ここ数年、小・中学生の子を持つ親にとって「少年革命家」を名乗る不登校ユーチューバーのゆたぼん(14)の動向は大きな関心ごとであったに違いない。
小学3年生のころに宿題を強制してくる学校の制度に疑問を抱き、「まわりの子がロボットに見えた」ことで不登校に。YouTubeチャンネルを立ち上げ同世代に向けて「学校に行かなくてもいい」と発信、昨年はクラウドファンディングで資金調達した専用車・スタディ号で日本一周の旅に出るなど、“不登校”の自由を謳歌(おうか)しているゆたぼん。もし自分の子が影響を受けてしまったら──そう考えた親も少なくないだろう。
3月3日、そんな彼が世間を驚かせるツイートを投稿し、大きな話題になっている。
《今日から僕は生まれ変わりましたのやで!これから毎日休まずに学校に行って、宿題もやるのやで!人生は冒険やなくて、安定なのやで!さぁ学校へ行って人生は勉強や!》
アカウント名は「少年革命家ゆたぼん@学校へ行こう」に変更されており、インプレッション数(ユーザーへの表示回数)も平時のツイートの3倍以上。広く拡散されていることがわかる。
「おめでとう」「素直に応援」祝福の声
不登校YouTuberのあまりに唐突な“方向転換”に世間は驚きを隠せず、《頭でも打ったの!?》といったリプライに多くの“いいね”が集まるなど、その返信欄は半信半疑の様相を呈している。
しかし、フォロワーのなかには密かに彼の将来を案じていたファンもいるようで、ゆたぼんが「学校に通う」という、ひとつの大きな決断をしたことに、祝福のコメントを寄せている。
「おめでとう これから学校に行くんだね!! 本当の意味で冒険しろよ!! 応援してるからな」
「これは素直に応援だわ。今までいかなかった分のハンデがあると思うから人の倍以上頑張らないとね」
「学校の学びにも興味が湧いたのね! 大人ファンついてるからわからない宿題は考え方尋ねると良いぞきっと上手に解説くれる人いるはず!(宿題嫌で学校行かなかったは培った仲間が助けてくれるさ!)」(原文ママ)
親心溢れる、感動的なリプライが集まったのも束の間。ゆたぼんはTwitterのサブアカウントを更新。これは自分のツイートではない、と発信したのだった。
《なんでかわからんけど、1週間前ぐらいからTwitterにログインできんくなってて、今見たら乗っ取られてたみたい》
それを受け、ゆたぼんの父・中村幸也氏も自身のアカウントで注意勧告を行った。
《こいつふざけんな 学校なんて行かへんわ!!》
《どうもゆたぼんのTwitterが乗っ取られたみたいです。すみません。管理が甘かったです。携帯番号に認証コードが届かないというトラブルがあったので、電話番号を削除したのが間違いでした。こちらのアカウントを公式として使うようですので、フォロー宜しくお願いします》
と、ゆたぼんのサブアカウントに誘導するリンクを貼り付け、アカウントが乗っ取られていると主張。リンクをクリックすると「【公式】少年革命家ゆたぼん」とアカウント名が変更されていることがわかる。“乗っ取り行為”に怒りをあらわにしたゆたぼんはツイートでも感情を爆発させた。
《これは俺がツイートしたやつじゃないから、みんな間違えて、いいねとかリツイートせんといてな こいつふざけんな 学校なんて行かへんわ!!》
休まずに学校に行って宿題もやる──先の“登校宣言”を信じたTwitterユーザーたちが贈る“学校に行くのもいいものだよ”といった、諭すようなリプライ。それを一蹴するゆたぼんのツイート「学校なんて行かへんわ!!」。彼を心配するネットの声は本人にはまるで届いていないということがわかり、なんとも切ない。
そして、トラブル発生から9時間後。また、乗っ取られたとされるゆたぼんアカウントがツイートを投稿し、こちらもSNSで大きな話題を呼んでいる。
《『教育』と『納税』と『労働』は国民の義務なのやで!僕はまだ学生の年だから日本国民として『教育』という『義務』を全うするのやで!これから毎日学校へ行って頑張りますやで!皆さん本当の僕を応援して下さい!》
このTwitterを巡るゴタゴタは「しばらくネット上で盛り上がりそう」というのは、あるITジャーナリスト。
「ゆたぼんさんは昨年の12月にもTwitterでトラブルが起きているんです。彼がある日突然、Twitterによりアカウント停止を受けた画面のスクリーンショットをアップし、理由もわからずに困っているというツイートをしたことがありました。
しかし、そのことで“ある疑惑”が生まれてしまったんです。というのも、そのスクショには『問題が発生しました』との文言が表示されているのですが、本当に運営側から削除されたのなら、『アカウントは凍結されています』と出るはずだとSNSユーザーから反論がきたんです。『問題が発生しました』は、自分でアカウントを消したときに出る表示だと。このことからゆたぼんさんは“自作自演”を疑われてしまうことに」
当時、父の幸也氏はそのような指摘に『少し調べれば色々な原因があるとわかるのに。そもそも何のメリットもないのに、自分で消すわけないだろが』と猛然と反論したが、結局、ネットは炎上状態になったという。その約1ヶ月後、ゆたぼんはアカウントが復活したことを報告。その“真相”が明らかになることはなく今に至るわけだが、
「昨年末のアカウント削除の一件を知っているネットユーザーからすれば、今回の“アカウント乗っ取り”に関しても、“話題作りの自作自演”と見る向きもあるようで、ネット界隈では今もリアルタイムで議論が繰り広げられ、大きな反響を呼んでいます」(同・ITジャーナリスト)
乗っ取りがあったのか自作自演か、答えが明かされることはあるのだろうか。
「素直に応援だわ」「おめでとう 本当の意味で冒険しろよ!!」ゆたぼんにかけられた言葉は、今もネットの海を漂って──。