誰もいない教室にウインドブレーカーを着た人物がやってきて、席に散乱している生徒たちの荷物をおそるおそる物色している……。
千葉県の名門高校で1月半ばに撮影された動画。校内で盗難が多発したことを受けて、犯人究明のために生徒が撮影したところ、まんまと犯人が映り込んだというのだ。
この動画はSNS上で拡散されており、大きな話題を呼んでいる。投稿には盗難に対する学校側のぞんざいな対応についての記載もあった。そこでは、学校側が盗難に対策を講じなかったため、生徒が現場を撮影するに至ったと言及。
学校側が「動画すぐに消せ」と詰め寄ったのか
また、撮影した動画を学校側に提出したが、犯人への処分や被害者への説明などもなかったという。さらに教諭が「警察には絶対に言うな」「動画をすぐに消せ」などと言って口止めをしようとしたという情報も。
これに対し
《学校が毅然とした対応をすれば、このような形で拡散されることも無かったと思います》
《“学校で盗難が起こった”よりも“学校で盗難が起こったことを隠蔽しようとした”の方が学校の評判へのダメージが大きいことが分からないのかな》
などと、学校側の対応を非難する声が寄せられた。
名門校でこのような杜撰な対応が起こり得るのだろうか。該当の高校に連絡してみると、教頭が憔悴した声で対応した。
「このたびは本校で起こった事故でお騒がせしてしまい、申し訳ございませんでした。本校で盗難および生徒がそれを自主的に撮影したのは事実でございます」
と、一部事実を認めたが、SNS上では間違った情報も多いと指摘する。
「盗難が発生し始めた冬季休業明けごろから、教師の巡回を強化し、校内での注意喚起を行なっていました。貴重品は身に付けるか、そうでない場合は鍵のついたロッカーにしまうように生徒たちに指導していました。ただ、ロッカーに鍵を付ける点について徹底は甘い部分がありました」(高校教頭・以下同)
と、対応策を講じていたことを説明。さらに2月10日にこの件は解決したと続ける。
「警察や教育委員会などの外部組織などの協力を経て、加害者と被害者のあいだで和解は成立しております。加害者家庭が被害者家庭に謝罪し、返金も行いました」
「“警察には言うな”とは発言していない」
非難が殺到している口止め疑惑の真相については……?
「そのようなことはありません。 “警察には言うな”という発言は一切しておりません。窃盗現場を撮影した生徒に対して“動画を消してほしい”とお願いしたことはございましたが、口止めをしようとの意図で発言したものではございませんでした」
学校側はこのような動画の危険性を考慮し、動画の削除を求めたそう。
「動画の扱い方次第では、生徒の将来を危険に晒す可能性もあります。そのために動画の削除を求めました」
残念なことに動画は拡散されてしまった。こうなると、学校の対応がやはり甘かったと言えるのではなかろうか。