御菓印帳(1部2750円)は豊島屋本店をはじめとした全国加盟店において3月下旬以降、順次販売予定。(詳しくは全国銘産菓子工業協同組合ホームページ『あじわい』https://www.ajiwai.or.jp/を参照)

 今月、日本橋三越本店の『第77回全国銘菓展』で、その御菓印を収納する『御菓印帳』がお披露目された。パステルグリーンの可愛い表紙に、『鳩サブレー』や『一六タルト』など、おなじみの銘菓がキュートに並ぶ。コレは欲しい……。もちろん御菓印自体も、この日に初お目見えした店舗がほとんど。各店、屋号や人気商品などをモチーフに趣向を凝らした力作だ。コレは誰だって集めたくなっちゃうでしょう!

「趣味=御菓印帳」の時代

「ありがとうございます。御菓印帳は、幅広い層の女性をターゲットに作りました。御城印(お城版御朱印)もある、鉄印(鉄道版御朱印)もある。だから、御菓印があってもいいんじゃないのって(笑)」

 そう語ってくれたのは御菓印の発案者で全国銘産菓子工業協同組合理事長、久保田陽彦さんだ。久保田さんは、前出・鳩サブレーを販売する鎌倉『豊島屋』の代表取締役でもある。

「主に、若い世代の方々に和菓子文化を受け入れていただくための入り口として提案しました。自分も和菓子屋ですが“本店”への思いは特別。本店では、その菓子店の銘菓や歴史、そして本店ならではの空気感が感じられます。私自身、全国どこへ行っても“和菓子屋さんの本店”を訪ねてしまいますね」(久保田さん、以下同)

 そんな“本店愛”に満ちた久保田さんの店、豊島屋本店には愛とこだわりが詰まっている。『鳩サブロー(鳩三郎)』グッズや上生菓子、洋菓子など本店限定の商品が数多く販売され、“豊島屋本店に行くために鎌倉へ行く”というファンも少なくない。駅近ということもあり、すでに鎌倉の一大観光スポットとなっている。

「和菓子という文化を一層広めるために、そのお店のコアなファンになっていただきたい。はじめは御菓印集めの目的でも、まずは本店の雰囲気を味わい、それからお菓子を味わってほしいですね」

 現在、御菓印の配布をスタートした店舗は全国に30店舗以上。これから順次増えていく予定だ。また、全銘の加盟店以外の和菓子店にも御菓印の輪が広がることを久保田さんは期待する。

「特に昔の宿場町に店を構える老舗和菓子店では駅から遠い場合もあります。だからこそ、わざわざ本店を訪ねることで、その地域の活性化にもつながる。御菓印が旅の足がかりになってくれたら」

 お気に入りお菓子の生誕の地を巡礼し、御菓印を拝受する。これは新しい“お菓子の推し活”かも!? 新型コロナも収束の様相を見せている今、御菓印集めに出かけよう!

(1)山形県『乃し梅本舗 佐藤屋』(2)福島県『柏屋』(3)千葉県『なごみの米屋』(4)東京都『うさぎや』(5)東京都『とらや』(6)神奈川県『豊島屋』(7)愛知県『両口屋是清』(8)岐阜県『田中屋せんべい総本家』(9)長野県『小布施堂』※御菓印の配布方法は店舗により異なります。詳しくは各店舗に直接お問い合わせください。

 

(10)新潟県『越乃雪本舗大和屋』(11)京都府『聖護院八ッ橋総本店』(12)京都府『豆政』(13)三重県『赤福』(14)奈良県『御菓子司 本家菊屋』(15)島根県『彩雲堂』(16)愛媛県『一六本舗』(17)佐賀県『丸芳露本舗 北島』※御菓印の配布方法は店舗により異なります。詳しくは各店舗に直接お問い合わせください。

 

御菓印帳は発売初日に並んで一番乗りで購入。御菓印も1日で大量に集めたという久保田さん

 

ファン感涙“五勝手屋羊羹の先っぽ”『通好み』と五勝手屋羊羹、SNSで話題となった『ゴッコ』御菓印帳の左下にも描かれた北海道『五勝手屋本舗』の『五勝手屋羊羹』。表紙に出た和菓子は“はじめに手を挙げた”数店の商品で構成

 

三重県亀山市『深川屋陸奥大掾』では、14代目当主・服部吉右衛門亜樹さん在店時に限り、なんと直筆での御菓印をもらえるそう。箱のフタに御菓印が付属された銘菓『関の戸』も販売。

 

御菓印の絵柄にもなっている榮太樓飴。ほかに名物の金鍔も描かれている