今月22日、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)にて14年ぶりの優勝を飾った侍ジャパン。WBCで不調が心配されていた村上宗隆選手(23)だが、準決勝9回裏での逆転サヨナラヒットに続いて、決勝戦2回裏ではソロホームランを放ち、“村神様”完全復活を遂げた。世界に感動の渦を巻き起こした村上だが、そのウラで、とあるTwitterアカウントがネットでじわじわと話題を呼んでいて──。
熊本出身で九州学院高等学校を卒業後、2017年のプロ野球ドラフト会議でヤクルト入団を果たした村上。2022年には、プロ野球史上初の5打席連続本塁打、日本選手年間最多の56本塁打、史上最年少の22歳で三冠王達成を果たすなど、この若さで日本球界を代表する選手の1人だ。
村上はフォロワー85万人を数えるインスタグラム、23万人を超えるTwitterと複数のSNSアカウントを持っているが、それとは別にファンの間で「村上の中学生時代のアカウントなのでは……?」と目されているTwitterアカウントがあることをご存じだろうか?
《原監督の言葉泣けるわー泣泣》巨人ファンだった過去
そのアカウントは2013年12月に開設されており、アカウント名は「村上むねたか」とある。また、《熊本東リトルシニア元キャプテン 高校で絶対越す(♯`∧´)努力》との自己紹介文も。『熊本東リトルシニア』 のホームページによれば確かに出身OBとして、
《2017年東京ヤクルトスワローズにドラフト1位で入団、東京オリンピックで侍ジャパンの選手として金メダルを獲得した村上宗隆選手(九州学院OB)がいます》
と、彼のことが紹介されている。また、ファンが村上のTwitterだと確信する理由が、アイコンの画像が少年時代の村上にあまりにそっくりだということ。
中学時代の村上を知る人物も語る。
「確かに村上くんは中学生のころにちょこちょこTwitterを使っていましたね。同級生とリプライでやりとりすることももあった。ただ、高校も強豪校になってからは練習がさらに厳しくなった。寮生活でなく実家暮らしではありましたが、そういった理由ことから次第にSNSから遠ざかったっていったのではないでしょうか」
このアカウントの噂はヤクルトファンの間で知られているのか、2014年を境に更新がストップしているが、5700人以上ものユーザーからフォローされている。
このアカウントの更新は2014年末に止まっており、ちょうど高校に入学するタイミングと重なる。内容を見ていこう。
《ジャイアンツ優勝!胴上げ8回!》(2014年9月26日午後9:21)
《原監督の言葉泣けるわー泣泣》(2014年9月26日午後9:25)
《ジャイアンツがんばれー》(2014年10月18日午後9:41)
《あー雨降らんでマジ野球したい》(2014年10月13日午前7:44)
《今日も野球頑張るかw》(2014年11月1日午前8:06)
野球少年らしいツイートが多い。2022年11月に開催されたヤクルトスワローズの「ファン感謝デー2022」で、小学生時代の卒業文集に《巨人に入団したいです》と書いていたことを球場の大型スクリーンに映し出されるという“暴露”をされていただけに、ほっこりするツイートだ。
ソフトバンク増田珠とのやりとりも
ちなみに村上はこの日のファン感謝デーで、
「ジャイアンツ、よくお父さんが見ていのでそこに入団したいと思ってたんですけど。こうして僕、今ヤクルトめちゃくちゃ大好きなんで。本当にヤクルトに入れて良かったなと思っています」
と発言しファンを沸かせていた。家に帰ったらジャイアンツ戦がテレビでついていたから見入っていたのだという。
その他に村上少年のツイートで注目が集まるのは、現在福岡ソフトバンクホークスに在籍する同級生の増田珠選手(23)とのやり取りだ。村上が増田に対して、こうつぶやいている。
