『第27回結核予防関係婦人団体中央講習会』にご臨席(2月28日・JMPA撮影)された紀子さまと2月下旬のとある朝、SPに見守られながら8時過ぎに登校された悠仁さま

 東京大空襲から78年となる3月10日、都内で営まれた『春季慰霊大法要』に参列された秋篠宮ご夫妻。お代替わりに伴い、皇位継承順位が1位の『皇嗣家』となった秋篠宮家は、多くの公務をこなされている。

「3月16日、佳子さまは茨城県を訪れ、日本三名園に数えられる『偕楽園』へ足を運ばれる予定です。4年前の台風で倒れてしまった『左近の桜』というヤマザクラを元の場所に植樹する式典に出席されます」(皇室担当記者)

お誕生日写真が“宣材写真”

 秋篠宮ご夫妻は、5月6日に行われるイギリスのチャールズ国王の戴冠式に参列されることが決まった。

「活発に活動されるご一家の中で、ご動向がうかがえないのが、長男の悠仁さまです。今年1月には、ご両親とともにJICA横浜 海外移住資料館を訪れて、日系移民についての資料をご覧になりましたが、それ以来、報道陣の前に姿をお見せになっていません」(同・皇室担当記者)

 昨年4月、“筑附”こと筑波大学附属高校に入学された悠仁さまは、この春、2年生に進級される。

「学年末考査は3月上旬に終わりました。筑附ではテストの順位が発表されないため、学内の勉強でナーバスになることは、あまりないでしょう。3月17日に終業式が行われ、そこから春休みに入ります」(筑附関係者)

 今年に入ってからは、1月におひとりで長野県のゲレンデまでスキー旅行にお出かけになったとも報じられたが、そのお姿は公開されていない。

「毎年9月、悠仁さまのお誕生日に際し、写真と映像が撮影されます。昨年、16歳をお迎えになった際は、お住まいのある赤坂御用地内の水田で、稲の生育状況などを観察された際の様子が公開されました。ただ、このようなご近影は“宣材写真”のような要素が強く、自然体とは言いがたいです」(皇室ジャーナリスト)

 宮内庁が公表している悠仁さまの情報は、ごくわずかだ。高校で入部したバドミントン部で、基礎体力づくりに励まれていることや、夏休みの間にも9月の文化祭の準備や部活動のために登校されたことなどで、いずれも写真や映像があるわけではない。

悠仁さまのご様子を発信する意味

「秋篠宮ご夫妻は、誕生日に際して記者会見や文書で感想を述べられます。悠仁さまについても触れられますが、“忙しくも充実した日々を送っている”といった文言が続き、具体的なイメージを浮かべるのは難しいのです」(同・皇室ジャーナリスト)

 次代の天皇として注目を集める一方、プライベートでのお姿は謎に包まれている。

「天皇陛下の高校時代を振り返れば、学校行事や部活動の大会など、適宜、マスコミへの取材設定が組まれ、ひとりの生徒としてのありのままの姿が、国民に広く示されていました。SNS全盛の時代になったので、陛下のころと単純に比較することはできませんが、悠仁さまがどのような高校生活をお過ごしになっているのかは国民の関心事でもあります」(宮内庁OB)

 上皇さまと、高校時代に馬術部のチームメートとして切磋琢磨した明石元紹さんは、当時を振り返る。

(左)1975年4月、学習院高等科の入学式で同級生と並ばれた天皇陛下。(右)同年7月、静岡県沼津市で行われた臨海学校では必死なご表情で遠泳を

「上皇さまが高校生だったころは、まだ“開かれた皇室”ではなかったので、簡単にはマスコミが取材できなかったと記憶しています。代わりに、私たち学友が取材を受けて、学内でのご様子をお伝えすることが多かった。

 次代の陛下の成長過程においては、環境が大きく変わりました。“国民とともに歩む皇室”が確立され、学校生活や部活動、ご趣味の登山や海外留学なども、ご近影とともに報じられていましたね」

 皇室制度に詳しい静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授は、“未来の天皇”の普段のご様子が発信される必要性を説く。

「いずれ即位される親王の、ありのままのお姿を世間に発信することで、国民との心の結びつきを強める意味があると思います。戦後、天皇は“神”から“人間”に。人としての成長や日常生活などが広く紹介されることで、国民は親しみを深めてきたのです」

情報を隠せば“悪循環”に

 こうした中、悠仁さまの高校生活がいっこうに明かされないのは、紀子さまのご意向が強いともいわれている。

「昨年は、悠仁さまに関するネガティブな報道が相次ぎました。未成年の親王に対し、世間から厳しい視線が注がれたことに、紀子さまはひどく思い悩まれたとか。わが子のため、私生活を極力、公にしないように配慮されていると聞きます」(宮内庁関係者)

 高校受験にあたり、お茶の水女子大学附属中学校に通われていた悠仁さまは、お茶大と筑波大の間で結ばれた『提携校進学制度』を利用。この制度が当初5年間限定で設けられたことから、悠仁さまのための特別ルートと囁かれた。

「ちょうどそのころ、悠仁さまが過去に文学賞に入賞された際の作文に“盗用”疑惑が持ち上がりました。一部の記述が、それ以前に出版されたほかの著作物と酷似していると指摘されたのです」(同・宮内庁関係者)

昨年9月、悠仁さまの誕生日に公開されたご近影。赤坂御用地内の水田を観察されている(宮内庁提供)

 窮地に立たされた愛息を守るべく、奮闘されている紀子さま。しかし、次代の皇室を担われる悠仁さまにとって、プラスとはいえないようだ。

「動きのあるご近影があまりないために、国民にとっては薄い印象しかないのが実情でしょう。例えば、バドミントン部で活躍されているお写真などがあれば、国民は悠仁さまにより親近感を抱けると思います。成長過程が発信されなければ、国民からの敬愛や信頼は得がたい。悠仁さまの私生活に関する情報の少なさは、あらぬ臆測を生む原因になり、情報を隠せば隠すほど、国民が敬遠していくという悪循環を引き起こしかねません」(小田部教授)

 皇室の未来に暗雲が立ち込めていることに、紀子さまはお気づきだろうか─。


小田部雄次 静岡福祉大学名誉教授。日本近現代皇室史を専門とし、『皇室と学問 昭和天皇の粘菌学から秋篠宮の鳥学まで』(星海社新書)など著書多数