柄本明

 1月15日に放送されたTBS系ドラマ『Get Ready!』第2話にゲスト出演した柄本明の“怪演”が話題になった。

「演じたのは、賄賂を受け取って医学部への裏口入学を認める“極悪”大学理事長の役。度を過ぎた金の亡者ですが、実は金の使い道は僻地に病院をつくり医療格差をなくすため。がんで余命宣告された後に力を振り絞って“最期の講義”で夢を語る圧倒的な演技が称賛されました」(テレビ誌ライター)

 2月10日に公開された映画『エゴイスト』で主演・鈴木亮平の父親役を演じているほか、松山ケンイチと長澤まさみが共演した『ロストケア』、岡田准一と綾野剛共演の『最後まで行く』など、公開予定の映画にも出演。そんな多忙な中、“原点”でも精力的に活動している。

「柄本さんは1976年に『劇団東京乾電池』を立ち上げ、今も座長を務めています。東京・下北沢のアトリエでは、稽古や公演を行うだけでなく、あまり知られていませんが朗読会も開かれているんですよ」(演劇ライター)

 そこで、アトリエを訪ねてみると、翌日の朗読会を告知する張り紙が。朝9時開始で、なんと無料。

柄本兄弟や江口のりこも出演

近所の人が気軽に聞いて帰れるような場所を作りたいということで始めたそうです。柄本さんを含めて、毎回ローテーションで劇団員が3人出演し、江戸川乱歩の『人間椅子』など、好きな本を1人10分ずつ読む、合計30分間の会です。柄本さんは、読まないときも現れて劇団員の朗読を見守っています。看板女優の江口のりこさんが朗読したこともありましたよ。昨年は、息子の佑さんと時生さんも2回ずつ朗読しました」(芸能プロ関係者)

 柄本本人が出演した朗読会を覗くと、観客は6人ほど。近所の主婦や出勤前のサラリーマンなどさまざまだ。

「ただ朗読するだけじゃなくて、動きをつけたりもして面白いんですよ。少しずつ読んでくれるから、通うのが楽しい。この日の柄本さんは見川鯛山という、医者で作家の本を朗読していました。時間は5分くらいでしたが、引き込まれました」(観客の女性)

アトリエで朗読劇を終えた柄本明「あくまで無料で(笑)」

柄本本人に“無料劇”の理由を聞いた

 終了後、柄本に話を聞くことができた。

せっかく劇団の場所があるから何かやってみようと思って、去年の5月から始めました。朗読会なら演者も見るほうも気軽にできるかなと思って。劇団員の練習という意味もありますし。用事があるときは出られないけど、私もけっこう読みますよ

 告知にSNSなどは使わず、ひっそりと開催している。

前日にアトリエの前に看板を出します。それを見てフラっと来ていただけたらいい。だから、近所の常連の方が多いです。会場には、舞台で使う小道具があったりと少しゴチャゴチャしていますが、あくまで無料ということで(笑)。こちらも気軽にやらせていただいております」(柄本)

 こぢんまりとしたイベントだけど、俳優による本気の朗読が聞けるということ。“朝の講義”も聴き逃せない!

アトリエで朗読劇を終えた柄本明「あくまで無料で(笑)」

 

アトリエで朗読劇を終えた柄本明「あくまで無料で(笑)」

 

'19年6月、記者の直撃に穏やかに答えた柄本明

 

この日は朝からの猛暑にもかかわらず68歳とは思えない若々しいデザインの服装で犬の散歩から帰ってきた