日常の気になる疑問を解決! トレンチコートの「トレンチ」ってどういう意味? 知って楽しいおもしろ雑学を友達や家族にも教えてあげよう。
知って楽しい!おもしろ雑学
Q. トレンチコートの「トレンチ」ってどういう意味?
A. トレンチは銃弾から身を守るために掘った、「溝」を意味する言葉です。(株式会社ボットーネ代表 松はじめさん)
肩の部分にあるボタンがついたベルトのような装飾「エポレット」は、階級を表すバッジや、銃のストラップが滑り落ちるのを防ぐための役割
春先になると活躍する上着といえばトレンチコートだが、ふと素朴な疑問が。「トレンチ」とは、どういう意味なのか。表参道でオーダーメードの紳士服などを仕立てる「株式会社ボットーネ」の代表、松はじめさんに聞いた。
「トレンチコートの『トレンチ』は、戦争で銃弾から身を守るために掘った塹壕、つまり『溝』を意味する言葉。19世紀末にイギリスが南アフリカの一部を侵略しようとボーア戦争が起こり、その時代あたりから戦争で鉄砲が使われるようになりました。
背丈くらいの溝を掘り銃弾を避けつつ撃ち返すために実行されたのを『トレンチ作戦』といいます」(松さん、以下同)
ただ、現地では雨がよく降り、溝の中は泥だらけに。服が泥まみれになると体温も奪われ衛生的にも問題があり、対策が必要だった。また、イギリスの陸軍では、厳しい服装チェックがあり、少しでも汚れがあると注意を受けてしまう。
「そこで、戦争に使う道具を納品していたバーバリーなどの会社に、泥に強いコートを作ってほしいと依頼したことが、トレンチコート誕生のきっかけでした」
そこから開発が進み、第1次世界大戦ではバーバリーだけで150万着ものトレンチコートを軍に納品したという。そんなトレンチコートが、民間に広まったきっかけは?
「1918年にトレンチコートが新聞広告に載ったのですが、ファッションアイテムとしてもカッコいいので、瞬く間に流行しました」
その後、オードリー・ヘップバーンなどの有名女優が着用するようになり、女性も取り入れるようになっていった。