国語辞典などを手がける出版社・三省堂が毎年発表している『今年の新語』の2022年度の大賞には「タイパ」が選ばれた。「時間対効果」を意味するタイムパフォーマンスの略語だ。
マグネットヘアプロ ドライヤーゼロ(ホリスティックキュアーズ)
何をするにも「効率」が求められる時代。髪や肌などのセルフケアで何かと忙しい入浴後や、朝のメイクタイムの「タイパ」をよくしたい人は多いはず。
そんななか、ヘアブローの時間と質を劇的に変えてくれる高性能ドライヤーが人気を集めている。特に人気スタイリストのSNSなどで度々取り上げられ、大きく注目を浴びているのが『マグネットヘアプロ ドライヤーゼロ』だ。
「美容業界やヘアスタイリストのサロンワークを支えたいという思いのもと、『マグネットヘアプロ』というブランドは生まれました。
『ドライヤーゼロ』もヘアサロンでのプロユースを前提に開発されていますが、“速乾・軽量・美髪の追求”という商品コンセプトは美容室だけでなく、多くの一般家庭でのニーズにもかなう商品ということで、ご好評いただいております」
そう教えてくれたのは、ヘアアイロンやドライヤーの企画販売を行う株式会社ホリスティックキュアーズの伊東敦さん。
『ドライヤーゼロ』は、2016年に発売された大ヒット商品『ホリスティックキュアドライヤー』のすべてのスペックを大幅に改良した待望の新作で、昨年10月に満を持して発売された。
「意外に思われるかもしれませんが、美容師さんの作業時間の割合としては、カットよりもシャンプーやドライの時間のほうが圧倒的に長いんです。
その時間をいかに質を落とさないまま短縮し、作業の負担を減らすことができるかが、課題としてありました」(伊東さん、以下同)
作業効率アップのためにも速乾性は最重要課題。とはいえ、ただ風量や温度を高めただけでは、水分は飛ぶものの髪を傷めることにもつながる。
「速乾というだけなら、モーターのパワーを上げて強風を発生させ、高温の風で乾かせばいい。実際にヨーロッパなど外国製品にはそういうものも多いですが、水分量がもともと少ない日本人のデリケートな髪質には適しません。
髪に必要な水分を保持させながら、全体は乾いた状態にするという必要がありました」
『ドライヤーゼロ』は数種類の天然鉱石やミネラルを独自配合し、ドライヤー内部に加工。これにより、同社が30年以上研究を重ねる“テラヘルツ波”を発生させ、唯一無二の美髪効果が生み出せるという。
熱と風力だけのヘアドライが高温のドライサウナのようなものだとしたら、『ドライヤーゼロ』の美髪テクノロジーは岩盤浴のようなもの。
「テラヘルツ波というのは簡単にいえば遠赤外線の力。身近なものでは、岩盤浴なども遠赤外線の力で身体が内側からじっくり温まりますよね。
『ドライヤーゼロ』も、テラヘルツ波が毛髪の中の水分を振動させて温めるため、外側からの風と熱にプラスして、髪の内側からも摩擦熱で同時に乾かしていくイメージです」
もちろん髪質によって個人差はあるものの、この独自技術により最大56%のドライ時間の短縮が可能に。
プロに人気の理由は、柔軟な髪質への対応
さらには、5段階(40度~120度)の温度設定と、3段階(LOW/MID/HIGH)の風量設定を組み合わせ、使用者の髪質に応じて15パターンのカスタマイズができる。
「サロンではさまざまな髪質のお客様に対応する必要があるため、温度と風量は細かく設定できるようになっています。
100度でふんわりボリュームをアップさせたり、60度でしっとりと艶を出したり、40度の風を当てて髪のキューティクルをしっかり閉じたりと、髪質や理想の仕上がりに応じて温度と風量の“ドライレシピ”を使い分けることができるのも『ドライヤーゼロ』の特長ですね」
電源を入れたときの基本設定は80度/MIDで、風量と温度はそれぞれ持ち手にあるボタンで切り替えられる。
「最高温×最大風量にすればいちばん早く乾きそうだと思われるかもしれませんが、実際に使ってみると、髪質によっては80度/HIGHまたはMIDくらいの組み合わせのほうが、遠赤外線の力で最も早く乾かせたりします。
ほどよく水分を残しながら全体を乾かすことで、その後のブラッシングやヘアセットもやりやすくなるため、その点でも時短につながりますよ」
実際に取材現場で『ドライヤーゼロ』を使わせてもらったところ、まず驚いたのが本体の軽さ。手元にあった500mlのお茶が入ったペットボトルと比べても明らかに軽く、ヘアブローの動作がほとんど苦にならない。
「回転数が高い小型モーターを本体に搭載することで、吸い込み口部を空洞化させ、本体重量を業界最軽量クラスの350gにまで抑えることができました。
また、サロンでは1日に何度もドライヤーを使うため、折り畳み式ではなく、より耐久性のあるハンドガン型の形状。空洞部分にも指を通せるため、いろんな持ち方でカッコよく使っている美容師さんがいらっしゃいます」
記者も驚く「音の静かさ」
さらに驚いたのは音の静かさで、ドライヤーをつけたままでも難なく取材が続けられるほど。また、スイッチを切るとモーターがスッと静かに止まる。その“風のキレ”のよさも、新感覚だ。
「美容師さんはヘアブロー中にお客様と会話をすることも多いため、会話の邪魔にならないように、声が聞き取りやすい領域にモーター音を設定しています。
一般のご家庭でも、会話をしながらお子さんの髪を乾かしてあげられたり、音楽やラジオが聴きやすかったりすると好評です。
また、コードの長さも一般商品に比べると長い3m。これもサロン仕様では必要な条件でしたが、実際の家庭でもコンセントから遠い場所で使えたり、リビングでテレビを見ながら使えるなど、“ながら使い”にも適しています」
ヘアアイロンの普及、モロッカンオイルの輸入販売など、数々の話題を生み続けてきた同社。『ドライヤーゼロ』の開発にも、現場の美容師の生の声が数多く反映されている。
「弊社を含むコスモグループは、かつてはヘアアイロンを使った“パンチパーマ”開発の立役者になるなど、美容業界にさまざまなかたちで携わってきた歴史があります。
サロンに弊社製品を置いていただくなかで、美容師さんやお客様の声を聞き、それが商品に反映される好循環が生まれ、そのプロ仕様の商品が広く一般のご家庭にも普及するというのはありがたいですね」
もともとは全国の美容室や直営公式ECショップでの発売だったが、現在は一般流通しており、ビックカメラやヨドバシカメラなどの小売店でも購入可能。2万9700円(編集部調べ)と、高性能ドライヤーとしては安価な3万円を切る価格設定だ。
タイパもコスパも抜群な『ドライヤーゼロ』で浮いた時間……あなたなら何に使いたいですか。
(取材・文/吉信 武)