ついに名古屋にスーパースターが上陸した。
3日14時過ぎ、県営名古屋空港に到着したエンゼルスの大谷翔平。白のプライベートジェット機の扉が開くと、黒のジャンパーに白いTシャツ、スニーカーといったラフな服装で姿を見せた。笑顔でタラップを降りる姿は、まるでハリウッドスターのようだ。
鈴木誠也と相乗りする予定だった
さかのぼること1日前。3月1日22時8分には羽田空港が揺れていた。大谷を乗せたプライベートジェット機が降り立った空港には報道陣約70人とファン約50人が集結。VIP専用出口から姿を見せた大谷に興奮し、「サインください!」「頑張ってー!」と叫ぶ子供たちの声も響いた。
アリゾナから羽田、羽田から名古屋とプライベートジェットでの豪華“ハシゴ移動”。当初、ヘリで名古屋に向かうプランもあったというが、東京~名古屋間は新幹線移動でも1時間半程度。正直、移動時間だけを考えれば空路と陸路に大差はない。新幹線ではグリーン車を利用することもできるが、混乱を避けるために空路を選択したというから、スターの気遣いはワールドクラスだ。
とはいえ、チャーター機であれば、直接名古屋に向かうこともできたはず。しかしなぜ一度東京を経由したのか? 羽田到着の翌朝には米国大使館を電撃訪問したが…。
「一度、都内にある自宅に寄ったのだと思います。そこには母親も暮らしていて、束の間の母子水入らずの時間を過ごしたのではないでしょうか。到着の翌朝は母親の手料理で腹ごしらえをしてから米国大使館に向かったのかもしれません」(NPB関係者)
また、同学年のメジャーリーガー、カブスの鈴木誠也が直前で離脱したことも影響している。
「もともとプロ野球時代から親交の深かった2人は、大谷が海を渡ってからもLINEやメールをする仲。鈴木がメジャーに憧れを抱くようになったのも、大谷の存在が大きい。大谷がきっかけでメジャーの試合を見るようになり、鈴木はメジャーリーガーの独特なフォームや自由なバッティングに夢中になった。
大谷にも『米国での生活はどう?』と聞くようになり、憧れは目標に変わっていったそうです。そして今回、ともにWBCに参加すると決まり、チャーター機を相乗りしようと計画していたようです」(メジャーリーグ担当記者)
しかし、帰国直前の2月28日。左脇腹痛でWBCの出場辞退が決定。大谷と鈴木の2ショット帰国は実現しなかった。鈴木も日本での自宅は東京都内。「空白の半日」のウラには、一度お互いに自宅で羽を休めて、という計画があったのかもしれない。
この“超VIP凱旋”はたちまち話題になった。大谷が利用したビジネスジェットの価格は日米間の移動で約2000~4000万円が相場で、片道でも1000万円以上はかかる計算になる。ところが、今回大谷が乗った飛行機は、それらの相場を遥かに超える費用がかかったという。
野球のためにはお金を惜しまない
大谷はJAL(日本航空)とスポンサー契約を結んでいるが、今回アリゾナから搭乗した機体は高級プライベートジェット航空会社「VISTA JET」が運航する「ボンバルディア・グローバル7500型」。テイラー・スウィフトやBTSなどを乗せてきた海外セレブ御用達のモデルだが、スポンサー契約ではない航空会社ということは、大谷が“自腹”で渡航費用を捻出した可能性が高まる。
そしてなんと「グローバル7500」の1時間あたりの利用料金は約340万円。アリゾナから羽田までの飛行時間は約10時間で、その他の経費を入れると4000万円は超える計算に。羽田空港第3ターミナルにあるVIP専用ゲートも、くぐるだけで30万円かかるというが、ここまでくると「あら、意外とお安い」とだんだん金銭感覚が麻痺してくる。
大谷の年俸は推定3000万ドル(約40億5000万円)。4000万円は、そこまで痛くもないのかもしれない。
「大谷の場合、ブランド物や高級車にそれほど興味がありません。着ているブランド品や時計、乗っている車もスポンサーからの提供品ばかりで、ほとんど自分で買うことがない。女遊びやギャンブルもしないため、お金は溜まっていく一方でしょう。今回のように、登板翌日の移動だったため、体をできるだけ休めることがチャーター移動の目的だった。つまりは野球のためにはお金を惜しまないが、それ以外は派手にお金を使うことがないのです」(前出のメジャー担当記者)
続く円安も度重なる物価高騰も、大谷には関係なさそうだ。