(左から)池田美優、藤田ニコル、生見愛瑠

《みちょとゆらのが25歳の誕生日お祝いしてくれました》

 2月25日藤田ニコル(25)がインスタグラムを更新。『Popteen』モデル時代から仲のよい池田美優(24)、越智ゆらの(24)と今も変わらず交流があることを明かした。

ギャル文化を作り上げた雑誌が休刊

『Popteen』といえば、事実上休刊し、2月1日よりWEBへ移行したことが話題となっている。

まさにギャル文化をつくった雑誌。事実上休刊のニュースにはひとつの時代の終わりを感じました。WEBへ移行するようですが、藤田ニコルさんもラジオで発言していたとおり、WEBやSNSより紙の雑誌のほうが細かく情報が載っているんですが……。残念ですね」

 と語ったのは、メディア評論家の衣輪晋一氏。

『Popteen』は1980年に創刊された女性向けティーン雑誌。読者は保守的なコンサバと真逆の層で、'80年代は暴走族やヤンキーを取り上げていた時代もあった。'90年代からは“コギャル”が誌面をにぎわす。

 渋谷にいる若者が注目を浴びるようになり、街にいる日焼けした女子高生や安室奈美恵さんに憧れたアムラーの“読モ”たちが登場。タレント以上に影響力を与えるカリスマとなるケースもあった。

安室奈美恵

「'90年代後半から'00年代の『Popteen』は、読者の声を徹底的に企画内容へ反映していました。それが共感された理由であり、最盛期には部数が50万部に達することも。世の中への影響力はすさまじいものがありました」(衣輪氏、以下同)

 ブームに乗って、ギャルを取り上げる雑誌が次々と創刊される中でも、頭ひとつ飛び抜けた存在だったという。

益若つばささんがいたころは、発売日の翌日には着た服が店頭からなくなってしまうなど、その経済効果は100億円とも。雑誌で人気となったモデルたちはテレビなどでも注目され、次々にお茶の間への進出を果たすという流れができました」

ギャル特有の縦社会が教育の場に

 読者モデルだった彼女たちの中からは、益若つばさ(37)、小森純(37)、鈴木奈々(34)、ローラ(32)、舟山久美子(31)、藤田ニコル、池田美優、生見愛瑠(21)など、そうそうたるメンバーがテレビメディアへと送り出されていった。なぜここまで多くのタレントを輩出できていたのか。

「『Popteen』で彼女たちは教育されていた部分もあります。ギャルの世界は縦社会なところがあり、挨拶や上下関係などに厳しい。それでいて仲間意識も強い。先輩たちがタレントになれば、憧れてその道を目指すようになります」

(左から)ローラ、益若つばさ

 さらに、アンケート至上主義の誌面作りも功を奏す。

「編集部は読者アンケートを重視していました。読者モデルたちも編集部から求められるアンケートを毎号徹底的に書いていました。それが自分自身を見つめることにつながり、セルフプロデュースに長けたタレント性を生み出したという面もあるでしょう」

 長く続いたアンケート主義は、ここ数年変化が見受けられた。

「みちょぱさんや、ニコルさんが卒業したあたりから、新たな人気モデルが輩出されていない印象ですね。最近の誌面ではSNSで活動するインフルエンサーなど、編集部が育ててきたモデルじゃない女の子をメインで起用することも。

 モデルたちがダンス&ボーカルユニットを組んでデビューの道のりを追うような企画が登場するなど、今っぽさはあるのかもしれませんが、従来の『Popteen』が好きだった読者は、“作られた感”のある誌面の変化に戸惑った面があるかもしれません」

 作り手側もそうせざるをえなかったのだろうと推測する。

「ギャルファッションは衰退し、主流は韓国風のファッション。しかもSNSの発信が影響力を増した。例えばTikTokで女の子から高い支持を得ている『しがらん』のらんちゃん。彼女は韓国人で、160万フォロワーを誇るインフルエンサーです。黒髪と韓国メイクがトレードマークで、10代の女性はそうしたファッションに目を向けています」

 ギャルになりたい女性が減り、雑誌ではなくWEBを参考にするように。こうした状況を考えると、雑誌『Popteen』が事実上の休刊によって“ギャルタレント”が生まれにくくなる可能性も?

「キャスティングする側にしても『Popteen』という看板は重んじていたでしょうし、減ることは十分に考えられます。ただ、形を変えつつこれからも残るとは思います」

“格好だけのギャル”か“精神的にギャル”か

 今後登場するギャルタレントは2パターンありそうだと衣輪氏は予測する。

ひとつ考えられるのは“格好だけのギャル”。普通の女の子を事務所が売り出すために、ギャル風の服装をさせるパターンです。

 今活躍しているギャルタレントは、みちょぱさんやニコルさんにしても、頭の回転が速く空気が読めるタイプ。ギャル特有の破天荒なキャラではありません。格好だけギャル、というタイプが現れても違和感はないでしょう」

 その逆で、見た目ではなく生きざまを見せ、ぶっちゃけトークで人気を博していくタイプも考えられるという。

「小森純さんを取材したとき、ギャルは格好だけではなく、精神性が大切だということを話していました。“後先考えず全力で今を楽しむ”というのがギャルの根本。そんな気持ちを強く持つために、服装で武装しているんだ、という言葉が印象的でした。

 いつの時代の若者も保守的な文化に反発する層はいます。格好は変化しても、ギャルのような精神性のタイプは現れるでしょう

 ギャルの精神性といえば、『Popteen』よりも『egg』が色濃く、WEB版として展開されている現在も受け継がれている。

「『egg』で活躍している女の子が面白いと注目を集めています。ゆうちゃみさんに続き、バラエティーなどでも活躍しそうな、みりちゃむさんなどパワフルな女の子がまだ出てきそうです。親の影響などでギャルに憧れる小学生の女の子が増えているんです。

「ゆうちゃみ」の愛称で知られる古川優奈

 元小学生ギャルのじゅなさんも『egg』の専属モデルとして活躍しています。ギャル文化はいわゆるアルファ世代('10年〜'14年生まれ)と呼ばれる層が引き継いでくれるのかもしれません」

 ギャル文化が途絶えなければ、今後はギャルタレントが生まれてくる可能性はあるだろう。

私としては“全力で今を楽しむ”という価値観は、今の時代にこそ必要かと。勢いのあるスターギャルが出てきて、世の中を明るく楽しく盛り上げてほしいと願います」

解説してくれたのは…

衣輪晋一(きぬわ・しんいち)○メディア研究家。雑誌『TVガイド』やニュースサイト「ORICON NEWS」など多くのメディアで執筆するほか、制作会社でのドラマ企画アドバイザーなど幅広く活動中

取材&文/諸橋久美子

 

 

問題となった藤田ニコルのオフショット動画(『ViVi』公式インスタグラムより)

 

問題となった藤田ニコルオフショット動画(『ViVi』公式インスタグラムより)

 

「乳首出てる」とのネット上の指摘に反論、苦言を呈する藤田ニコル(公式ツイッターより)

 

「乳首出てる」とのネット上の指摘に反論、苦言を呈する藤田ニコル(公式ツイッターより)

 

 

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【出演】
TK(芸能記者)
あっきー(芸能記者)

【パーソナリティ】
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