W杯で日本代表を応援するmiwa(公式インスタグラムより)

 2月18日に行われる、2023年シーズンのJ1リーグ開幕戦。FC東京のホーム・味の素スタジアムに浦和レッズを迎えての一戦なのだが、サッカーファンの間では早くも不穏な空気が漂っているという。一体、何がーー。

「試合開始前にmiwaさんによるスペシャルライブの実施が発表されたのです」とは、スポーツ紙のサッカー担当記者。

 企業スポンサーが実施するイベントやファンサービスの一環として、試合前やハーフタイムにアーティストを迎えてのミニライブが開催されるのはよく見る風景。miwaといえばNHK紅白歌合戦への出場経験がある人気シンガーソングライターだけに、当日は盛り上がること間違いなしのように思えるが?

「不安視されているのは、“浦和レッズのサポーター”の動向です。他のチームサポーターと比べても特に熱量が大きいとされるのが浦和サポ。チームを愛しすぎるがゆえか、時に応援が過激に、攻撃的になったり、はたまた相手サポーターと衝突したりと一部のサポーターが“暴徒化”することもしばしばなんです」(前出・サッカー担当記者、以下同)

 なんでもホーム、アウェー戦に限らず、レッズ戦の取材で毎回圧倒されるのが、真っ赤に染められたスタジアムだそう。それが待ちに待ったシーズン初戦となれば、いつも以上にピッチに熱視線が注がれることは想像に易い。

SNSで「浦和サポ」がトレンド入り

「発表によると、miwaさんの出番はキックオフ20分前とのことで、本来ならば選手は試合前の最後のアップや監督やコーチとのプラン確認、サポーターは“チャント(応援歌)”を歌ってチームの士気を高める大切な時間。そんな“ルーチン”を中断されては、miwaさんに限ったことではなく、サポーターからの怒りの矛先が向けられてブーイングに晒される恐れがあります」

 そんな熱心なサポーターの、特に浦和サポの“色”を知るサッカーファンからの不安の声か、SNSでは一時「浦和サポ」「キックオフ20分前」がトレンド入りする事態が起きたのだった。

 この「アーティストへのブーイング」で思い出されるのが2012年シーズンの第7節、4月21日に行われた大宮アルティージャ対浦和レッズの“さいたまダービー”。ライバルチーム同士の試合開始前、大宮のホーム・NACK5スタジアム大宮のピッチに登場したのが、今や国民的アイドルグループに成長した乃木坂46。

 当時は『スカパー!Jリーグ2012オフィシャルサポーター』を務めていた乃木坂だけに、この日もいわばJリーグ公認の立場で公式応援ソングを熱唱。しかし、キックオフから1時間以上も前のパフォーマンスにもかかわらず、浦和側スタンドから容赦ないブーイングが浴びせられたのだ。

 殺気立った異様な雰囲気の中で仕事を全うしたメンバー16人。「何も反応がないよりは、反応をもらえただけでうれしかったです」と健気に答えたのは当時、乃木坂の一員としてピッチに立った、埼玉在住だった現テレビ朝日アナウンサーの斉藤ちはる。この騒動が広まると彼女たちには同情の声、浦和サポには批判の声が向けられた。

サポーターの“罪”をチームが負う

 そんな行き過ぎた応援に明確に鉄槌が下ったのが2022年7月。コロナ禍で声出し応援を禁止とするルールが定められたにもかかわらず、浦和サポが再三の注意を無視してブーイング等の声出し応援を繰り返したことが問題視される。

 Jリーグで開かれた臨時実行委員会後、野々村芳和チェアマンは浦和レッズに対して2000万円の制裁金を科し、以降も確認された場合には無観客試合や勝ち点剥奪のペナルティーを発表。サポーターの“罪”をチームが負うという、厳しい態度が示されたのだ。

「ただ騒ぎたい、暴れたいだけのサポーターは言語道断ですが、おらがチームを応援したい、勝たせたい気持ちはわかりますし、芸能人がピッチに立つことで大事な試合前に“水を差さされたくない”と苛立つ気持ちもわからなくはない。

 それでもJリーグはスポーツであり興行でもあるわけで。チームを支えているのはサポーターだけでなく、多くの企業やスポンサーの尽力があって成り立っています。自分達の行動ひとつでチームに迷惑がかかることも理解して、これも“サッカー”だと思って見守ってほしいですね」

 来たるJリーグ開幕戦。スタジアム内の誰もが楽しめる1日になることを。

 
miwa(公式インスタグラムより)

 

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miwa(公式インスタグラムより)