昨年7月の初当選から一度も国会に出席せず、「議場での陳謝」の懲罰処分が下されたNHK党のガーシーこと東谷義和参院議員(以下、ガーシー)。3月8日に参院本会議で行われることが決まった陳謝だが、ガーシー議員は帰国への考えを二転三転させたり、陳謝直前にトルコの被災地訪問を決行するなど、“謎行動”が目立っている。
そもそもガーシーといえば、動画投稿サイトにて著名人の暴露ネタや芸能界の闇などを投稿し人気を集めた、暴露系YouTuber。当選後も登院せずアラブ首長国連邦のドバイに滞在し、独自の有料オンラインサロンなどで動画を上げ続けている。
陳謝に関して一度は拒否したものの、帰国する気持ちはあると意見を翻したガーシー。しかし、芸能人への名誉毀損などの疑いで警視庁から任意の事情聴取を求められていたり、帰国をすることでパスポートの返納命令がされる可能性などが浮上しているため、帰国をためらう発言も繰り返している。
ネットで拡散された動画の中身
決断のリミットが迫る中、ガーシーは突如トルコ訪問を決行する意向を示したのだ。トルコへ行く目的は被災地の援助とのことで、日本テレビの取材に対し、
《自分がトルコの被災地でやらないといけないことがあると感じた場合、8日に帰らない可能性がある》
と発言。この期に及んで、慈善を盾に逃げ道を作る形となった。
またガーシーは自身で動画をまわし意見を発信している。今、オンラインサロンで配信されたと思われる動画がSNS上で拡散され、物議を醸している。
内容は、トルコ訪問の申請をした時のエピソード。政府関係者にトルコ救援について確認を取った際、「危ないところに入らないようにちゃんと気をつければOK」と言われ申請をしたという。そして初めて行く国のため、ドライバーや日本語を話せるガイドを大使館ないし、外務省から手配して欲しいと頼んだところ、断られたことを明かした。
彼は事のいきさつに対し、
《答え、『No』ですよ。『協力できません』言われたわ》
《そんなに、一議員が目立つのが嫌か? 協力できませんの意味が分からへん》
《もうほんまね、日本は腐ってますよ》
とコメント。ネットでは、
「え、なんでこの人キレてるの? 国会出席しないんだから当たり前やん」
「そもそもなぜ陳謝が迫っている今トルコに? そんなに行きたかったのなら、もっと早く行動できたのでは?」
「そもそも日本に帰って来られるのかな? 何だかトルコで時間稼ぎをしているように感じる」
「トルコ訪問もすべてパフォーマンスだろ」
とトルコ訪問の真意を探る意見が相次いだ。
「俺に陳謝を求めるなら立花さんにしてもらえって」
また別の動画でも、ガーシーの文句は止まらない。陳謝の説明責任に関して、
《国会に出なあかんかったなんてことは俺は知らなかったから。全部立花さん(NHK党首の立花孝志氏)から聞いてやっているだけやから》
《俺に陳謝を求めるなら立花さんにしてもらえって》
《立花さんに説明されてんから、国会なんて一回も出る必要ないからって。海外にいてもできるからって。それを俺が陳謝するのはおかしないかって》
のように、あくまで“自分は知らなかった”と繰り返し主張している。
SNSでは、
「これ程までに見事な責任転嫁を今まで見たことないわ」
「いやいや……いい大人、というか政治家が……子どもの戯言かよ」
「確かにガーシーを立候補しようとしたのは立花党首なので立花にも責任はあるが、自分も出馬表明した訳だから結局ガーシーにも自己責任がある」
など、炎上の嵐。日本国民にとっても、彼の“責任感のなさ”と“政治家への適性のなさ”を再確認させられた発言だろう。
ちなみに仮に陳謝を拒んだ場合は、懲罰委員会で最も重い“除名”という、議員の身分を失う処分が検討される見込みだ。元大阪市長で弁護士の橋下徹氏は「反体制派の国会議員を排除するのは非常に危険」とガーシー擁護派のようだが、果たしてどれだけの国民が彼を許すのだろうか……。
陳謝への前向きな姿勢を示すためか、もともとの茶髪を黒髪に染め直しトルコ入りを果たしたというガーシー議員。現在もインスタグラムではトルコ支援について拡散してほしいとの旨の発信を続けている。
7日午後に公開された『FNNプライムオンライン』の記事で、取材に応じたガーシー議員が「8日の帰国は時期尚早」として、本会議を欠席することを明らかにしている。
帰国せず陳謝しない代わりとして、「陳謝動画」を提出すると述べていたが──。果たして何を語るのか。