ロレックスコレクターとしてファンの間で有名な川口春奈

 2月15日『タレント別テレビCM起用社数ランキング』で川口春奈(28)が21社の起用、初の首位を獲得したことがわかった(ビデオリサーチ調べ)。出演CMの中には時計メーカーの『CASIO G-SHOCK』などもあるが、ファンの間ではプライベートでもかなりの“時計好き”として知られている。

数々の芸能人もファンの高級腕時計

 1月23日にSNSで公開した写真ではロレックスの腕時計『デイデイト36』を着用。ネットでは《めちゃくちゃ似合ってる(ハートマーク)》、《ていうか、ロレックス何本持ってるんだろう?》など、称賛と驚きの声が上がった。

インスタグラムにロレックスを着用した写真を上げて話題になった川口春奈(本人インスタグラムより)

「現在『デイデイト36』はあまり新品が手に入らず、二次流通市場でも価格が高騰しています。文字盤やベゼルという文字盤の外周にダイヤモンドが埋め込まれているか、いないかにもよりますが、川口さんがつけている時計は当店で600万円以上の値段がつく可能性もあります」

 そう教えてくれたのは、銀座で時計の買い取りや販売を行う『GINZA RASIN』のロレックス担当。

「ロレックスは1900年代に創立された、スイスの高級腕時計メーカーです。王冠がトレードマークとなっており、ジャスティン・ビーバーさんやデヴィッド・ベッカムさんなど世界中のセレブたちが愛用しています。日本でも昔から石原裕次郎さんや高倉健さんなど大物芸能人にも愛されてきました。あまり時計に興味がない方にもロレックスというブランド名は知られていますよね」(『GINZA RASIN』ロレックス担当、以下同)

 数ある高級時計ブランドのなかで、なぜロレックスが突出した人気を誇るのか。

ロレックスの素晴らしさは高品質で丈夫なところです。そして時代やトレンドによってデザインが左右されないこと。『エクスプローラー』や『デイトナ』と呼ばれる代表的なモデルは、発売当時からデザインがほとんど変わりません。どの時代でも受け入れられるよう計算された、普遍的で飽きのこないデザインが魅力です」

 丈夫で普遍的なデザインという特長から、中古でも人気で二次流通の価格が高騰している。

「2016年に『コスモグラフデイトナ』というモデルが発売されたあたりから、ロレックスの二次流通価格は右肩上がりで値段が高騰していきました。ロレックスの正規代理店では品薄が続き、新品がほとんど入手できない状況。中古時計を扱う店でも、入荷した直後にすぐ売れてしまい在庫を押さえることが難しい状況が続きました」

 こうして品薄になってしまうのは、世界的な需要の高さと供給不足が原因。

「大量生産が難しいんです。ロレックスのような機械式の時計はひとつひとつのパーツが非常に精密です。それぞれを組み立ててからも、出荷まで厳しい検査が20種類以上あるといわれています。日本だけではなく、香港やアメリカ、中国など海外でも同様に需要があります」

投資目的でロレックスに注目が集まっている

 世界的に右肩上がりで価格が高騰している背景には経済状況も関わっている。

「投資の対象としてロレックスに注目が集まっています。インフレ傾向が続いていますが、インフレ時に値段が上昇する不動産や貴金属など現物資産に乗り換えることで、保有資産の相対的な減少を防ぐことができます。これはインフレヘッジと呼ばれるもので、ロレックスをはじめとした高級時計もこのような背景から取引が増えたと推測しています」

 高品質で頑丈だという特長のロレックスはインフレヘッジに向いている。

「ロレックスのような機械式の時計は、電池ではなくゼンマイを動力にして動いています。このタイプの時計は、オーバーホールと呼ばれる、時計を一度分解して再度組み立て直すメンテナンスを定期的に行うことによって、半永久的に使用が可能です。着用しても経年劣化がほとんどなく使い続けられるというところが、中古市場の値崩れが考えにくい要因だと思いますね」

 投資目的でも注目されるようになったロレックスの中古相場は昨年秋ごろにピークになった。

「例えば、人気モデルである『デイトナ』の場合、定価が160万円のところ二次流通の市場では600万円台後半から700万円という値段で取引されていました。ただ、そういった高止まりは、徐々に落ち着いてきています。急激なインフレがいったん落ち着いたこともあり、今年に入り価格も少しずつ下がってきました」

 ロレックスは女性からの人気も高い。レディースのロレックスは、文字盤の色や宝石のあしらいなど細部でさまざまな違いがあり、人とかぶりにくいなども人気の理由。

工藤静香さんのように『デイトナ』のレアモデルを着用されたり、中村アンさんのようにエレガントな『オイスターパーペチュアル』を着用されたり、ご自分の個性に合わせたロレックス選びが上手な女性芸能人の方は多数いらっしゃいます」

工藤静香は『デイトナ』レアモデルを着用(インスタグラムより)

専門家もうなる川口のセレクト

 そんななか、川口は『デイデイト36』の他にも『GMTマスターII』『サブマリーナデイト』などを所有。その様子を動画やSNSでも投稿している。ちなみにその価格を聞いてみると──。

「『GMTマスターII』は定価ですと127万円ですが、当店での販売価格は270万円前後、『サブマリーナデイト』も定価は120万円前後ですが、当店での販売価格は180万〜190万円になるかと思います」

ロレックス『GMTマスターII』

 いずれもパイロットウオッチやダイバーズウオッチと呼ばれる今人気のスポーツタイプ。『GINZA RASIN』ロレックス担当スタッフは芸能人の中でも特に川口は“時計好き”を感じるという。

「身につけているのはどちらもスポーツタイプのメンズロレックスです。そうしたものを押さえつつ、イエローゴールドの『デイデイト36』を所有しているところが素晴らしい。

 ロレックスは、オイスタースチールと呼ばれる特殊なステンレス素材を用いているのですが、一部のモデルではイエローゴールド、ホワイトゴールドを使っており、取引の価格が大体1.5倍から2倍近く変わります」

 一貫してメンズモデルばかりを選んだり、このイエローゴールドを選ぶあたりは大した目利きだと感心する。

「アクセサリーもそうですが、女性の方ですとローズゴールドやシルバーを好まれる方が多い。イエローゴールドの時計はかなり個性的。どちらかというと、貫禄のある中高年の男性などから人気が高いんです。そんなメンズモデルを川口さんがされているのは、カッコいいですよね」

 時計の専門家からも好感度の高い川口。今後も時計CMのオファーが来るかもしれない。

インスタグラムにロレックスを着用した写真を上げて話題になった川口春奈(本人インスタグラムより)

(取材・文/諸橋久美子)