保田圭

「有名人と家族ぐるみの付き合いがある人が、詐欺まがいのことをするなんて……」

 怒りに声を震わせるのは、都内でネイルサロンを経営するAさん。彼女は、ある“違法業者”によって耐えがたい被害を受けていた――。

保田圭も“近しいビジネス”に関与?

 Aさんが巻き込まれたのは、不動産をめぐったトラブル。

「7年ほど前からサロンに通ってくれていた女性客のBさんは、不動産の仲介業を営んでいて、私生活では元『モーニング娘。』保田圭さんと家族ぐるみの付き合いがあるんです。“圭ちゃんやお子さんに、誕生日プレゼントを買ってあげた”という話をよくしていました」(Aさん、以下同)

 保田は'98年にモー娘。のメンバーとしてデビュー。'03年にグループを卒業した後は、バラエティー番組を中心に幅広く活動。'13年にはイタリア料理研究家の小崎陽一氏と結婚し、'18年に第1子の長男を出産している。

 前出のB氏が保田と繋がりを持ったのは、夫の小崎氏を通じてのこと。

「Bさんはもともと、小崎さんの経営するレストランに通っていました。常連として、保田さんを含めプライベートでも親交を深めていったそうです」

 さらにB氏は、ビジネスにおいても小崎氏と関係を築き“パートナー”になった。

「小崎さんは昨年10月、都内でチーズケーキ専門店をオープンさせたのですが、この開業に携わったのがBさんなんです。彼女は、“小崎さんからチーズケーキ店の開業のため、3000万円の出資をお願いされている”と話していました」

 小崎氏の会社の登記を確認すると、確かにB氏が“取締役”として記載されている。

 また、保田も彼女に近しい“ビジネス”に関与していた。

「Bさんの従兄弟はピラティスのスタジオを経営しているんですが、保田さんはそのスタジオに通っている様子をSNSやブログで紹介して、宣伝しています」

 公私ともに付き合いの深い保田圭とB氏。だが、Aさんをトラブルに巻き込んだ張本人が、このB氏だった。

「私は都内で2店舗目のサロン出店を考えていることをBさんに相談したことがあったのですが、昨年9月、《40平米くらいあると思いますが、13万で貸してくれるそうです。ネイルサロンもできそうです》と、都心の駅近くにある物件紹介の連絡が来たんです。調べたところ家賃相場は18万円ほどでしたが、《保証会社も使わなくていいし、敷金も不要》《全て私に一任なので、いかようにもなります》と、かなりの好条件を提示されました」

 願ってもない提案だったが、即時の決断はできなかった。

水漏れに加えてネズミも発生

「魅力的でしたが、当時すぐ出店しようと思っていたわけではなかったので、とりあえず内見だけしました。すると、11月上旬にBさんから催促の連絡が来て……」

 Aさんが出店を決断し、12月末から入居できるか尋ねたところ、《最初にかかるお金は家賃のみ》《1月からの家賃発生でいい》《仲介手数料も不要》との返信が。

「いくらなんでも話がよすぎるから、本当にその条件でいいのか何度も確認しましたが、Bさんは《誰しも疑っちゃいますよね》と言って、所有しているのは悪質なオーナーではないから安心するよう返事が。その言葉を信じて、賃貸契約をお願いしました」

 トントン拍子に話は進み、Aさんは12月中旬にマンションへ入居。しかし、そこには思いもよらない“欠陥”があった。

B氏のいとこが経営するピラティススタジオに通い、宣伝していた保田圭(本人のブログより)

「入居の前日、改めて掃除のため物件に入ると、洗濯機の排水溝から水があふれて部屋が浸水していたんです。“ここ3年は使われていない部屋だ”と説明されていましたが、同じマンションの住人に話を聞いたところ、2年ほど前に水漏れのトラブルがあったことが判明しました」

 問題はそれだけで終わらず……。

「1月上旬には、給湯器が突然故障してお湯が出なくなりました。Bさんに相談したところ、《そろそろ交換かも知れないですね。業者の手配をいたします》と。真冬だったので早めの対応をお願いしましたが、そこから数日たっても返事がなく、翌週に確認したら、まだ修理業者の発注すらしていなくて……

 
 さらにその数日後には、ネズミが出るという事態が。

「夜中に鳴き声と物音が続いたので相談したところ、《業者は見たことがないそうです》と返され、しまいには“隣の部屋の水道の音ではないか”と。管理人やほかの住人に話を聞いたところ、やはり目撃情報があったため伝えたら、《管を通って○階までくるのでしょうか すごいですね》と絵文字付きで返され……。駆除の対応ができないなら、せめて壁などにある穴を塞いでほしいとお願いしましたが、たびたび連絡を無視されて、結局対応はありませんでした」

 そのころ家賃の支払日が迫っていたため、Aさんは《なるべく解決した状態で気持ち良くお支払いしたい》と改めて対応を仰いだが、B氏からは驚きの返答が。

「“実害がないのに家賃の話をされるのは許容を超える”として、いきなり《退去の方向でお考えいただけないでしょうか》という返事がありました。家賃交渉をしたかったわけではないと説明しましたが、この際も返事はなく……」

