんでもおいしいですよ。

 意外に合うのがマヨ+ブルーベリージャム。マヨ感やジャム感がまろやかになって、サラダや魚、肉のソテー、フライにかければ、おしゃれなお手軽万能ソースになりますよ」

今回ジャッジしてくれた、おいしいを知り尽くした2人

おおつきちひろさん○隠れ家レストラン「サンイシドロ」のオーナーシェフで料理教室も主宰。食材を生かした料理人目線のメニュー開発にも定評がある。
石川範子さん○テレビや雑誌などで食まわりの仕事を長年務めているフードプロデューサー。NHK『ガッテン!』の食専門のディレクターを23年務めた。

取材・文/草柳麻子