警察になだめられる野々村竜太郎

 3月5日、ライブ配信アプリ『ふわっち』で、“悠久の歴史と光陰矢の如し“と題された音声のみの生配信がスタート。同時接続20人前後と小規模ではあるが、声の主は”絶叫議員“として一時期日本中の注目を集めた元兵庫県議会議員・野々村竜太郎本人だ。

「彼は関西大学を卒業後、兵庫県の川西市役所に勤務するも、政治家を志すため退職。4度の落選を経て'11年に政界入りしました。しかし、不明瞭な日帰り出張費が政務活動費から支出されていたことを指摘され、'14年7月に釈明会見を行うも“うわ~ん! この世の中を! 変えたいぃ!”と感情を爆発させた号泣姿でお茶の間を震撼させました」(スポーツ紙記者)

「自分の市場価値はいくらか」をアンケート

 その後、詐欺などの罪で起訴され'16年7月に懲役3年、執行猶予4年の判決が下った野々村は、以後マスコミの取材を拒否して隠遁生活を送っていた。

「これまで10分のライブ配信を計6回放送。5日はロシアとウクライナの戦争が1年以上続いたことを受けて時間の流れが早いといった趣旨のトーク。翌6日は“恋の話”という題で、現在は自身が56歳という年齢もあってパートナー探しに積極的になれないことを明かし、飛んで8日にはサイコロでお題を決める企画で、カラオケの十八番は『北酒場』、好きなアニメは『装甲騎兵ボトムズ』で最近は『鬼滅の刃』も見ているなど、絶叫とは程遠いボソボソ声で語っていました」(配信の視聴者)

 号泣会見から約9年の沈黙を破り、野々村が動き出したのには身につまされる理由があるようだ。

「騒動以降の彼は世間の目もあって定職に就かず、親の住む団地の一室に身を寄せてニート生活をしていました。‘20年ごろからは自身のブログに広告を掲載することで収入を得る “アフィリエイト”を行っていましたが、微々たる金額しか稼げなかったでしょうし。配信を始める直前、SNS上で“自分の市場価値はいくらか”や“自分が吉本興業に入ったらニュースになるか”といったアンケートを取っていましたから、自身の知名度を活かした在宅での収入を得ようとしているんでしょうね」(前出・スポーツ紙記者)

 そんな野々村だが、本誌は'20年4月に取材を試みている。当時の彼の近隣住民に話を聞いた際、

「'18年の夏ごろに親と同じ団地内でひとり暮らしを始めましたが、毎日のように母親が住む部屋へ朝食を食べにいっていたようです。また、母親が外出すると一定の距離を置いて後ろから見守るように歩いています。どういう意図かはよくわかりませんが……」

 と、親離れができていない様子だった野々村。その証言通り、野々村の母親が昼下がりに自宅を出て最寄りの駅に向かうと、黒のスーツに帽子を深くかぶった野々村の姿を目撃。

 本人に近況を聞こうと声をかけた瞬間、踵を返して「助けてぇ~!」と絶叫し逃走。野々村はどこかに携帯電話で電話をかけ始めると「助けてください!」を繰り返しながら、駅近くのスーパーに駆け込んでいった。

警察も戸惑うほどの喚き

「男性が大声で騒いでいたので周囲は騒然。お客さんや店員さんに掴みかかる勢いで助けを求めていましたが、事情がわからないから誰も助けていませんでした」(当時、居合わせた女性)

 客の目など気にせず絶叫しながら店内を走り回る野々村。周囲に危害を与えないように、記者が本人をなだめようとするも意に介さずスーパーを飛び出し、近くの郵便局に飛び込む。あっけにとられている郵便局員たちに事情を説明するためにも、

「一旦、落ち着きましょう」

 と、記者が野々村に声をかけるも、

「半径10キロ以内に入らないでください! 今、接近を控えるように言われてるでしょう!」

 など新型コロナウイルスを意識したと思われる発言で牽制。そうこうしているうちに警察が郵便局に到着し、複数の警察官が暴れ続ける野々村を抑えている間、記者は警察から“とりあえずこの場を離れてください”と、指示されたため、本人から話は聞けなかった。

取材から全力逃走する野々村竜太郎

「警察が何を聞いても”助けてください”と”保護してください”の一点張りでした。 彼らが“落ち着いてください”となだめてましたが会話にならず。最後はなぜか警察に対して”解放してください!”とわめいてましたよ」(一部始終を目撃していた男性)

 あれから約3年。今年2月に自身のSNSで、引き続き取材や出演依頼を迷惑と語りつつも“報酬によっては、快諾もあり得る”と発信するなど、メディア露出への可能性も匂わせる野々村。

 近いうちに本人の口から、あの号泣会見と近況について語られる日が来るかもしれない――。