《まじでー ピッチャー?》(2014年12月25日午後9:49)
村上は中学2年生の冬に、九州選抜チームのメンバーに選ばれ台湾での遠征を経験。そして、3年生の時には、熊本県硬式野球選手権大会で優勝を果たしているが、実はこの時のチームメイトの1人に増田がいた。
そもそも彼らがチームメイトだったことを知らなかった者も多いようで、
「この時から増田珠とは仲良かったんやな」
「ほほえましいやり取りだな」
とのコメントが寄せられた。
また、「甲子園、プロ野球、ドラフト情報」というアカウントの投稿に反応する場面も。
《将来の日本を代表するショートは?? 今宮健太→RT 山田哲人→ ファボ》(2014年10月13日午後11:33)
のツイートに対しては、いいね(ファボ)を押し、山田哲人選手を選択していることがわかる。
山田哲人は当時2014年10月9日にMLB選抜チームと野球日本代表(侍ジャパン)によるシリーズ戦「日米野球」にて侍ジャパンのメンバーとして選出されたことが発表され話題になっていた。現在は村上と同じヤクルトに所属しており、今年のWBCも一緒に出場しているチームメイトなのだ。SNSでは、
「山田ファボしてるだけで満足だわ」
「のちに同じチームに入るとは夢にも思っていないだろうな」
「中学生の時憧れていた選手と、のちに夢のWBCで優勝は感動……」
と感激する声が続出。なんとも不思議な運命のめぐりあわせである。村上少年はほかにも山田が2014年に日本人右打者新記録のシーズン192安打を記録した日の速報ツイートもリツイートで反応を示していた。
さらに、二刀流の大谷翔平選手(エンゼルス)についても言及していた過去が。
大谷翔平の“164キロ”をWBCで目撃した村上選手
《大谷きたーーーー! みせろ164!w》(2014年11月12日 午後8:23)
2014年11月12日──。この日は大谷翔平がはじめて“侍ジャパン”の一員として『日米野球』で海外チームと対戦した日である。
この日、大谷は投手として8回裏に登板し、打者3人を相手にヒットを許すことなく無失点で抑えている。村上のツイートはそんな大谷が登板する瞬間につぶやいたものだと思われよう。ちなみにこの試合、MLBオールスターチームを相手に2-0で勝利をおさめた。テレビの前の村上少年は侍ジャパンの躍動に何を感じ、それからどんな日々を過ごしたのか──。
ネットでは先の大谷へのツイートをめぐって起きた“ある奇跡”に驚きの声があがっている。
なんと今回のWBCで大谷はイタリアとの準々決勝、そして決勝9回表の最後の対戦相手・トラウト(エンゼルス)に放ったうちの1球で、同じ164キロの剛速球を記録しているのだ。その約10年前に村上少年が大谷に向けてエールを送った《みせろ164》。できすぎた偶然の一致に、
「この9年後に同じ舞台に立つとか最高にエモすぎる。そして優勝に導いた164キロを目の前で見ることになるなんて…!」
「あんたが全部見せてくれたよ。この時の中学生に2023年の全人類が魅せられてるよ。マジでカッコ良すぎ!」
「ツイート時間も20:23 (WBC2023)。見事な伏線回収、さすが村神」
と奇跡のコラボレーションの連続に感動のコメントが相次いだ。
今大会では不調続きでプレッシャーがかかる中、最後の2試合で怒涛(どとう)の活躍を魅せた村上。中学生のときに憧れた選手とともに戦い、チーム一丸となって優勝に導いた。村上少年のアカウントには今も野球ファンからの「感動をありがとう」といったコメントが寄せられていて、さながら“聖地”のようになっている。
大会を終えた村上は3月23日にインスタグラムを更新。決勝戦で自身がホームランを放った瞬間の画像をアップし、長文で感謝を綴った。そのなかにはこのような言葉も。
《僕にとってWBCの優勝は小さい頃からの夢でした まずは一つの夢が叶い、そして更に高い目標を設定させてくれてたこの大会に本当に感謝しています》
これはまだ夢の途中にすぎない──。