日常の気になる疑問を解決!「がん」と「癌」に違いはあるの?知って楽しいおもしろ雑学を友達や家族にも教えてあげよう。
知って楽しい!おもしろ雑学
Q. 「がん」と「癌」、表記の使い分けに何か意味はあるの?
A. 悪性腫瘍の全部を総称するときは「がん」、上皮組織にできたものを「癌」と表記します。(総合東京病院 副院長・外科部長 羽生信義先生)
日本人の2人に1人は一生のうちになるといわれている『がん』。がんやガン、癌などいくつかの表記があるが実は表記の仕方によって、医学的には使い分けがあるのだそう。
「厳密に使い分けているわけではありませんが、身体の外とつながっている臓器にできたものを『癌』、悪性腫瘍を総称したものを、『がん』や『ガン』と表記します」
そう教えてくれたのは、総合東京病院の副院長で外科医の羽生信義先生。
「身体の表面や臓器を覆っている細胞などを上皮組織といいます。鼻、口、肛門など、身体の外部とつながっているのが特徴で、そこががん化したものを『癌』と表記します。
ちなみに、食道や胃などは、外部とつながっていないように思うかもしれませんが、口から入った食べ物は食道や胃を通りながら消化されて、最後は肛門につながっているため、食道や胃も上皮組織といえます」
乳がんも、乳管という母乳を乳頭に運ぶ木の枝のような細胞を通して外部とつながっているため、正しく表記すると『乳癌』に。
では、カタカナやひらがなで表記するのは?
「がんには外部につながっていない、骨や筋肉ががん化した肉腫や、血液細胞ががん化する白血病、リンパ球が悪性化したリンパ腫などもあります。
これらの悪性腫瘍と上皮組織にできるものすべてを総称するときに、『がん』や『ガン』と表記します」
「がん保険」や「ガン検診」はさまざまな悪性腫瘍を対象としているので、ひらがなの『がん』やカタカナで表記されているのだ。