元『BOYSANDMEN』の小林豊

女性「ただ、好きでいさせてほしいから……。怖いって思われないように、私も頑張る」

男性「頑張らなくていいから。ただ、笑っててね」

女性「好きでいさせてほしいっていうのが、ワガママなのはわかっているけど……。私も全部忘れて、あなたを許して、前向きになれるようにして、笑顔で過ごせるようにするから……。好きでいさせてください」

 男性に向けて、涙ながらに女性が話す。カップルの別れ話のようだが、これはアイドルとファンの会話だ。

「純粋に、彼に頑張ってほしいと思って応援していたのに裏切られ、私は心身のバランスを崩し、仕事も辞めました。私はこんなに苦しいのに、彼はパリに行って、パスタソースを売って、ずいぶん楽しそうに過ごしている……。それを見ていたら、許せない気持ちがフツフツと沸き上がってきたんです」

 こう話すのは、冒頭で登場した女性・Aさん。彼女が憤る相手は、名古屋を中心に活動するご当地アイドル『BOYS AND MEN(以下、ボイメン)』の元メンバー、小林豊(33)――。

元ボイメン・小林豊がプレゼントをメルカリに出品?

「小林さんは、2022年4月に『文春オンライン』の報道で、万引き事件を起こしていたことが発覚しました。事件は、2021年10月のこと。仕事で福岡に訪れていた小林さんが、博多にある商店街の薬局で、化粧品など総額9000円分の商品を万引き。店員に捕まり、警察に連行されていたのです」(スポーツ紙記者)

 小林は、ボイメンでの活動のほかに、俳優としても活躍。2013年放送スタートの『仮面ライダー鎧武/ガイム』では、主要ライダーを演じて人気を博した。

「万引き事件の発覚で、小林さんは事務所をクビに。ボイメンからの卒業を間近に控えていただけに、ファンの間では激震が走りました」(同・スポーツ紙記者)

 その後、人知れずインスタグラムのアカウントを新規開設。ファンへ向けた謝罪文を投稿しつつ、日本でのタレント活動をあきらめてパティシエ修業に勤しむ海外生活の様子などをアップ。次第に“顔出し”もして、2022年11月からパスタソースの通信販売をしている。

 先日の2月14日には、福岡市内で開催されたバレンタインイベントで、芸能界を“クビ”になってから初となる公の場に姿を現し、チョコレートの販売をした小林。

2月14日、福岡市内で行われたバレンタインイベントに参加した小林豊

「イベントは、昼12時開始で、100人近くのお客さんが集まって大盛況でした。当日分のチョコは午後4時には完売しました」(居合わせた客)

 ボイメン時代のファンに今も愛されている小林だが、彼はファンの思いを裏切ってきた。前出のAさんとの出来事は、2019年12月に遡る。

「それを初めて知ったのは、ファンの掲示板に書き込まれた投稿でした。フリマアプリの『メルカリ』に、彼のアカウントがあるというのです。書き込みを見て、どんなものを売っているのか、私も気になってチェックしました」(Aさん、以下同)

 まさか小林本人ではないだろう――。そう思っていたのだが、

「5年前に私が彼に贈ったポールスミスの服7点と、まったく同じ服が売り出されていたんです」

 驚いた彼女は、その出品者にメッセージを送り、商品の購入に踏み切った。

「メッセージのやりとりで、小林本人だと確信しました。私は彼を問い詰めたのですが、一貫して認めないばかりか、購入のキャンセルをすすめてくる。私としては、彼のことを思って選んだ思い入れのあるプレゼントでしたから、絶対に買い戻そうと決めました」

 Aさんは、洋服7点を約3万円で購入。手元に届いた商品を見て、さらに愕然とする。

「届いたのは洋服ではなく、高級化粧水。これも、2019年6月に、私が彼にプレゼントしたのと同じ商品でした。応援してきた私の気持ちをここまで踏みにじるのかと、ショックで涙がとまらなくなり、怒りで震えました」

電話で涙ながらの謝罪も、続く転売行為

 Aさんはメッセージで携帯番号を伝えて、小林から折り返しの電話を求めた。『仮面ライダー鎧武』出演時からファンになり、長年にわたって応援してきた。どうしても、小林の本音が聞きたかった。

「電話が鳴って出ると“小林豊です”と名乗り、泣きながら“プレゼントを売ったことや、洋服とは違うモノを送ったことも、ごめんなさい。でも誰にも言わないで”と必死に懇願してきました。

 私としては、応援したい気持ちもあったし、本当に反省しているようだったので“いい仕事をして、もっと有名になった姿を見せてくれたらいいよ。でも、ファンからもらったものを売るのはやめてね”と伝えて、許したんです」

 だが、アカウントはそのまま。小林はその後も商品を出品し続けた。

「彼が雑誌で愛用していると紹介していたスキンケアブランド『ライスフォース』の商品も売っていました。本当に使うために持っていたのかっていうぐらい大量に……。宣伝契約をしていた会社からもらっていたのかもしれません。

