1月31日、女性向け下着や靴下、ルームウェアなどを販売する『チュチュアンナ』の企業公式HP上で「商品デザインの著作権侵害に関する調査結果のご報告」と題した発表があった。
チュチュアンナを直撃!
事の発端は2021年10月にSNS上で“パクリ疑惑”が生じたことによるもの。とあるイラストレーターがTwitter上で「ポメラニアンの部屋着シリーズの柄が私の描いたポメラニアンと酷似している」とチュチュアンナの公式アカウントに投稿。当時、チュチュアンナ側は、
「参考とした作品については記録は残っておりませんでしたが、ご指摘を受けている当該作品が含まれていた可能性は高く、またデザインの類似の程度から当該作品の影響を受けて当社商品が作成されたものと判断いたしました」
などとコメントし、該当の“ポメラニアンシリーズ”の販売を停止。該当シリーズと指摘があった他アイテムの購入者に対し、返金処理をする結果となった。
それから約1年3か月後となった今回の発表では、
「デザイン製作の過程において参考資料として収集した資料の中に、ご指摘を受けている当該作品が含まれており、デザインの類似の程度からも同作品の著作権を侵害して商品が販売に至ってしまっていることが発覚いたしました」
と、改めて著作権侵害の事実を認め、さらに合計19デザインの商品に法的な問題があると報告した。
問題発覚から今回の報告までこれほど長い時間がかかったのはなぜか、事の真相を株式会社チュチュアンナに直撃してみた。
「このたびは、権利者様およびお客様に対し多大なご迷惑をおかけしてしまい誠に申し訳ございませんでした。この1年数か月のあいだ、権利侵害と判断した商品の権利者様の調査、及び、権利者様へのお詫びと賠償を進めておりました。連絡が取れたすべての権利者様との示談が完了したためこのタイミングで調査結果となりました」(株式会社チュチュアンナ担当者・以下同)
法的問題のある商品の詳細について
権利者とは意外な展開で事が収まったケースもあるようで……。
「返品対応商品の中で、権利者様へのお詫びと賠償が完了し、且つ、権利者様より販売のご承諾を頂いた商品の販売に関しましては、販売を再開しております」
ということで該当の商品が店舗に並ぶこともあり、こうした商品については現在は返金などは行なっていないということだ。今回の著作権侵害が起きた理由については、
「デザイン製作を担当するデザイナーおよびデザインをチェックする企画部署をはじめ、経営陣及び社員一同の著作権に関する理解が明らかに欠如していたこと、それに加え他者が製作したデザインについて敬意をもって尊重するという態度が著しく欠けていたことにありました」
と説明。企業としても再発防止に努めるという。
「昨年11月に、商品やその他製作に関わる従業員を対象に知的財産に関するコンプライアンス研修を実施しました。また、商品企画及びデザイン製作過程等、一切の製作物に関して“クリエイティブ製作ガイドライン”を策定し、そちらを厳守することで対応しております」
法的な問題があるという19の商品の詳細をきいてみると
「権利者様との守秘義務の観点から、お答えは差し控えさせて頂きます」
とのことだった。株式会社チュチュアンナの公式HPには、バリューのひとつは“高潔な倫理観”との記載が。今後はそのバリューを忘れずに、オリジナリティあふれる商品を作って欲しいものだ。