「自分の声が、いいとか悪いとかって、意識したことがなかったです。僕にとっては、もともとあるものなので。でも、今回の反響次第では“俺って、いい声なんだ”と思うようになるかもしれません。単純な人間なので(笑)」
映画ドラえもんへの出演で「周りの反応がすごくうれしい」
『映画ドラえもん のび太と空の理想郷』で声優に初挑戦したKinɡ & Princeの永瀬廉。幼いころから見ていたドラえもん。オファーをもらったと聞いたときは、「えっ!!」と大きな声を出してしまったという。
「メンバーもすごく喜んでくれました。先日、映画のグッズを頂いたときは、(ドラえもんの声優に挑戦したいと思い続けているメンバーの髙橋)海人に、自慢しておきました。僕も海人に負けず、ドラえもんが好きなので(笑)。
それから、僕のことをとても好きでいてくれる、親戚のおばあちゃんが“見に行くね”と言ってくれて。これまでドラえもん作品に触れてこなかった方が、見てくださるきっかけになるのかもしれないと思うと、周りの反応がすごくうれしいし、ありがたいです」
作品でいっしょになった共演者や監督から「声がいいね」「声優の仕事もやればいいのに」と言われることが増えていったことから、「いつか」と意識するようになった声の仕事。今作で、いちばん気をつけたことを聞くと、
「滑舌です。(声をあてている側の)表情が見えないぶん、見てくださる方からしたら声に感情移入される部分が大きいと思うので。だから、ひとつひとつのセリフがちゃんと聞こえるようにしようと思っていました。
難しかったのは、戦っているときの“あっ!”とか“やぁ!”とか、何かの動きと一緒に出る言葉。自分が思っている何倍も声を張らないといけないとわかったときは驚きましたね」
セリフが多くてびっくり。でも「すごくうれしかった」
また、分厚い台本を2冊渡されたときもビックリしたと語る。
「最初、“これ何時間の映画なんだろう?”と思いました(笑)。これまで経験してきたドラマや映画とは違って、とても細かく設定が書かれていて。それから、想像以上に僕が演じるソーニャのセリフも多くて驚きましたけど、すごくうれしかったです」
永瀬が声を演じるのは、パーフェクトネコ型ロボットのソーニャ。空に浮かぶ、誰もが幸せに暮らせて何もかもが完璧な理想郷“パラダピア”で街の安全を守っている。
「ソーニャを見て、最初にみなさんが受ける印象は優しくて、スマートで紳士。でも、どこか人間らしさが足りない、ということじゃないかと思います。その人間らしさの部分が、ドラえもんやのび太たちと出会ったことで変わっていく。
誰かのためなら自分がつらい思いをしてもと思うタイプで、正義感も強い。僕の声で、そんな魅力的な部分が生きてきたらいいなと思いながらやらせていただきました」
あまり自分の短所を気にしたことがない
パラダピアに暮らす、パーフェクトなソーニャと永瀬自身の共通点を聞くと、
「比べないでほしいくらい、素晴らしいキャラクターです。自分自身と向き合い、ちゃんと行動に移すこともできる。しいてあげるなら、僕自身も思ったことを行動に移すほうだとは思います。
一歩を踏み出すためにしているのは“後ろは崖で、もう前に進むことしかできない。やるしかないから頑張ろう”と自分を追い込むこと。そのほうが、踏み出せますね」
今作で描かれているのは一見、短所に思えることも、個性として輝かせることができるということ。
「僕自身は、あまり自分の短所を気にしたことがなくて。今こうして、みなさんの前に立つ仕事をさせていただいているのですが、僕が思う短所を、逆に良さだと思ってくださる方もいる。
だから、映画で描かれる“無理してパーフェクトを目指す必要がない”ということにはすごく共感しました。もちろん、パーフェクトを目指すことは大切ですが、それで個性が失われてしまったらもったいないと思うので」
僕はキラキラの王子様にはなれない
自身がアイドル活動をしているうえでの考え方にも似ていると続ける。
「みなさんがアイドルという言葉で想像する姿に無理して近づいていくと、自分がもたない気がしたんです。それは、Kinɡ & Princeとしてデビューする前に感じたことですね。
極端な例になってしまうかもしれませんが、僕は(Sexy Zoneの中島)健人くんのように常にキラキラの王子様にはなれない。なりたいと思っても、中途半端な感じになってしまいそうだなと思って。
だから、そことは違う、わりと素に近い部分を出しながら活動をしています。僕が思う自然体という意味で影響を受けたとしたら、玉さん(Kis-My-Ft2の玉森裕太)。自然体な方で、すごく好きなんです」
“自然体”を強みにしているからか、初アフレコ前日の夜はぐっすり眠れたと語る。
「もちろん、緊張はしましたよ。でも、小さいころから、みんなが眠れなかったという遠足の前日も、眠ることができたので(笑)。
自分にとって、武器のひとつになるのであればチャレンジしたいなという気持ちで臨んだ作品が、可能性を広げてくれたように思います。見たことのない景色を見させていただきました。またひとつ、興味を持てることが増えたなと思っています」
休みがあったら「ダーツの旅」に行きたい!?
声優初挑戦ということで、VOICE(声)にかけた質問を!
Vacation(休暇)休みをもらえたら何がしたい?
どのくらいの期間ですか? 1週間か1か月なら、1週間で! 5日間は旅行に行って、あと2日は家で休みます。国内のいろいろなところに行ってみたいですね。
リアルにダーツの旅をしてみたいんですよ。地図に向かってダーツを投げて、1泊目はここ、2泊目はここみたいな。それをずっと友達とやろうって話しているんですけど、なかなか実現できなくて。
Oversleep(寝過ごす)最近、寝過ごしてしまったこと
このあいだの休日のことですが、昼過ぎに予定があって、お昼ごはんを食べたいから10時に起きようと目覚ましをかけて寝たんです。
次の日、目覚ましが鳴って「10時やな」と思いながら寝続けちゃいました(苦笑)。予定には間に合ったのですが、お昼ごはんヌキになって。牛丼を食べたくて、そのために早く起きようと思ってたんですけどね。
Intuition(直感)自分の直感を信じる?
僕、直感で生きてきたって言っても過言じゃないです。なんか、この人とは仲良くなれるなとか。わりと全部“なんか”なんです(笑)。ちょっと破天荒で面白い人だなと思うと、相手への興味がすごく湧いてきますね。
Caption(見出し)“永瀬廉は〇〇な人”と見出しをつけるなら
“素直”。いい意味でも、悪い意味でも、素直ってよく言われます。“疲れて眠いな”とか“楽しい!”がすぐ顔に出ちゃう(笑)。多分、表情が豊かです、僕。昔からなので、直す方法もわからない。今回の映画じゃないですけど、このままいきます。それも個性ですから!!(笑)
Enamor(夢中にさせる)自分を夢中にさせる人とは?
さっきも話しましたが、何を考えてるかわからないというか、僕の想像を超えてくる人のことは、知りたくなっちゃう。男女ともに。例えば、“どういう思考回路で今の言葉を言ったんやろ”みたいな。言葉選びが面白い人は、特に気になっちゃいますね。