 ほかにも、有名歌手たちが集まる年越しイベント『ももいろ歌合戦』に出演した際に、出場者としてもらったと思われるグッズもありました」

 仕事で得たものを転売したら問題だが、ほかに何を売っていたのか。

「ドラッグストアで買えるようなファンデーションやアイライナー、サプリメントも売っていました。なぜ、こんなモノを売っているのか疑問でしたが、箱が少し潰れていたりして、後の報道から、万引きした商品を転売していたのかも……。とにかく転売で、そうとう儲けていたはずです」

 だがAさんは、小林の“メルカ転売”を黙認し、さらに他のファンにバレることを懸念して、自らが購入を続けた。

「彼の連絡先は知っていたけど、あくまで“アイドルとファン”の関係を壊したくなかった。直接電話したり、会うことの要求はしませんでした。小林のしたことですが、彼に負い目を感じさせてしまった罪悪感もあり、イベントは必ず参加して、彼が欲しがるものをプレゼントしました。彼が通う美容室に私も行って、その美容室を介して何が欲しいか聞いてもらっていました」

 プレゼントしたのは、約40万円するルイ・ヴィトンのバッグ、約11万円するジミーチュウのシューズなど。一般企業で事務職として働くAさんにとっては高価なものばかりだった。

「正直、収入の大半をつぎ込んでいて、かなり無理していました。写真集を出したとき、イベントで“オリコンのランキングに入りたい”と言っていたので、1人で150冊以上買いました。せめて利用価値のあるファンでいたかったんです」

 そんなAさんの思いとは裏腹に、小林の態度は冷たいものになっていく。

「2021年の夏ごろから、イベントに行ったら必ずしてくれていたファンサービスがなくなったんです。それまでは毎回、目が合うなど“いることに気づいているよ”っていう、ささやかなサインが必ずあったのに、それもなくなって……。交通費をかけて遠征しても、徒労感ばかりが残るようになりました」

 こんな小林の言葉にも傷つけられたと話す。

「トークイベントで“写真集のランキング入り、おめでとう”と伝えたら“今後はランキングとか気にしない”と言われてしまって……。いっぱい買った私が偉いわけじゃないですが、それを本人に言われたのがつらくて。

 美容室を介して手紙を渡しても“暗い内容だと思うので手紙は読みませんが、こんなオレでよければ応援してね”ってメッセージが返ってくる。だんだん応援することが楽しくなくなっていったんです」

 小林が“ランキング入りしたい”と話した思いを実現するための行為を否定され、思いを綴った手紙すら読んでもらえない。

 2021年12月、Aさんは気持ちの糸が切れてしまう。

「今まで頑張ってきたのに、なんでこんな嫌なことを言われなきゃいけないのか、わからなくなって……。それで、メルカリで商品を購入した後に“もう限界です。全部、暴露します”と連絡しました」

 すると《伝えたいことがあるなら電話してほしい》と返事があったため、Aさんは小林に電話をする。

「彼は“暴露されても別にいい”と言いつつ、“プレゼントをずっと持っているのは無理”とか“服の代わりに送った化粧水は本当に自分で買った”と話していました。2時間ほど話して、私は自分の気持ちを伝えましたが、あまり聞いてもらえず……」

 とはいえ“推し”のアイドルと直接話せて、少しは自分の思いを伝えられたこともあり、いったんは溜飲を下げる。

「小林には、クリスマスプレゼントに8万円するディオールのお皿と“自分の中で気持ちを整理します”という内容の手紙を書いて、美容室に渡してもらうようお願いしました。それから連絡していなかったのですが、その年の12月31日、小林から“生きてる心地がしない”とメルカリでメッセージが送られてきました」

 当時、まだ公にはなっていなかったが、小林は2か月前に万引き事件を起こして、警察に連行されたばかり。自分の過ちが、さらに暴露されてしまうかもしれない。そんな恐怖と小林も戦っていたのかもしれない。再び、ふたりは電話でやりとりする。

「小林は半泣きで“どうしたら許してくれますか?”と聞いてきました。“手紙に、許しますと言えなかったと書いてあったが、言うこと聞けないなら、お前の人生を終わらすからなと言っている人に思えてしまう。とにかく怖い”と言うんです。悲しかった……」

 Aさんは、小林が繰り返すプレゼント転売の事実を誰にも話さず胸に秘め、他人に発覚されるのも防ぐために自ら購入し、小林を守ってきたつもりだった。

「それが怖いって……。ただ彼を応援したい、好きって思わせてくれればよかっただけなのに。彼に怖いという感情を持たせてしまったのなら、私は、ごく普通のファンに戻るべきだと思いました」

 冒頭の会話を終えた後、ふたりは個別に連絡をとるわけでもない、“ごく普通”のアイドルとファンの関係に戻っていく。しかし、心にポッカリと穴が開いたAさんは心身に不調をきたす。

