「とてもおとなしくて、可愛らしい娘さんでした。どうしてこんなことに……」
被害女性の一戸建ての実家がある、大阪府大阪市生野区の近隣住民は悲報を悼んでいた。
大阪府警は3日、京都府京都市左京区の不動産賃貸業・宮本一希容疑者(37)を殺人の疑いで逮捕した。
「宮本容疑者は昨年10月12日の午前、同府同市北区に住む立命館大学3年生の濱野日菜子さん(当時21)のマンションで、日菜子さんに何らかの方法で毒性の強いタリウムを摂取させた。その後15日の午後、大阪府内の病院で急性呼吸窮迫症候群によって死亡しました」(全国紙社会部記者)
体調が急変した日菜子さんを放置して…
宮本容疑者は舞妓をホテルなどへ派遣するビジネスも展開していて、日菜子さんはそのスタッフだった。事件前日の11日夜から、2人はバーで飲んでいたようで、
「彼らは仕事だけではなく、プライベートでも以前から付き合いがあった。バーで飲んだあと、午前0時を回るころに5キロメートルほど離れた日菜子さんの自宅マンションに移動。すると“彼女の体調が急変して、咳が止まらなくなった。薬局で買った薬を飲ませた”と容疑者は供述。しかし、薬を飲んでも咳が止まらず、12日の朝に容疑者は日菜子さんの母親へ連絡。両親に日菜子さんの介抱を頼んだ」(同・社会部記者)
両親は彼女を一旦、大阪の自宅へ連れ戻ってから病院へ。だが、その3日後に日菜子さんは帰らぬ人に。
「警察は司法解剖の結果から、タリウムによる中毒と判断。容疑者が酒などに混入したとみています」(同)
宮本容疑者は警察の取り調べに、
「黙秘します」
と口を閉ざしている……。
一部報道では、容疑者は日菜子さんの介抱のためにやってきた両親に“仕事がある”と告げてその場を去ったが実はゴルフの練習に興じていたとも。なぜこのような非情な犯行に走ったのか。
祖父の代から続く不動産賃貸業を継いでいた宮本容疑者。自宅は約1000坪、母屋と玄関が4つもある大豪邸だ。
近所の住民はこう話す。
「まったく、わからん。この事件で初めて一希という人がいたと知ったぐらい」
別の住民は、
「地元の大地主でアパート、マンション、駐車場などを数多く所有していて、それを貸して生活しとる大金持ちやね。容疑者は小さいころは可愛らしい顔しとったけど、大きくなってからは見なくなった。小学校からずっと私立の学校に通っていたみたいやけど」
宮本一家は近所付き合いをほとんどしていないため、家族構成を知る人もいなかった。
「自治会には入っとるけど、母親をたまに見る程度。週に1回ぐらい、雇っているお手伝いさんがゴミ出しをするところを見かけるぐらいやからね」(同・別の住民)
容疑者の自宅前には2000万円越えのベンツが鎮座
洋風の母屋の前にある駐車場には、新車なら2000万円以上する『ベンツ』Gクラスが停まっている。
「容疑者は結婚して妻子がいたという話もあるわね。でももう離婚しちゃったなんて噂もあって、本当によくわかんないのよ」(近所の主婦)
容疑者の人となりを知るべく、自宅のインターホンを押すも、なんら応答はなかったーー。
犠牲になった濱野日菜子さんは、冒頭の一軒家に小学校を卒業する前後に引っ越してきた。
「それまでは大阪府東住吉区のマンションに、両親と妹と住んでいた。そこから2キロメートルほどの生野区に、念願のマイホームを購入したんです」(前出・近隣住民、以下同)
日菜子さんは共働きの両親のもと、
「中高一貫教育の私立の学校を卒業して、立命館大学法学部に進学。とても優秀な娘さんですよ」
大学入学とともに、京都市北区にある家賃月6万円ほどのワンルームマンションで一人暮らしをスタート。その部屋で今回の事件が起きてしまった。
「深夜、日菜子ちゃんの部屋に2人きりでいたってことは特別な関係だったんでしょうね。彼らの間に何があったのかは知らないけど、殺害方法があまりにも残酷で……許せない」
薬物の入手先の情報は掴んでいる
捜査関係者は次のように話す。
「これまでに出ているのは、あくまで容疑者の供述、言い分に過ぎない。我々は被害者のマンションなどの防犯カメラの映像を確認していて、薬物の入手先の情報も掴んでいる。タリウムを誤って飲ませた過失致死ではなく、故意に致死量を飲ませた殺人だと踏んで逮捕した」
前途洋々だった濱野日菜子さんの命を無残にも奪った宮本容疑者の動機は一体何だったのか。今後の捜査で明らかになっていくことだろう。