“ねこは固体であり液体である”……2017年、フランスの研究者がイグ・ノーベル物理学賞を取ったテーマだ。
ねこの柔軟性にびっくり!
“容器に合わせて変形するもの=液体の定義であるならば、容器によって姿を変えるねこは液体である”。氏はこの説を唱えつつ、論拠として各種容器にねこが入った写真を挙げ、会場をHOTにさせたという。そりゃあ異議なし、可愛いから優勝だ!
さて、遠く日本でもねこを愛するネット民の間ではかねて囁かれていた“ねこは液体”説。それがフランスの研究者の手によって日の目を浴びたわけだが、実際、SNS上ではそれを証明する画像も多く出回っている。
昨年末には、河出書房新社より『ねこは液体』というタイトルで写真集も刊行された。
「SNS上で見つけた液状のねこさんたちにお声がけして一冊に集めました。出版にこぎつけるまでに、内部からさえ“万人受けしないのでは”という懸念の声も上がったのですが……」(同書編集長)
結果は大好評! 多くのマスコミにも取り上げられ、大きな話題となった。
なぜって、ねこは液状化していても可愛いから。
不思議なポーズでくつろぎ、軟体すぎる体勢で眠るその姿は一層愛しく、われわれの心を打つ。今回はそんな変形ねこさん7匹をご紹介!
器で のび~る
《ふにさん(3歳)》
「ほっぺの模様がチャームポイント! 赤ちゃんの椅子にハマるのが好きで、いろんな面白いポーズを見せてくれます」
Instagram:@funi0202
《バロンくん(2歳)》
「いつも液体化してるバロンくん。ビビりだけどお散歩が大好き。見かけたら声をかけてくれるとうれしいです」
Instagram:@nuko_baron
箱で とけ~る
《こはださん(3歳)》
「兄ねこのうにと仲良しで、いつもイチャイチャしています。あくびをすると声が出ちゃう。箱と狭い所、人の足の上で寝るのが大好きです♪」
布団で ぐにゃ~ん
《銀太郎くん(7歳)》
「追いかけっこが大好きな、まだまだやんちゃな男の子です。おでこの柄と目尻のアイラインがチャームポイント♪」
Twitter:@gintaro_nya
《茂太(もた)さん(1歳)》
「ドヤ顔の俺様イケメンの茂太。丸く小さく眠る妹ねことは真逆の大胆な寝相に、おおらかさを感じます。最近は寒いらしく人の布団の上で伸びています」
《うずらさん(5歳)》
「お父さんが大好きで、お膝の上が定位置。歌川国吉の絵のねこみたいなポーズで寝ています。ウズラみたいな柄なのでうずらの名に」
カットしたら顔が大きく……
ボウルに入って長くのび~るねこさん。ダンボール内で溶け~るねこさん。ありえないポージングで眠りにつくねこさん……。
どのねこさんもアーティスティック。素晴らしいトランスフォームだ。
だが、ひときわ目を引く異形のねこさんがいる……
《ムーさん(10歳)》
ライオンカットが勇ましい、雌ねこ・ムーさん(10歳)だ。魅惑の液状化さえも彼女には不要。そこに立つだけで圧倒的存在感を放つ。
ライオンカットはいわゆるサマーカット(ねこさんの被毛を本来の長さより短く刈り込むもの)だ。寒い時期にこの短さ……。
「毛玉が出たのでトリミングに行ったところ、寒い2月に2ミリカットにされ、1日中お怒りでした。お腹が弱い系なので夜はベストを着て寝ています」(飼い主)
ムーさんはまた、すこぶるお腹が弱かった。夜にはちゃんちゃんこ的ベストを着て寝ているとのことだ。ああ、そんなエピソードまで愛らしい……!
ねこの日ならずとも、こんなキュートな変形ねこさんたちに骨抜きにされる日々、最高だというほかない♪
『ねこは液体』(河出書房新社/1300円+税)
※ふにさん、バロンくん、銀太郎くんの画像は書籍『ねこは液体』より。ほかは飼い主提供