「不眠症になって、1~2時間ほど眠れればいい状態で、最終的に勤め先を退職しました。でも、小林の万引きが発覚したとき、彼はまだメルカリで『ライスフォース』の化粧品を売っていたので、それは全部、買ってあげました。週刊誌にでもバレたら大変だと思ったからです。そのとき小林からは“今回だけは甘えます”とメッセージが来ました。それが最後のやりとりです」

 パティシエとして新たな道を歩むなら、頑張ってほしい。そう思っていたのだが……、

「夏にはうつ病と診断され、療養生活になりました。少しずつ回復していたのですが、昨年12月に一気に体調が悪化して。自分でも気づいてなかったのですが、小林との出来事が、私にとってはそうとうなショックだったようで……」

 絶望の日々を過ごす中、小林への怒りが高まっていった。

「小林が“いい仕事をして、売れてほしい”という私の願いは、彼の万引き事件で裏切られました。パティシエになると言うから、せめて2~3年は修行して、それから表に出るかと思えば、すぐに目立つような活動を再開して、パスタソースを通信販売……。万引きって、そんなに軽い罪だったのでしょうか?」

 今年のバレンタインデーに開催していたイベントについても言及する。

「小林には、まったく誠意を感じない。今回のイベントは、万引きをした店舗から徒歩ですぐの場所です。

 今を支えているのは元からのファンなのに、私には“ファンの手紙はいっさい読んでない”と話していた。いったい、どれほど面の皮が厚いのか……」

小林豊に直撃!

 これらについて、小林の携帯に電話をして話を聞いた。

――ファンからのプレゼントをメルカリで転売していた?

「……それは、誰から聞いたですか?」

――心当たりのある人がいる?

「僕からはその……何もお答えできないというか」

――メルカリでファンデーションやアイライナーなども出品していたようですが、これらの商品は……。

「(遮って)ど、どうしたらいいんですか? 僕が今それを答えても何にもならないじゃないですか。僕としては答えることはできないんです」

――バレンタインデーのイベントは、万引き事件を起こした店舗のそばだった?

「それは、そうですね」

――なぜ、その場所を選んだ?

「再起というか、自分が1歩を踏み出すことで喜んでもらえる人が1人でもいるんだったら、やりたいと思ったので。薬局の店長さんも、“今後はしないように”っていう話から“応援してます”と最後は言ってくれたので」

――それは、いつ話した?

「もう大丈夫ですので……。答えられませんと言って電話を切られたと、書いてくれて構いませんので」

――ファンの手紙も読んでなかった?

「うーん……それは誤解があるので。僕からお答えできません。僕も精一杯、今を生きていこうとやっているので。じゃあ失礼いたします」

 と話して電話は切れた。

 小林は、イベントに集まったファンを前にして、こう話していた。

「みなさんの応援のおかげや、いろんな方の力を借りて、今日、この日を迎えることができました!」

 支えてくれたファンを裏切った代償は、まだ残っている――。

2021年12月31日に小林豊がAさんに向けて送ったメッセージ

 

2019年12月、『メルカリ』内でAさんと小林豊がしたメッセージのやりとり。

 

2019年12月、『メルカリ』内でAさんと小林豊がしたメッセージのやりとり。Aさんは購入した商品の発送を依頼するが……

 

2019年12月、『メルカリ』内でAさんと小林豊がしたメッセージのやりとり。プレゼントの転売に激怒するAさんに対して、小林は「本人ではない」シラを切るが……

 

2019年12月、『メルカリ』内でAさんと小林豊がしたメッセージのやりとり。プレゼントを転売しているのを見つけたAさんが、小林に「転売はやめてほしい」と訴えている
2019年12月、『メルカリ』内でAさんと小林豊がしたメッセージのやりとり。安易にプレゼントを転売した小林を諭すAさん
2019年12月、『メルカリ』内でAさんと小林豊がしたメッセージのやりとり。自ら送ったプレゼントを買い戻そうとするAさんに対し、取り引きの中止を勧める小林
2019年12月、『メルカリ』内でAさんと小林豊がしたメッセージのやりとり。取り引きを中止させようと必死になる小林だったが……
2019年12月、『メルカリ』内でAさんと小林豊がしたメッセージのやりとり。小林は必死に弁明するが……
2019年12月、『メルカリ』内でAさんと小林豊がしたメッセージのやりとり。小林を追及するAさん
2019年12月、『メルカリ』内でAさんと小林豊がしたメッセージのやりとり。洋服ではなく化粧水が届いたことについて問い合わせると……
2022年4月、小林豊の万引き報道後にAさんは豊を案じて『メルカリ』に出品していた化粧品を自腹で購入した
小林豊の『メルカリ』アカウントでは、『ももいろ歌合戦』に出演した際に貰ったと思われる商品も出品されていた
小林豊のメルカリアカウントには、アイライナーも出品されていた。箱が少し潰れている
2月14日、福岡市内で行われたバレンタインイベントに参加した小林豊