14日、2022年に男性を何度も殴り、大けがをさせた事件にも関与したとして傷害容疑で寺内進容疑者(31)が再逮捕された。2022年8月、福岡市博多区の歩道で、被害男性の顔を何度も殴り、全治およそ1か月のけがをさせたという。2人に面識はなく、事件現場付近で出会い、何らかのトラブルになったと見られている。
見知らぬ男性に暴行を繰り返した寺内容疑者は2023年1月、JR博多駅前で起きたストーカー殺人事件でも逮捕・起訴されている。
事件は16日の午後6時14分ごろ、博多駅の出口、博多口から150メートルほどのところにある朝日新聞社ビル裏側の路上で発生。現場近くにある派遣会社に勤めていた川野美樹さん(38)が駅へと向かう帰宅中に、黒い服を着た30~50代の男にメッタ刺しにされた。
容疑者は現場から立ち去り、そのまま逃走したため、事件発生当時は警察から犯人の名前は発表されていなかったのだが、ネット上では“寺内進”の名前がすでに拡散されていた。
『週刊女性PRIME』は事件当時、不可解な情報流失の背景を追いかけていた。
(以下は、2023年1月22日に配信した記事の再掲載です)
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逃走していた容疑者が逮捕される前日、Twitter上に「拡散お願いします」という文言とある画像がアップされた。そこには被害女性の顔写真とともにメールの文面をスクリーンショットしたと思われる画像があった。
《〇〇ママ 昨日殺された河野美香さんです。ラウンジで働いていました38歳です。
寺内進は系列のラウンジで働く人で31歳です。ご存じの方はご一報ください》
被害女性の名前は少し違うし、犯人と名指ししてはいないものの“寺内進”が容疑者ではないかという噂はネット上で瞬く間に拡散。関係者のリークなのか、あるいはデマなのか……マスコミのあいだでもさまざまな憶測が飛び交った。
事件は16日の午後6時14分ごろ、博多駅の出口、博多口から150メートルほどのところにある朝日新聞社ビル裏側の路上で発生した。
「現場近くにある派遣会社に勤めていた川野美樹さん(38)が駅へと向かう帰宅中に、黒い服を着た30~50代の男がいきなり刃物で襲いかかり、女性に馬乗り状態になってメッタ刺しにしたのです。男はそのまま逃走、川野さんは病院へ搬送されるも40数分後に死亡が確認。死因は失血だった」(全国紙社会部記者)
ストーカー男の凶行
当時、逃走中の容疑者は被害者の元交際相手と目されていた。被害女性は、昼は前出の派遣会社、夜は飲食店で働いていて、元交際相手はその飲食店で出会ったという。およそ半年間付き合っていたが、昨年の秋ごろに別れていた。
「男は納得いかなかったのか、被害女性をつけ回したり、職場に押しかけたりと執拗にストーカー行為を繰り返した。それで被害者は警察に相談し、警察からストーカー規制法に基づく“接近禁止命令”が出ていたのです。男が被害女性を刺したのは、警察に通報したことへの逆恨みだと思われる」(同・社会部記者)
冒頭の書き込みにあった “〇〇ママ”とは福岡県博多区の歓楽街・中州のあるクラブのママの名前だった。被害女性との関係を知るべく、中洲のママを取材すると、
「実はね、うちの系列の店への連絡事項で書いたんだけど結局、送らなかったメールがあって。そのメールの下書きを使ってうちのクラブに勤めるA子がSNSで勝手に拡散しちゃったのよ。
だからもう、容疑者も被害者もうちの系列で働いていたんじゃないかって、マスコミがどっと押し寄せてきてね。そうじゃないんだけど」
ママがメールに被害女性の名前を間違って入力したため、拡散された画像もそのままに。だが、容疑者の名前は当たっていた。18日、飲食店従業員の寺内進容疑者(31)が逮捕されたのだ。
なぜママが犯人の名前を知っていたのかと尋ねると、
「私はある知人から、そう聞いたの」(中洲のママ)
夜の世界のネットワークでママの耳には届いていたようだ。
そして、書き込みをしたA子さん本人にも話が聞け、その真意を『週刊女性プライム』だけに打ち明けてくれた。
捕まってほしいという一心で…
「私も長年、中洲でホステスをしとるけど、この中洲で働いとる人同士のあいだで事件が起きて、犯人はあんな残虐な殺し方をして逃げとる。悲しいし、悔しいし、なんとか捕まってほしいという一心で、あんなことをしてしまったとですよ」
被害女性と容疑者とは顔見知りでもなく、
「2人はほかの系列の別々の店で働いとったと聞いています。ママの名前のところは伏せるはずが、間違えてそのまま出しちゃって……。私のSNSも炎上しました」
とはいえ、もし“寺内進”が容疑者ではなかったら……。罪なき人に“殺人者”という汚名を着せてしまった可能性もあるのだ。一時の感情に流されたSNSへの書き込みには注意が必要だろう。