有吉弘行

 吉本興業主催の“一人芸”コンクール『R-1グランプリ2023』の決勝戦が3月4日、関西テレビ放送(カンテレ)制作、フジテレビ系にて生放送された。第21回目となった今大会の優勝者は、吉本所属のピン芸人・田津原理音。

 しかし今回、放送中にあるアクシデントが発生したことにより“やらせ疑惑”が浮上。その翌日には、ピンのお笑いタレントとして成功している有吉弘行が“やらせなどあり得ない”という主張をし、6日には制作サイドも新たに説明を行ったが、ネット上の疑いは晴れていない。

「やらせ、やる意味がないよね」

『R-1グランプリ』は一人芸の面白さを競うコンクールで、歴代優勝者にはだいたひかる(2002年)や浅越ゴエ(2004年)、博多華丸・大吉の博多華丸(2006年)、じゅんいちダビッドソン(2015年)、アキラ100%(2017年)、霜降り明星・粗品(2019年)、ゆりやんレトリィバァ(2021年)、お見送り芸人しんいち(2022年)などが名を連ねる。

 今年の決勝進出者は、ネタ順にYes!アキト、寺田寛明、ラパルフェ・都留拓也、サツマカワRPG、カベポスター・永見大吾、こたけ正義感(敗者復活)、田津原、コットン・きょんという顔ぶれ。審査員を務めたのは陣内智則、バカリズム、小籔千豊、ハリウッドザコシショウ、マヂカルラブリー・野田クリスタルのうち、ザコシは2016年に、野田は2020年に同コンクールで優勝している。

 そんな今回の『R-1グランプリ』で、トップバッターのYes!アキトは456点を獲得。しかし、その点数が表示される直前に一瞬、その時点ではまだネタを披露していなかった田津原の名と「470点」という点数がモニターに表示されるアクシデントが発生。しかもその後、田津原は自身のネタでまさに470点を獲得し、最終的に優勝したのだった。

 このことにより、ネットユーザーからは「なにこれ出来レース?」「生放送なのに予め点数が解ってるエスパー」「『R-1』やらせかぁ」といった声が続出。また、昨年12月に放送された『M-1グランプリ2022』(テレビ朝日系)で、ウエストランドが「『M-1』に比べて『R-1』は夢がない」などとネタにしていたが、「夢どころか不正まみれの大会だったんだ」という書き込みもみられた。

 番組放送から一夜明けた5日、カンテレ側がメディアの取材に対して“原因を調査中”としていることも報じられていた中、JFN系ラジオ『有吉弘行のSUNDAY NIGHTDREAMER』内で、パーソナリティの有吉が「やらせ、やる意味がないよね」と騒動に言及。審査を担当した面々についても「審査員なんて辞めたって困らないメンバーばっかり」であると指摘した上で、もし“事前の採点”を依頼されていても「『あ、はい』って言わないだろ」と想像し、笑い飛ばしていた。

「田津原さんに謝罪して」

「それでも、ネット上では『有吉さんが言う「やらせじゃない」って、証明じゃなくて気持ちか〜』『あの審査員たちが「はい」って言うわけない的なこと言っているが、お上から言われたらどうにもならないんじゃない?』『テレビ局や事務所から圧が掛かれば、番組降板してでも「NO」と言えるだろうか?』『やらせがあったか、なかったかじゃなくて、疑われた時点でダメなのよ。真実なんて揉み消されるんだから』『有吉が制作サイドを庇うのも当然。テレビで生きてる人だもん』というように、有吉さんの意見に納得せず、やらせを疑い続ける者も少なくありませんでした」(芸能ライター)

 そのほか、「有吉の言い分もわかるよ、あのメンツがやらせなんかに合意するわけがない。だからこそ、そう疑わせてしまったテレビ局の罪は重い」「田津原さんが気の毒」という書き込みも寄せられていたが、3月6日になって、原因の調査結果が明らかに。

 番組公式ツイッターでは、「リハーサル時に入力した仮のデータが制作側の不手際により誤表示」されたことが原因だったと説明しつつ、「全出場者の得点は審査員の厳正な審査によるもの」と強調。そして「経緯は番組公式HPで報告いたします。視聴者、関係者の皆様にご迷惑をお掛けし謹んでお詫び申し上げます」と謝罪している。

『R-1グランプリ』で優勝した田津原理音(田津原のTwitterより)

 これを受け、「やらせじゃなくて良かった」と安堵するネットユーザーも散見されるが、「仮データの誤表示は無理がある」「リハーサルで田津原さん470点でテストして、本番も同じ点数になるなんてあり得ますかね?」など、今もなお疑いの目を向ける者も。

 また「加担したと思われてる審査員と、何より優勝した田津原さんが可哀想」「田津原さんにちゃんと謝罪してください。せっかくの優勝にこんな形でケチをつけられるなんて最悪です」という意見も目立つ。

「今回、コンテストとは直接関係のない有吉さんも擁護に回っていましたが、結局、一度生じた疑惑を払しょくするのは難しいようです。田津原さんや審査員らについては“騒動の被害者”と認識しているネットユーザーが多いものの、制作サイドは引き続きフォローを続け、番組の信頼回復に努めていかなければならないでしょう」(スポーツ紙記者)

 優勝のニュースよりやらせ疑惑のほうが取り沙汰されてしまった田津原には、同騒動を逆手に取り、改めて笑いの実力で注目を集めてもらいたい。一方、有吉は多くのバラエティ番組でMCを務めているだけに、近いうちにいずれかの番組で田津原と共演することがあれば、うまくイジってあげてほしいものだ。

 

 

『R-1グランプリ』でYes!アキトの点数発表の際に一瞬「田津原理音470点」の表示が…
『R-1グランプリ』で田津原理音の点数は470点で、Yes!アキトの結果発表時に“誤表示”された同じ点数だった

 

'11年、『マツコ&有吉 怒り新党』の記者発表に登場した夏目三久。衣装についてマツコ&有吉から総ツッコミをうけた

 

『マツコ&有吉の怒り新党』制作発表での夏目三久、超ミニワンピ姿(2011年10月4日)