無免許状態で宅建事業を行っていた

 不信感が限界を迎えたAさんは、詳細を確認するべく賃貸契約に必要な書類を送るよう連絡。しかし、そのまま書類が届かないどころか――。

「マンションの管理組合に確認したところ、部屋のオーナーの分譲契約に関する書類しか提出されておらず、私の賃貸契約に関する書類はそもそも提出されてなかったんです」

 あまりに杜撰なB氏の“契約”。Aさんはオーナーと直接話がしたいことを彼女に伝えたが、願いは叶わなかった。

“オーナーとテナントは連絡先を交換できない”と。賃貸契約に必要な『重要事項説明書』は用意できないのか、できないのなら理由を教えてほしいと伝えましたが、説明はありませんでした」

 加えて、驚きの事実が明らかに。不動産会社では、1つの事務所につき、5人に1人の割合で専任の宅建士を配置することが義務付けられているが……。

「都の宅建協会にBさんの資格を確認したところ、“登録はない”と。協会からは、警察に相談することを勧められました」

2022年10月にオープンしたチーズケーキ店で記念写真を撮る保田圭と小崎陽一夫妻(小崎氏のブログより)https://ameblo.jp/cucinagianni/entry-12769459407.html

 Aさんは、B氏の言葉を信じたことを後悔している。

「入居したころは月に2回ほど会っていたので、契約書は後日用意してくれるのかなと思っていましたが、“後で送ります”と言うばかりで、いつまでたっても用意してくれず……。現在に至っては、間に弁護士を挟んで、何も対応せずに逃げ続けているんです」

 事実を確認するべく、『週刊女性』はB氏の窓口となっている弁護士に電話したものの、すべて「ノーコメント」と答えるのみ。

 東京都の住宅政策本部 民間住宅部 不動産業課に確認したところ、B氏の会社は平成30年以降、宅地建物取引業の免許が失効しており、現在“無免許状態”であることが判明した。この事実について、弁護士法人ユア・エースの正木絢生代表弁護士は以下のように語る。

「無免許で宅建事業を行うと、宅地建物取引業法(以下、宅建法)12条1項に反し、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはこれらが併科されます。また、既存の事務所等が専任の宅建士の配置に関する定めに抵触するに至ったときは、2週間以内に適合のため必要な措置を執らなければならず、応じなければ、100万円以下の罰金に処される可能性があります」

保田圭の所属事務所を直撃

 無免許状態で、水漏れなどの問題を隠しつつ“事故物件”を紹介していたB氏。小崎氏は、ビジネスパートナーの抱えるトラブルを把握しているのか。2月下旬、電話で話を聞いた。

――会社の取締役であるB氏が不動産業でトラブルになっているが、知っている?

「いや、不動産の話はまったくしてないので……存じ上げておりません」

――B氏とは家族ぐるみの付き合いがあった?

「そうですね。ただ、最近はお会いしていませんし、(トラブルについては)何も聞いていません」

――B氏が不動産業を営んでいることは知っていた?

「はい、なんとなく」

――チーズケーキ店は、B氏から3000万円の出資を受けている?

「Bさんの上司のような立場の男性がいて、その方から出資を受けて、私が代表としてやっています。Bさん自体は取締役であって、出資はしていません」

 一連のトラブルや無免許での営業に関しては、いっさい関知していなかった。

保田圭

 夫とともに親交のあった保田の所属事務所にも問い合わせたが、

「本人に確認しましたが、不動産トラブルの件はまったく聞いていなかったようです」

 とのことだった。

 Aさんは、健康面の被害も訴える。

「天井裏からの水漏れによってネズミの糞尿が部屋に入ってきた影響で、私は今もネズミアレルギーの症状に悩まされています。病院で検査したら、アレルギーの数値は通常の10倍でした。肺が痛く、普通に呼吸ができなくて……」

 宅建協会の助言に従い、警察にも相談した。

「管轄署の保安係に相談したところ、宅建法違反で捜査してもらえることになりました。これ以上、被害者が増えないことを祈っています」

 保田夫妻の知らないところで起きていた、ビジネスパートナーの不動産トラブル。“ピース”な結末を迎えることは難しいかもしれない。

正木絢生代表弁護士
弁護士法人ユア・エース代表。慶應義塾大学法科大学院卒業。第二東京弁護士会所属。bayfm『ゆっきーのCan Can do it!』にレギュラー出演するほか、ニュース・情報番組『news イット!』(フジテレビ系)などメディア出演も多数。相談しやすい身近な弁護士

 

チョコレート関連イベントで、パティシエの夫・小崎陽一氏に食べさせてもらう保田圭(2013年9月)

 

チョコレート関連イベントに夫婦で出演した保田圭とパティシエの夫・小崎陽一氏(2013年9月)

 

突然《退去の方向で》とAさんに迫るB氏のメッセージ

 

なぜか「オーナーと話すことはできない」と頑なに要求を拒むB氏
契約前は《全て私に一任なので、いかようにもなります》と語っていたB氏
敷金・保証会社・仲介手数料は不要で、必要なのは家賃のみという条件を提示していたB氏
電気自転車に乗って家から出てきた保田圭(2023年2月)