『EXIT』の兼近大樹が窮地に立たされている。いま一番世間の注目を浴びている事件の主犯格とされる男と知り合いだったことが改めて取り沙汰されたことで、仕事に影響が出始めている。
騒がれているのは、国内で相次いでいる強盗事件の指示役『ルフィ』とみられる渡辺優樹容疑者と共に逮捕された過去について。'12年4月、北海道札幌市のマンションの一室から現金約1000万円が盗まれる窃盗事件に兼近も関与していたと指摘されている。
兼近は過去に窃盗事件で自身が逮捕され不起訴処分になっていたと公表しており、その際は世間からも“不問”にされていた。しかし、今回の強盗事件は兼近は関わっていないとはいえ、死者も出ているケースとあり彼にも火の粉が飛んでいる状態だ。
2月1日に出演する予定だった『イヴ・サンローラン・ボーテ』のイベントは急遽中止されたり、YouTubeで生配信を行い、視聴者の質問に回答。「いま仲が良いとかは一切ない。ただ過去に知り合いだったのは事実」「今回のことについてはまったく関係無い」と弁明をするなど、対応に追われている。
『FRIDAYデジタル』には渡邉容疑者と共に逮捕された藤田聖也容疑者が過去に《EXITの兼近って知ってるだろ?昔、あいつと一緒に働いてた。昔、悪いことをする時に使ってた後輩だ》と語っていたとの証言が報じられている。同誌の直撃取材を受けた兼近は、事務所のスタッフに守られながら無言で車に乗り込んだのだという。彼を取り巻く状況はまだ変わらない──。
記者会見をした方がよかったのでは?
「YouTubeでの生配信は得策ではなかったのでは?」そう語るのはさる老舗芸能プロダクション幹部。
「生配信を視聴した兼近さんのファンの若い世代の人たちは概ね彼の擁護派だと思います。SNSは自分の言いたいことを伝えたい人、つまりファンに100%伝えられるツールではあるのですが、其れ以外の人たちには彼が“何も説明を果たしていない”ように映るのではないでしょうか。
若い人のテレビ離れが進む今、テレビを見ている多くの人は年配の人たちです。特に彼が不定期で出演している『めざまし8』(フジテレビ)といった朝の情報番組を視聴している層はおそらく、彼のYouTubeチャンネルは見ていないと思います。ここはしっかり記者会見をした方がよかったのでは。記者との質疑応答でしっかり説明するならば、ワイドショーなどでも時間をとって扱うことができ、現在の彼のことを理解してよくわかってもらえたのではないでしょうか」
YouTubeでの生配信は兼近の独断
兼近は吉本興業所属のタレントだ。事務所は記者会見を勧めることはしなかったのか。また、一部で非難されているYouTubeでの自己弁護的な発言について事前に打ち合わせをするといったことはなかったのか。元吉本社員は語る。
「会見をするとなるといろいろと大変ですし、吉本は本人次第ですから事務所側から勧めることはないでしょうね。YouTubeに関しても管理はしていますが、内容に関しては特にチェックしていません。なので、生配信も彼の独断だったといえます。YouTubeやツイッターでネットユーザーの質問に回答していくといったことについては“賛否が別れる”と考える現役社員は多いでしょうね」
過去のツイッターでの「いじめしていた」といった発言も掘り起こされ、袋叩き状態になっている兼近だが、そのひとつひとつに返信をするなど、丁寧な対応もしている。キー局でワイドショーを担当しているプロデューサーは、
「兼近さんをテレビに出すな、というクレーム自体はそこまで届いていません。ですから兼近さんを降板させる局はないでしょうね。ですが、ネットで連日騒がれている件については早く“完全に火消しをしてほしい”というのが局とスポンサー共通しての本音。会見を開いたとしても、今なら記者も意地悪な質問はしないと思いますよ。
今回の強盗事件には彼は関わっていませんし、下手に過去の過ちを咎めるようなやりとりをすれば、逆に自分たちが叩かれることになります。彼がいまの姿勢を貫くなら会見もうまくいくでしょうし、騒動も早く収まると思います。芸能界では会見が一つのけじめになることは今も昔も変わっていないですから」
ファンにも愛され、多く先輩や後輩からも好かれていて、スタッフの評判もいい『EXIT』。兼近はずっと十字架を背負い続ける覚悟はできているというが、せめてその重みが軽くするためには記者会見が必要かと──。
<芸能ジャーナリスト・佐々木博之> ◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。