《子どもにゲテモノ食わすなよ》
《トラウマになって昆虫食苦手になる子のほうが多いのでは?》
徳島県小松島市内の県立小松島西高校・食物科が「コオロギパウダー」を使った給食を試食で出したことを受け、ネット上では批判的な意見が相次いでいる。
学校にはクレームが殺到
「教員の説明によると、生徒同士が市販の乾燥食用コオロギを食べる遊びをしており、それを見かけた教員が口にしたところ美味しさに驚き、コオロギパウダー入り給食の試食を行うことになったといいます。食用コオロギを手がける県内のベンチャー企業『グリラス』からパウダーの提供を得て、昨年11月に1回目、今年2月に2回目の試食を行いました」(スポーツ紙記者)
生徒に出されたメニューは、コロッケに使われるひき肉の代わりにパウダーを使った「かぼちゃコロッケ」。食物科の生徒らが考案して作り、在校生のうち約170人が試食に加わったという。
試食は強制ではなく生徒の意思で選択できるようになっているが、同校の試みに対しては冒頭のように厳しい声が寄せられている。クレームの電話も殺到しており、教員は3回目の試食は考えられない状況だとしている。
食糧危機を解決するたんぱく源として注目されている昆虫食だが、近年では、著名人や政治家も含めてネット上で大きな議論になっている。
昨年2月、前出の『グリラス』が開発した「コオロギのミックスナッツあえ」を河野太郎デジタル大臣が試食したというニュースが拡散されると、ツイッターで「コオロギ太郎」がトレンド入りする事態に。
2ちゃんねる開設者で実業家のひろゆき氏は、海外で虫やナメクジを食べた人物が死亡している複数のケースに触れ、
《人間が食べてない虫は、寄生虫や雑菌やアレルギーやら何が起こるかわからないので、食べちゃダメです》
とツイート。SNS上では「#昆虫食に反対します」などのハッシュタグ運動も起こっている。
健康上の問題への疑念もあり、未だ多くの人が抵抗感を感じている昆虫食。批判が集まったのは、小松島西高校だけではなかった。
企業も続々と”コオロギ炎上”
「一部のパン製造メーカーでも食用コオロギパウダーを使用した商品を販売していましたが、“コオロギ給食”の騒動を受けてか、最近になってネット上で嫌悪感を示す人も現れています」(前出・スポーツ紙記者)
給食に始まり、パン製造メーカーにまで飛び火した“コオロギ騒動”。さらに、ここに来てあの航空会社まで“炎上”している。
「JALこと日本航空の子会社である格安航空会社『ZIPAIR Tokyo(ジップエア トーキョー)』は、昨年7月から『グリラス』と提携してコオロギパウダーを使った機内食を提供していますが、こちらも最近になってネット上で再び取り上げられ、SNSなどで批判が寄せられています。提供されているのは「トマトチリバーガー」と「ペスカトーレ」の2品。前者はバンズとパティに、後者はソースにパウダーを入れているとのことです」(前出・スポーツ紙記者)
炎上について問い合わせると……
同社の公式サイトを確認してみると、確かに写真付きでメニューが紹介されている。2品とも見た目には何の違和感も感じないが、使用食材の詳細には「食用フタホシコオロギ」の文字が。
ツイッターでは、《無料でも食わない》《二度と乗らない》など、ここでも強い拒絶を示す人が続出しているが、企業はこの事態を把握しているのか。『ZIPAIR』に問い合わせたところ、担当者は以下のように説明する。
「昨今のニュースは我々も拝見しておりまして、お問い合わせ専用のコンタクトセンターに“コオロギパウダーを使った機内食を提供しているのは本当ですか”というようなお問い合わせを複数件いただいております。こちらとしましては、提供の経緯や、希望者に限って事前予約を受けた上で提供していることを説明させていただいております。
昆虫食を希望される方が事前に購入されて提供する形になっておりますので、コオロギパウダーを含んだ機内食を召し上がる方は、事前にそれを把握した上でご購入いただいている方で、それ以外のお客様が知らないうちにお口にするということはまず起こり得ません。ご納得いただいた方がご購入しているという認識でございますので、今後も基本的に変更なく、20〜30ほどあるメニューの中の2品として提供させていただきます」
食糧危機よりも“フードロス”が叫ばれている今の日本では、病原菌の恐れなども含めて昆虫食がなかなか受け入れられないのも無理はないだろう。とはいえ、強制ではなく、望む人にのみ与えられる形式に関しては、「選択は自由」という見方もある。さまざまな意見が飛び交う、大企業も巻き込んだ“コオロギ騒動”の鎮火には、まだまだ時間がかかるかもしれない。