3月8日に開幕した野球世界一を決める『WBC(ワールドベースボールクラシック)』。そして9日、いよいよ日本代表チーム「侍ジャパン」が中国との初戦を迎えるのだが、なんと言っても注目はロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手だ。
阪神タイガースとの強化試合(3月6日)では、2打席連続のスリーランホームランを放つ6打点の活躍でチームの勝利に貢献。ワールドクラスのパワーを見せつけて京セラドーム大阪のファンの度肝を抜いたのだ。
侍ジャパンが8対1で勝利した試合(放送はテレビ朝日系)の世帯視聴率は20.2%の高視聴率を記録。大谷効果もあってか、侍ジャパングッズの販売も順調で、ツイッター等のSNSでも「#大谷バケモン」がトレンド入り。
本大会の開幕を前にしてのブームに広告代理店の営業スタッフも歓喜する。
「1時ラウンドの予選は20%半ばから後半、決勝ラウンド進出で30%超えの視聴率が見込まれています。特に決勝戦を完全中継するテレ朝さんの熱の入れようは目立ち、自局番組でのWBC特集や、解説者を務める松坂大輔さんを各番組に送り込むなどお膳立ては万全。
そして日本戦のテレビ中継をさらに盛り上げるべく“広報”の役割を任されたのが、侍ジャパン公認サポートキャプテンに就任した中居正広さんです」
阪神戦でも選手たちが座るベンチサイドのプレス席に出入りしていた元SMAP・中居正広。昨秋より体調不良のために休養をとっていたが、1月から仕事復帰すると間も無く、2017年のWBCから2大会連続となる大役を任された。
取材ノートには独自情報がびっしり
もとより“野球愛”は芸能界随一とも言われる中居だ。中継に関わるテレビ局スタッフもWBCに臨む姿勢を評価する。
「現場でも選手やコーチ陣はもちろん、同じく取材で訪れているプロ野球OBにも積極的に話を聞いています。“ベンチサイドリポーター”として実況席からの質問にも備えて、手にする取材ノートには独自につかんだ情報がびっしりと書き込まれています。
顔も少しふっくらした印象で肌ツヤも良く、心配された体調面も問題なさそう。サポートキャプテンとしての仕事を精力的にこなしていますよ」
野球の、しかもWBCの仕事とあっては誰にも譲りたくはない気持ちも強いのだろう。彼ならではの選手情報を視聴者に伝えるべく懸命に取り組んでいるようだが、公認サポーターとしての“初陣”となった阪神戦で、野球ファンからひんしゅくを買うまさかの“大失態”をおかしていたようで……。
“事件”が起きたのは初回、侍ジャパンの3番打者・大谷選手がバッターボックスに入ったときのこと。実況のテレビ朝日・三上大樹アナから「場内の雰囲気も一気に変わりました」と振られるた中居は、
「そうですね〜。え〜、この大谷選手の応援歌みたいなものもね、オリジナルというか。これWBC用のオリジナルの応援歌だということですけども……」
バッターが打順を迎えると球場内に鳴り響く応援歌。侍ジャパンでも、それぞれの所属チームで使用している選手応援歌を歌うのだが、その習慣がないメジャーリーグでプレーする大谷選手には「WBC用のオリジナル応援歌が使用される」という情報を披露してみせたのだ。
《中居くんはパリーグ見ないんか?》
多くの視聴者が中居トリビアに「へぇ〜」と思ったことだろう。そして実際にドーム内に鳴り響き始めた大谷選手の応援歌。すると「岩手県出身、栗山監督のもとで北海道で歩み始めた二刀流……」と選手紹介を始める三上アナ。続けて、
「京セラドームに流れる大谷の応援歌。『跳べ!大谷!夢の向こう側へ』。ファイターズで5年間歌われてきた応援歌。この応援歌で日本のファンが大谷を迎えました」
使用されているのは北海道日本ハムファイターズ時代の応援歌、との情報を冷静に伝えたのだ。この“訂正”がなされると「ファイターズ時代の!?」との中居による驚きの声が流れるも、そのまま三上アナによる実況が再開されたのだった。
すると、リアルタイムでテレビ観戦していた野球ファンだろうか、SNSでは、
《大谷の応援歌は日ハム時代のなんだが、全く知らない中居くんさんにガッカリだよ》
《オオタニサンの応援歌について中居くんが知ったか発揮してて笑った》
《中居くんはパリーグ見ないんか?》
中居の“知ったかぶり”発言にズッコケる、ツッコミを入れるユーザーが続出したのだった。
自宅でお酒を飲みながらテレビでの野球観戦が趣味と公言する中居だ。中継のゲスト出演も含めれば、世間一般と比較して野球を見る機会ははるかに多いことだろう。とはいえーー、
「普段見ているのは巨人戦ばかりのようで、対戦相手のセ・リーグチームの応援歌なら多少は聞き覚えがあったのかもしれませんが、日ハム時代の大谷選手に関してはスポーツニュースくらいしか見る機会がなかったのでは?
それでもサポートキャプテンの立場上、“知ったか”はよろしくはないですね。前大会で批判に晒された“グラウンドレベル中居”の再来とならなければいいですが(笑)」
「グラウンドレベルの中居です!」
少々いじわるな物言いではあるが、スポーツ紙・芸能デスクが指摘するように、2017年のWBCでも公認サポーターを務めた中居が、一部の野球ファンやネットユーザーから叩かれたのは確かだ。
ベンチサイドからたびたび「グラウンドレベルの中居です!」と実況に割り込んでいたことで、“グラウンドレベル中居”呼ばわりされてしまったのだ。
「当初は取材した選手情報をグラウンドレベルから伝えていたのですが、解説者の古田敦也さんらに“中居くん、よく見てるね〜”と褒められて気をよくしたのか、次第に戦術やプレー解説にも自身の考察や感想も挟むようになってしまった。
これに“うるさい”“知ったかぶり”“素人のくせに”“居酒屋のファンレベル”などとネット上で総スカンを喰らうハメに。この調子では本大会でも不安が残りますよ」
片や、“大谷情報”を違えてしまった理由を、「勉強熱心すぎるが故に、情報を詰め込みすぎたのでは」と代弁するのは前出のテレビ局スタッフだ。
「WBC用のオリジナル応援歌が使用されているのは、同じくメジャーリーガーのラーズ・ヌートバー選手なんです。中居さんは決して“知ったかぶり”をしたわけではなく、大谷選手との情報をごっちゃにして間違えたのだと思います。
言い換えれば大谷選手だけでなく、全選手の情報を頭に入れているということ。本大会では反省を生かして今1度、自身の取材ノートを見直していることでしょう」
今大会では「さすが、グラウンドレベル中居!」とほめ言葉で使われたいものだが。