迷惑行為による“被害”を受けているのは大手回転寿司チェーン店『スシロー』。
「醤油差しや湯呑みをなめて元の位置に戻すという動画や、レーン上のパフェに添えられたスティック菓子を取ってかじり、元に戻すという動画、甘だれが入っている容器に醤油を注いで勝手に混ぜるという動画などが、たびたび炎上しています。スシロー側もこうした迷惑行為に対しては厳正に対処しています」(ネットニュース編集者)
スシロー店員に話を聞いてみた
このような一連の炎上騒動が続き、SNSでは
《もう回転寿司には行きたくない》
《安心して食べられない》
などの利用を控えるという投稿がある一方で、《#スシローを救いたい》といったハッシュタグで応援の声が挙がると、スシロー側も公式Twitterで新居耕平社長が感謝の言葉を述べた。
また、この騒動は芸能界にも波及し、小籔千豊や堀江貴文氏、はじめしゃちょーなど芸能人やユーチューバ―がスシローを訪れて動画を公開するという動きも出てきた。
こうした動きに大きく振り回されているのは現場で働く店員たちのようだ。都内にあるスシロー店舗で働く20代の社員はこう話す。
「仕事の内容としては、キッチンでは機械が握ったシャリにネタをのせたり、デザートなど寿司以外の料理の簡単な調理。ホールはお客様のご案内や精算などです。機械化されていて仕事を覚えるのは簡単ですが、常に人手不足で忙しいです。シフトの関係で夜などの混む時間帯に従業員が少ないと特に大変です」
これまで迷惑行為を見たことはあるのか。
“この醤油は平気?”と聞かれるようになり…
「子どもがレーンの商品に触ってしまったということはありましたが、炎上している動画のようなことはないですね。子どもが触ったものはすぐに処分しました」(スシロー社員、以下同)
騒動を受けて、注文を受けた商品のみを提供したり、希望すれば、テーブルに置いてある食器や調味料の交換するなど、運営方法が変更になったが……
「変更になる前からタッチパネルでの注文が多かったので、特に混乱が起きているということはないです。実際に調味料を交換した人は1人しか見てないですね」
一方、別の店舗で働く20代の男性アルバイトの話では少し状況が違うようで……
「“この醤油は平気?”と、かなり聞かれます。席にお茶の湯呑みが置いてあるんですけど、とても慎重に選ぶお客さんが増えました。同じようにガリも、やたら覗き込む人が増えましたね。あとは、席を映すカメラがないので、イタズラがないように意識して見て回っています」
では、一連の騒ぎで様々な声が挙がっているが、お客さんの数はどうなっているのか。
「SNSを見て来たくなったというお客さんはちらほらいますね。お客さんはそんなに減った印象はないです」(アルバイト店員)
同じく前出のスシローの社員もこう話す。
「芸能人たちの応援するコメントや動画のおかげなのか、お客さんは炎上騒動の前よりもむしろ増えています。応援の意味を込めてきてくれる人がいるのだと思います。ただ、お客さんが増えても従業員の人手不足は変わらないので、仕事はさらに大変ですが……」
これはうれしい悲鳴と言っていいのだろうか。全店舗一斉休業など働きやすい環境作りは意識しているようだが、従業員の労働環境にも目を向けてほしい。